妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~

創伽夢勾

文字の大きさ
上 下
54 / 133
2章:神の種と迷宮都市

50:2本目

しおりを挟む
 俺は、ダンジョンから地上に戻り、テクルの工房へと来ていた。
 もちろん今回のダンジョンの魔物たちの解体を行ってもらうためだ。

「おう、お前あの後は大丈夫だったのか?」
「あぁ、なんともない」

 テクルは俺を見つけると俺の身を案じてくれる。
 ギルドの方にいたフェルも、今はこちらに来ていた。俺の担当というのも大変なものだ。

「そう言えば、お前になんか二つ名が付いたって言うじゃないか、なんだったっけ?」
「黒妖鬼ですよ」

 そして、テクルは俺に嫌な話題を振ってくる。そしてなぜかフェルは嬉しそうに情報を追加していく。

「俺はその二つ名あんまりなんだが」
「どうしてだ、カッコいいじゃないか」

 これ、かっこいいのか?

「ユウさん! Cランクで二つ名が付くことはほとんどないんですよ!」
「そうだぞ、これからもそうやって呼ばれるんだから今のうち慣れとけ」

 え? ほんとにこの二つ名で固定なのか。
 そんな俺に、テクルは諦めを推奨してくる。
 俺は二つ名に関してはもう諦めて、解体の話へ移ることにする。

「で、ユウさんはダンジョンどこまで進んだんですか?」
「今日は10階層のミノタウロスまでやったぞ」

 俺の言葉を聞いた二人は驚きの表情を見せた。

「え? この前まで5層って……」
「あぁ、今日5階層から10階層まで行ったんだ」

 俺の言葉が信じられないのか、フェルはティナの方へと顔を向ける。
 その視線を感じたティナはフェルに対して小さく頷いた。
 もう何かをあきらめたようにフェルとテクルはため息をついた。

 俺はテクルに大きめの部屋を用意してもらいそこにミノタウロスを含めた魔物たちを出すことにした。

「じゃあ出すぞ」

 俺はそう言って、床に次々と魔物の死体を並べていく。スケルトンやオークなどが並んでいく中、フェルがあることに気が付いた。
 それは魔物の体がすごく冷たいことだ。普通なら何てことないものだが、これは明らかに冷たすぎた。
 そして10階層のフロアボスであるミノタウロスを出したとき、それが今の異変のすべてを表していた。

「おい、これは一体どういうことだ」

 真っ先に反応したのはテクル。
 そしてテクルが見ているその先には氷漬けになったミノタウロスの上半身があった。
 そして、その異変に俺は心当たりがあった。

「おい、ユウ!」

 俺が固まっているとテクルが心配そうに声をかけてくる。

「あぁ、大丈夫だ。だが俺は今、確かめる事ができた。悪いが後はティナたちに任せた。夜には戻る!」

 そして俺は、状況の理解が追い付いていない4人を放っておいて工房の外へ出た。
 俺が向かった先は、町の外いつもの森のクレータがある場所だ。
 もう日は暮れかけていて、人は少ない。
 それは俺にとってはとても好都合だった。そして俺は、今回の異変の原因であろう物を棺から取り出した。
 俺が取り出したのは黒い箱。武器屋でもらった奴だ。俺はとりあえず触れずに地面へ置いた。
 俺はとりあえず視影ノ瞳を使ってステータスを探ることにした。

『視影ノ瞳』

『?? ????
 属性 :?・?
 ランク:?
 練度 :??
 状態 :???
 スキル:?? ??? ??? ??
 ユニーク:???
 耐性 :???? ????』

 結果は前と変わらず、ステータスが見えない。だから俺は左目にもっと魔力をも込めていく。ああ
 月詠ノ瞳を使った時と同様に左目がどんどんと熱くなっていく。それに伴い痛みも出てくる。
 そして、だんだんと箱の中にあるもののステータスが見えてくる。左目に限界が訪れるそのぎりぎり、すべてのステータスを確認することができた。


『妖刀 姿霧氷雨
 属性 :氷・水
 ランク:S+
 練度 :32
 状態 :妖刀化
 スキル:刀術 氷魔法 水魔法 殺気
 ユニーク:雹璃化
 耐性 :物理耐性 呪い耐性』

 やはり、妖刀だった。そして俺がスキルなどを確認し終わり、原因を探るために黒い箱に触れる。
 するとエルが俺の頭の中でこんなことを言ってくる。

《アクセスを確認。伝達します。一定以上の魔力を確認。身体妖魔化の兆し有り。所有者として認識します》

 エルは俺にそう伝えると黒い箱に触れていた手が黒い箱の中にめり込んでいく。
 そして、その中にある武器の柄に手が触れた。そのままそれを握ると、黒い箱は形を変えそれは白い鞘へと変わった。
 いま俺の手の中にあるのは、氷のような透明感ある刀身だった。そしてそれは俺の魔力を吸い取り、透明に思えたその白い刀身は中心を黒く染めた。

 俺は魔力を吸い取られた反動で、片膝をつく、そして俺はその刀身を地面につけてしまった。
 するとそこを中心にクレータを巻き込んで、木々共々氷漬けになってしまった。
 所有者である俺には被害は一切ない。この前ムラクモが言っていたことと照らし合わせると、俺はこいつに認められたことになる。

 原因もつかめた俺はその出来上がった鞘に刀を納刀した。俺はそれを腰のベルトへ。
 そして、どうにもできないこの氷の世界を放置して宿へと戻ることにした。


◇◆◇

 ステータス更新

『ユウ・ツキカゲ 男
 年齢 :16
 種族 :人種
 職  :妖魔師
 属性 :UNKNOWN
 スキル:剣術 刀術 短剣術 槍術 斧術 体術 棒術 魔法剣 妖忌術 火魔法 風魔法 光魔法 闇魔法 言語 読解 無詠唱 意思疎通 テイム 竜紋 影移動 隠蔽 夜目 覇気 縮地
 ユニーク:
 黙示録 

 漆夜視ノ神眼
 ・壱瞳:月詠ノ瞳
 ・弐瞳:視影ノ瞳
 ・参瞳:天星ノ瞳
 ・肆瞳:神判ノ瞳
 ・伍瞳:夢偽ノ瞳
 ・陸瞳:????
 ・漆瞳:????

 生贄ノ棺

 耐性 :斬耐性 幻術無効
 状態 :妖呪
 武器 :妖刀 天叢雲剣
     妖刀 姿霧氷雨
 防具 :黒霧のコート
     黒鬼のマフラー
 従魔 :ノワール』
しおりを挟む
感想 118

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

スキル盗んで何が悪い!

大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物 "スキル"それは人が持つには限られた能力 "スキル"それは一人の青年の運命を変えた力  いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。  本人はこれからも続く生活だと思っていた。  そう、あのゲームを起動させるまでは……  大人気商品ワールドランド、略してWL。  ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。  しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……  女の子の正体は!? このゲームの目的は!?  これからどうするの主人公!  【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

処理中です...