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6章:神々の思惑
121:会議
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あれから少し時間が立ち、太陽が城の真上を通り過ぎた頃。
ようやく重要な人物たちが集まったようで、傍付きの大臣から会議の始まりが宣言された。
広い会議室の中には、大きな円卓とそれを囲むように椅子が並べられていた。現国王は周りよりもご置かな椅子に座り、その左にはアイリスが、反対にはラースが座っている。アイリスの斜め後ろにはレジーナが護衛として立っていた。
「それでは早速議題に映らせていただきます。皆様に集まってもらったのは先日の、大量の魔物による襲撃に関する件です。まだ、そこまで多くのことを知れてはいませんが、魔人の領地ので魔王の覚醒が大いに関わっていると我々は考えています。そこで私たちひいては、この国でどのような対処を行うかが今回の議題となります」
傍付きの大臣が、今回の議題を簡潔に述べた後、ユウは再度、集められた者たちに目を向けた。
椅子に座っているのは王とアイリス、ラースと大臣、俺を除き七名だ。そしてさっきから俺の方をチラチラ見ているのは勇者1で合った。よっぽどさっきの内容が気になるのだろう。まぁ目は合わせないでおこう。
さらに、その横にいる一人はこの国のギルド長を務めているものだろう。胸にギルドの交渉がついている。他二名は服装からするに、この国のお偉いさんと考えていいだろう。残りの三人は見たことは無いが、机の上に置いてあるギルドカードとここにいることから考えると、Sランク以上の冒険者と見て間違いなさそうだ。
「次、あの数の魔物に襲われたら、この国もただじゃすまない。防衛に徹するのか攻めに出るのか。ここをはっきりしないと話は進まない!」
冒険者の一人が発言し、この発言から周りの意見が割れた。この冒険者は魔人の国への奇襲を押し、貴族たちはそろって、防衛に徹する意見を押した。この択に同じ意見はなく、言い合いが始まろうとしたとき、ラースが覇気を飛ばし、周りを黙らせた。
さすがはもとSSランク冒険者であり、元騎士団長。衰えてはいないようだ。
「一度静まれ、国王の御前だぞ。まずは情報からだ。一度整理したほうがいいだろ?」
な? と言わんばかりにラースが俺に視線を向けてくる。俺は心の中でため息をつき、めんどくさいと思う
ラースが視線を向ける先に皆が注目したとき、スッと右手を上げた。
「発言いいか?」
その言葉遣いに貴族が注意を促そうとしたとき、国王自らそれを手で制した。
「発言を許す」
「すまない。礼儀という物をあまり知らない。そこは適当に流してくれ。今回俺から流す情報は、魔物の進行目的といなくなった勇者の行方、それと今後のことに関する提案だ」
俺はまず、魔物に刺されていた杭について説明をした。魔物を狂乱状態にさせること、今回の魔物にはこの悔いが刺さっていたこと、俺が撃退したといった黒竜にもそれが使われていたこと。それから聖神教という組織について。
「今回の魔物の進行については、大きく関わっていたのは聖神教だ。今回の襲撃に加わっていた人族はこいつらだ。捕縛した対象が吐いたと聞いたが?」
俺は視線をラースへと返す。
「そうだ。捉えたほとんどの者が命を絶っていったが、数人残った内の一人が、聖神教が今回の魔物襲撃に関与していることを認めた。そしてその杭の入手法に関してもだ。その杭は魔人の取引で入手したそうだ。残った杭は残らず壊れていて、あまり情報はなかったが、ここから魔人たちが我々へ害をもたらそうとしていたことが分かった」
これがこの会議が行われるきっかけとなった情報だ。
「そしてここにつながってくるのが、勇者のうちの一人、不知火雛乃の行方についてだ」
話題が変わると勇者たちは食い入るように俺を見てきた。
「不知火を最後に目撃したのはこの襲撃時、迷宮都市の外だ。魔物の襲撃に紛れ俺への接触を図ってきた。理性は保たれていたが、状態は狂乱。何かの意志の元行動していた。それは間違いない。ただそこに魔人、いや魔王が関与していると俺たちは考えている。俺はそこにいる勇者たちのここへ来る前の知り合いだ。流石にここで放っておくのは心が痛む」
《心にも思ってないくせに》
(うるさい)
そんなことを淡々と言っている俺に勇者たちは驚き、ここに来る前からの勇者たちとの知り合いという事実が、それを知らない者たちを驚かせた。
「馬鹿な勇者召喚以外に異世界からの訪問者じゃと? それは本当なのか!」
一人の貴族が声を荒げて問う。それに答えたのは現国王ノイビスだった。
「その者の証言は私が保証しよう。それにそれで終わりではないのだろ? 話を続けなさい」
国王が保証したことにより、貴族は黙ることしかできなかった。他のものがそれに続くことなどなく、それは勇者たちの反応を見れば、それが本当だと分かるからだ。
俺はコホンっと一度咳払いをしてから、話を本題へと移した。
「そう。ここからが俺からの提案であり、要求であり、覆ることのない決定事項だ」
会議室内に満ちる、黒い魔力、殺気にも似た覇気と同時に宣言された決定事項に国王たち分け知るもの以外は、驚き、何か言い返すことも、それ以外の提案を上げることも、ましてや逆らうことなど出来るはずがなかった。
ようやく重要な人物たちが集まったようで、傍付きの大臣から会議の始まりが宣言された。
広い会議室の中には、大きな円卓とそれを囲むように椅子が並べられていた。現国王は周りよりもご置かな椅子に座り、その左にはアイリスが、反対にはラースが座っている。アイリスの斜め後ろにはレジーナが護衛として立っていた。
「それでは早速議題に映らせていただきます。皆様に集まってもらったのは先日の、大量の魔物による襲撃に関する件です。まだ、そこまで多くのことを知れてはいませんが、魔人の領地ので魔王の覚醒が大いに関わっていると我々は考えています。そこで私たちひいては、この国でどのような対処を行うかが今回の議題となります」
傍付きの大臣が、今回の議題を簡潔に述べた後、ユウは再度、集められた者たちに目を向けた。
椅子に座っているのは王とアイリス、ラースと大臣、俺を除き七名だ。そしてさっきから俺の方をチラチラ見ているのは勇者1で合った。よっぽどさっきの内容が気になるのだろう。まぁ目は合わせないでおこう。
さらに、その横にいる一人はこの国のギルド長を務めているものだろう。胸にギルドの交渉がついている。他二名は服装からするに、この国のお偉いさんと考えていいだろう。残りの三人は見たことは無いが、机の上に置いてあるギルドカードとここにいることから考えると、Sランク以上の冒険者と見て間違いなさそうだ。
「次、あの数の魔物に襲われたら、この国もただじゃすまない。防衛に徹するのか攻めに出るのか。ここをはっきりしないと話は進まない!」
冒険者の一人が発言し、この発言から周りの意見が割れた。この冒険者は魔人の国への奇襲を押し、貴族たちはそろって、防衛に徹する意見を押した。この択に同じ意見はなく、言い合いが始まろうとしたとき、ラースが覇気を飛ばし、周りを黙らせた。
さすがはもとSSランク冒険者であり、元騎士団長。衰えてはいないようだ。
「一度静まれ、国王の御前だぞ。まずは情報からだ。一度整理したほうがいいだろ?」
な? と言わんばかりにラースが俺に視線を向けてくる。俺は心の中でため息をつき、めんどくさいと思う
ラースが視線を向ける先に皆が注目したとき、スッと右手を上げた。
「発言いいか?」
その言葉遣いに貴族が注意を促そうとしたとき、国王自らそれを手で制した。
「発言を許す」
「すまない。礼儀という物をあまり知らない。そこは適当に流してくれ。今回俺から流す情報は、魔物の進行目的といなくなった勇者の行方、それと今後のことに関する提案だ」
俺はまず、魔物に刺されていた杭について説明をした。魔物を狂乱状態にさせること、今回の魔物にはこの悔いが刺さっていたこと、俺が撃退したといった黒竜にもそれが使われていたこと。それから聖神教という組織について。
「今回の魔物の進行については、大きく関わっていたのは聖神教だ。今回の襲撃に加わっていた人族はこいつらだ。捕縛した対象が吐いたと聞いたが?」
俺は視線をラースへと返す。
「そうだ。捉えたほとんどの者が命を絶っていったが、数人残った内の一人が、聖神教が今回の魔物襲撃に関与していることを認めた。そしてその杭の入手法に関してもだ。その杭は魔人の取引で入手したそうだ。残った杭は残らず壊れていて、あまり情報はなかったが、ここから魔人たちが我々へ害をもたらそうとしていたことが分かった」
これがこの会議が行われるきっかけとなった情報だ。
「そしてここにつながってくるのが、勇者のうちの一人、不知火雛乃の行方についてだ」
話題が変わると勇者たちは食い入るように俺を見てきた。
「不知火を最後に目撃したのはこの襲撃時、迷宮都市の外だ。魔物の襲撃に紛れ俺への接触を図ってきた。理性は保たれていたが、状態は狂乱。何かの意志の元行動していた。それは間違いない。ただそこに魔人、いや魔王が関与していると俺たちは考えている。俺はそこにいる勇者たちのここへ来る前の知り合いだ。流石にここで放っておくのは心が痛む」
《心にも思ってないくせに》
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そんなことを淡々と言っている俺に勇者たちは驚き、ここに来る前からの勇者たちとの知り合いという事実が、それを知らない者たちを驚かせた。
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国王が保証したことにより、貴族は黙ることしかできなかった。他のものがそれに続くことなどなく、それは勇者たちの反応を見れば、それが本当だと分かるからだ。
俺はコホンっと一度咳払いをしてから、話を本題へと移した。
「そう。ここからが俺からの提案であり、要求であり、覆ることのない決定事項だ」
会議室内に満ちる、黒い魔力、殺気にも似た覇気と同時に宣言された決定事項に国王たち分け知るもの以外は、驚き、何か言い返すことも、それ以外の提案を上げることも、ましてや逆らうことなど出来るはずがなかった。
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