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3章:王都招集
65:出会い
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俺たちがご飯を食べ終わると丁度、エルから連絡が入る。
《レジーナが王都へ着きました》
レジーナが三日かかるといっていたのに2日でたどり着いている。
まぁそれなりの移動手段があるのだろう。ノワールには敵わないだろうけど。
「アーナさんご馳走様。俺たちは少し出かける。夜には戻ってくる」
俺がそう言うと、ミラが立ち上がり反応する。
「ど、どこに行くの?」
「どこに行くのも勝ってだろ? で、何か用でもあったのか?」
俺がそういうとミラは明らかに慌てだす。
「ミラはただ、町の案内をしてあげたかっただけ」
シーナが情報を加える
「そうです。素直じゃないんですから」
「アーミル? 貴方にだけは言われたくないわ」
「なっ!?」
そしてアーミルがミラを煽り、なぜかミラとアーミルの言い合いが始まる。
「いつものことだから、気にしない」
シーナは慣れているようだ。そして、ノーワルを手招くと、思いっきり抱きしめる。
「キュイ!?」
「ノワールちゃん貸して」
今日俺が行く用事にノワールはあまり関係していない。それにあんまり嫌がってるように見えない。そんなノワールが見えたからこそ俺はそれを許可した。
「ありがと」
シーナはそう言ってノワールを撫でていた。
「で、結局どこへ行くの?」
「ん? 王城だ」
「「「……」」」
そしてなぜか沈黙が流れる。アーナさんは調理場に戻っているためこの話は聞いていない。
「あなたってホント何者?」
「ただの冒険者だ。行くぞ」
俺はそう言って宿を出た。目的地はレジーナのところだ。
俺はティナとフロンと共に街を歩く。目指すは貴族外への入り口。
今レジーナが其処を目指しているから先についておきたい。
そして俺が町中を歩いていると、馬で引かれている馬車の荷台のひもがほどける。
乗っているのは大きめの箱、その横にはローブを羽織った人がいた。
その箱はその人めがけて落ちてくる。
「ん!?」
『縮地』
俺はとっさに縮地を使っていた。
落ちてくる箱からどうにか、助けることができた。
今の状態は、いわゆるお姫様抱っこ。そして俺の抱える右手にはわずかに柔らかい感覚が
その直後、ローブの人は俺から距離を取り、ぺこりと頭を下げると、すぐにどっかに行ってしまった。
だがその身のこなしは、一般人のそれではなかった。
「ユウ様? お怪我は?」
「大丈夫だ。あの子も大丈夫そうだったし」
「あの……子?」
「時間がないさっさと向かうぞ」
俺たちが貴族外の門につくと表の門と同様兵士が立っていた。
そしてしばらくすると、後ろからレジーナが歩いてきた。
「ん? まさかユウ殿か?」
「あぁ、そうだ」
そして俺はレジーナと二日ぶりに再会した。
「まさか、私より早くついているとは、いったいどんな移動手段を使ったのだ」
「それは企業秘密ってやつだ」
「そうか、なら仕方ない。門を開けてくれ」
レジーナがそういうと、目の前の兵士二人が貴族街への門を開ける。
「さぁ、行こうか王城へ」
俺たちはレジーナのあとについて貴族街に入っていく。
「そちらの二人は、ユウ殿の恋人か何かか?」
歩きながらそう聞いて来るレジーナ。
それを聞きティナとフロンは顔を赤くする。
「違うぞ」
「なんだ違うのか、それでは自己紹介をしよう。私はレジーナ・テル・テリィーナ。王都騎士団の副団長なんてものを務めさせてもらっている」
レジーナは立ち止まり、ティナに手を向ける。
「私の名前はティナ・アカーシャです。ユウ様の従者をさせていただいています」
そう言ってティナはレジーナの手を握った。握手というやつだ。
そしてレジーナが次に握手を求めるのは勿論フロンだ。
「私はユウ様の1番奴隷のフロン・フィールです」
フロンもレジーナの手を握る。
「奴隷とは思えないいい笑顔だ。さぞかしいい主人に恵まれたのだろう」
そう言ってレジーナは俺に目を向ける。それに続くようにティナ、フロンも俺に目を向ける。
そしてフロンはレジーナに向き直りこういった。
「はい! 私の大切なご主人さまです!」
「そうか」
レジーナは短答を返すと、再び歩き出した。
さすがは貴族街、一般区とは比べ物にならないほどきれいだ。そして兵士の数も多い。そしてその兵士たちはレジーナを見ると敬礼し、俺を見て首をかしげる。
まるで「あいつは何者だ?」と言いたげな表情をして
そしてしばらくすると、このセイン王国中心の城へとたどり着いた。
レジーナが門前の兵士と何やら話していると、すぐに門が開いた。
「ユウ殿。さぁこっちだ」
俺はレジーナに言われるがまま王城に足を踏み入れる。
王城の中には高そうな絵や壺が飾ってあった。
侍女達は俺を見て不思議な顔をするが、近くにレジーナがいるため何も言わない。
やはり、レジーナを待って正解だったようだ。
「ここだ」
俺たちがたどり着いたのは、一つの部屋の前だった。
俺はもっとこう、謁見的なものを想像していたが、どうやら違うようだ。
「この先にはこの国の王様とその娘の第3皇女様がいる。くれぐれも粗相のないようにな」
レジーナは俺に釘を刺しながら、ドアに手をかけた。
そして俺が目にしたのは白髪の王様らしき人と一人の護衛らしき男性。そして黒髪のお姫様だった。
《レジーナが王都へ着きました》
レジーナが三日かかるといっていたのに2日でたどり着いている。
まぁそれなりの移動手段があるのだろう。ノワールには敵わないだろうけど。
「アーナさんご馳走様。俺たちは少し出かける。夜には戻ってくる」
俺がそう言うと、ミラが立ち上がり反応する。
「ど、どこに行くの?」
「どこに行くのも勝ってだろ? で、何か用でもあったのか?」
俺がそういうとミラは明らかに慌てだす。
「ミラはただ、町の案内をしてあげたかっただけ」
シーナが情報を加える
「そうです。素直じゃないんですから」
「アーミル? 貴方にだけは言われたくないわ」
「なっ!?」
そしてアーミルがミラを煽り、なぜかミラとアーミルの言い合いが始まる。
「いつものことだから、気にしない」
シーナは慣れているようだ。そして、ノーワルを手招くと、思いっきり抱きしめる。
「キュイ!?」
「ノワールちゃん貸して」
今日俺が行く用事にノワールはあまり関係していない。それにあんまり嫌がってるように見えない。そんなノワールが見えたからこそ俺はそれを許可した。
「ありがと」
シーナはそう言ってノワールを撫でていた。
「で、結局どこへ行くの?」
「ん? 王城だ」
「「「……」」」
そしてなぜか沈黙が流れる。アーナさんは調理場に戻っているためこの話は聞いていない。
「あなたってホント何者?」
「ただの冒険者だ。行くぞ」
俺はそう言って宿を出た。目的地はレジーナのところだ。
俺はティナとフロンと共に街を歩く。目指すは貴族外への入り口。
今レジーナが其処を目指しているから先についておきたい。
そして俺が町中を歩いていると、馬で引かれている馬車の荷台のひもがほどける。
乗っているのは大きめの箱、その横にはローブを羽織った人がいた。
その箱はその人めがけて落ちてくる。
「ん!?」
『縮地』
俺はとっさに縮地を使っていた。
落ちてくる箱からどうにか、助けることができた。
今の状態は、いわゆるお姫様抱っこ。そして俺の抱える右手にはわずかに柔らかい感覚が
その直後、ローブの人は俺から距離を取り、ぺこりと頭を下げると、すぐにどっかに行ってしまった。
だがその身のこなしは、一般人のそれではなかった。
「ユウ様? お怪我は?」
「大丈夫だ。あの子も大丈夫そうだったし」
「あの……子?」
「時間がないさっさと向かうぞ」
俺たちが貴族外の門につくと表の門と同様兵士が立っていた。
そしてしばらくすると、後ろからレジーナが歩いてきた。
「ん? まさかユウ殿か?」
「あぁ、そうだ」
そして俺はレジーナと二日ぶりに再会した。
「まさか、私より早くついているとは、いったいどんな移動手段を使ったのだ」
「それは企業秘密ってやつだ」
「そうか、なら仕方ない。門を開けてくれ」
レジーナがそういうと、目の前の兵士二人が貴族街への門を開ける。
「さぁ、行こうか王城へ」
俺たちはレジーナのあとについて貴族街に入っていく。
「そちらの二人は、ユウ殿の恋人か何かか?」
歩きながらそう聞いて来るレジーナ。
それを聞きティナとフロンは顔を赤くする。
「違うぞ」
「なんだ違うのか、それでは自己紹介をしよう。私はレジーナ・テル・テリィーナ。王都騎士団の副団長なんてものを務めさせてもらっている」
レジーナは立ち止まり、ティナに手を向ける。
「私の名前はティナ・アカーシャです。ユウ様の従者をさせていただいています」
そう言ってティナはレジーナの手を握った。握手というやつだ。
そしてレジーナが次に握手を求めるのは勿論フロンだ。
「私はユウ様の1番奴隷のフロン・フィールです」
フロンもレジーナの手を握る。
「奴隷とは思えないいい笑顔だ。さぞかしいい主人に恵まれたのだろう」
そう言ってレジーナは俺に目を向ける。それに続くようにティナ、フロンも俺に目を向ける。
そしてフロンはレジーナに向き直りこういった。
「はい! 私の大切なご主人さまです!」
「そうか」
レジーナは短答を返すと、再び歩き出した。
さすがは貴族街、一般区とは比べ物にならないほどきれいだ。そして兵士の数も多い。そしてその兵士たちはレジーナを見ると敬礼し、俺を見て首をかしげる。
まるで「あいつは何者だ?」と言いたげな表情をして
そしてしばらくすると、このセイン王国中心の城へとたどり着いた。
レジーナが門前の兵士と何やら話していると、すぐに門が開いた。
「ユウ殿。さぁこっちだ」
俺はレジーナに言われるがまま王城に足を踏み入れる。
王城の中には高そうな絵や壺が飾ってあった。
侍女達は俺を見て不思議な顔をするが、近くにレジーナがいるため何も言わない。
やはり、レジーナを待って正解だったようだ。
「ここだ」
俺たちがたどり着いたのは、一つの部屋の前だった。
俺はもっとこう、謁見的なものを想像していたが、どうやら違うようだ。
「この先にはこの国の王様とその娘の第3皇女様がいる。くれぐれも粗相のないようにな」
レジーナは俺に釘を刺しながら、ドアに手をかけた。
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