妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~

創伽夢勾

文字の大きさ
上 下
70 / 133
3章:王都招集

65:出会い

しおりを挟む
 俺たちがご飯を食べ終わると丁度、エルから連絡が入る。

《レジーナが王都へ着きました》

 レジーナが三日かかるといっていたのに2日でたどり着いている。
 まぁそれなりの移動手段があるのだろう。ノワールには敵わないだろうけど。

「アーナさんご馳走様。俺たちは少し出かける。夜には戻ってくる」

 俺がそう言うと、ミラが立ち上がり反応する。

「ど、どこに行くの?」
「どこに行くのも勝ってだろ? で、何か用でもあったのか?」

 俺がそういうとミラは明らかに慌てだす。

「ミラはただ、町の案内をしてあげたかっただけ」

 シーナが情報を加える

「そうです。素直じゃないんですから」
「アーミル? 貴方にだけは言われたくないわ」
「なっ!?」

 そしてアーミルがミラを煽り、なぜかミラとアーミルの言い合いが始まる。

「いつものことだから、気にしない」

 シーナは慣れているようだ。そして、ノーワルを手招くと、思いっきり抱きしめる。

「キュイ!?」
「ノワールちゃん貸して」

 今日俺が行く用事にノワールはあまり関係していない。それにあんまり嫌がってるように見えない。そんなノワールが見えたからこそ俺はそれを許可した。

「ありがと」

 シーナはそう言ってノワールを撫でていた。

「で、結局どこへ行くの?」
「ん? 王城だ」
「「「……」」」

 そしてなぜか沈黙が流れる。アーナさんは調理場に戻っているためこの話は聞いていない。

「あなたってホント何者?」
「ただの冒険者だ。行くぞ」

 俺はそう言って宿を出た。目的地はレジーナのところだ。



 俺はティナとフロンと共に街を歩く。目指すは貴族外への入り口。
 今レジーナが其処を目指しているから先についておきたい。

 そして俺が町中を歩いていると、馬で引かれている馬車の荷台のひもがほどける。
 乗っているのは大きめの箱、その横にはローブを羽織った人がいた。
 その箱はその人めがけて落ちてくる。

「ん!?」

 『縮地』

 俺はとっさに縮地を使っていた。
 落ちてくる箱からどうにか、助けることができた。
 今の状態は、いわゆるお姫様抱っこ。そして俺の抱える右手にはわずかに柔らかい感覚が
 その直後、ローブの人は俺から距離を取り、ぺこりと頭を下げると、すぐにどっかに行ってしまった。
 だがその身のこなしは、一般人のそれではなかった。

「ユウ様? お怪我は?」
「大丈夫だ。あの子も大丈夫そうだったし」
「あの……子?」
「時間がないさっさと向かうぞ」

 俺たちが貴族外の門につくと表の門と同様兵士が立っていた。
 そしてしばらくすると、後ろからレジーナが歩いてきた。

「ん? まさかユウ殿か?」
「あぁ、そうだ」

 そして俺はレジーナと二日ぶりに再会した。

「まさか、私より早くついているとは、いったいどんな移動手段を使ったのだ」
「それは企業秘密ってやつだ」
「そうか、なら仕方ない。門を開けてくれ」

 レジーナがそういうと、目の前の兵士二人が貴族街への門を開ける。

「さぁ、行こうか王城へ」

 俺たちはレジーナのあとについて貴族街に入っていく。

「そちらの二人は、ユウ殿の恋人か何かか?」

 歩きながらそう聞いて来るレジーナ。
 それを聞きティナとフロンは顔を赤くする。

「違うぞ」
「なんだ違うのか、それでは自己紹介をしよう。私はレジーナ・テル・テリィーナ。王都騎士団の副団長なんてものを務めさせてもらっている」

 レジーナは立ち止まり、ティナに手を向ける。

「私の名前はティナ・アカーシャです。ユウ様の従者をさせていただいています」

 そう言ってティナはレジーナの手を握った。握手というやつだ。
 そしてレジーナが次に握手を求めるのは勿論フロンだ。

「私はユウ様の1番奴隷のフロン・フィールです」

 フロンもレジーナの手を握る。

「奴隷とは思えないいい笑顔だ。さぞかしいい主人に恵まれたのだろう」

 そう言ってレジーナは俺に目を向ける。それに続くようにティナ、フロンも俺に目を向ける。
 そしてフロンはレジーナに向き直りこういった。

「はい! 私の大切なご主人さまです!」
「そうか」

 レジーナは短答を返すと、再び歩き出した。

 さすがは貴族街、一般区とは比べ物にならないほどきれいだ。そして兵士の数も多い。そしてその兵士たちはレジーナを見ると敬礼し、俺を見て首をかしげる。
 まるで「あいつは何者だ?」と言いたげな表情をして

 そしてしばらくすると、このセイン王国中心の城へとたどり着いた。
 レジーナが門前の兵士と何やら話していると、すぐに門が開いた。

「ユウ殿。さぁこっちだ」

 俺はレジーナに言われるがまま王城に足を踏み入れる。
 王城の中には高そうな絵や壺が飾ってあった。
 侍女達は俺を見て不思議な顔をするが、近くにレジーナがいるため何も言わない。
 やはり、レジーナを待って正解だったようだ。

「ここだ」

 俺たちがたどり着いたのは、一つの部屋の前だった。
 俺はもっとこう、謁見的なものを想像していたが、どうやら違うようだ。

「この先にはこの国の王様とその娘の第3皇女様がいる。くれぐれも粗相のないようにな」

 レジーナは俺に釘を刺しながら、ドアに手をかけた。

 そして俺が目にしたのは白髪の王様らしき人と一人の護衛らしき男性。そして黒髪のお姫様だった。
しおりを挟む
感想 118

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

スキル盗んで何が悪い!

大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物 "スキル"それは人が持つには限られた能力 "スキル"それは一人の青年の運命を変えた力  いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。  本人はこれからも続く生活だと思っていた。  そう、あのゲームを起動させるまでは……  大人気商品ワールドランド、略してWL。  ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。  しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……  女の子の正体は!? このゲームの目的は!?  これからどうするの主人公!  【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜

ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった! 謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。 教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。 勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。 元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。 力を持っていても順応できるかは話が別だった。 クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。 ※ご注意※ 初投稿、試作、マイペース進行となります。 作品名は今後改題する可能性があります。 世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。 旅に出るまで(序章)がすごく長いです。 他サイトでも同作を投稿しています。 更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

処理中です...