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アキちゃんと私は他愛もない話をした。高校時代のこと、部活のこと。でも多分お互い恥ずかしくて、さっきのサトルくんとのことには触れられずにいた。
もしかしたら私の考えすぎなのかもしれないが、アキちゃんはさっき素直に『嫉妬した』と言い、そのことについて恥ずかしさを感じている、気がする。
アキちゃんがちらり、と時計を見る。私は慌てて、「時間大丈夫?」と聞いたが、大丈夫なようだ。部屋の延長をしてくれたらしい。いつの間に、と思って聞いたが、さっきルームサービスがきた時に頼んでくれたようだ。
「私のわがままのせいで、ごめんね……?」と言うと、
「全然そんなことは無いよ。むしろさ、ほら……、俺が疲れさせちゃったから。」と、アキちゃんが謝る流れになってしまった。全然謝ることはない、むしろ謝って欲しくないのに。
「メイ、親に連絡しておきな。」とアキちゃんは言い、カバンを渡してくれる。
中からスマホを取り出して開くと、通知がいっぱいあったが大半はどうでもいいものだった。
LINEを開き、母親とのトーク画面を開ける。少し迷ったが、「今日は遅くなります。」とシンプルなメッセージを送る。
もうちょっと一緒にいたいけど、流石に外泊を親に説明するのはアレだし、アキちゃんも明日は仕事だ。そろそろ帰る頃合いなのかもしれない。でももう少し一緒にいたい。
スマホから目を上げると、アキちゃんに「送った?」と聞かれる。短く「うん。」と答えてスマホを放し、アキちゃんの膝にダイブしてみる。いつも甘えない分たまにはこうしたっていいじゃないか。
アキちゃんは「うおっ……」と驚きながらも頭をぽんぽんしてくれた。
さっきアキちゃんの膝に乗ったときはいっぱい叩かれたな、と思い返して恥ずかしさに身悶えする。
まだお尻は痛いし跡が残っているが、そのことが嬉しいと思う。いつでもアキちゃんを思い出せる。
「アキちゃん、私、今日楽しい。」と言ってみる。
アキちゃんはそれを聞いて「うん?」と首をかしげる。
「サトルくんもいて、いっぱいアキちゃんにいじめられたけど、なんかね、痛いのも恥ずかしいのも全部気持ちよくなっちゃう。今日が終わらなければいいのに。」
本当は帰りたくないと言いたかったがアキちゃんを困らせることはできない。ギリギリで予防線を張った。
「メイ、それ反則。ほんっと可愛い。離したくない。」そう言ってアキちゃんは私の頭を抱え込むように抱きつく。嬉しさでほわほわしてくる。
もしかしたら私の考えすぎなのかもしれないが、アキちゃんはさっき素直に『嫉妬した』と言い、そのことについて恥ずかしさを感じている、気がする。
アキちゃんがちらり、と時計を見る。私は慌てて、「時間大丈夫?」と聞いたが、大丈夫なようだ。部屋の延長をしてくれたらしい。いつの間に、と思って聞いたが、さっきルームサービスがきた時に頼んでくれたようだ。
「私のわがままのせいで、ごめんね……?」と言うと、
「全然そんなことは無いよ。むしろさ、ほら……、俺が疲れさせちゃったから。」と、アキちゃんが謝る流れになってしまった。全然謝ることはない、むしろ謝って欲しくないのに。
「メイ、親に連絡しておきな。」とアキちゃんは言い、カバンを渡してくれる。
中からスマホを取り出して開くと、通知がいっぱいあったが大半はどうでもいいものだった。
LINEを開き、母親とのトーク画面を開ける。少し迷ったが、「今日は遅くなります。」とシンプルなメッセージを送る。
もうちょっと一緒にいたいけど、流石に外泊を親に説明するのはアレだし、アキちゃんも明日は仕事だ。そろそろ帰る頃合いなのかもしれない。でももう少し一緒にいたい。
スマホから目を上げると、アキちゃんに「送った?」と聞かれる。短く「うん。」と答えてスマホを放し、アキちゃんの膝にダイブしてみる。いつも甘えない分たまにはこうしたっていいじゃないか。
アキちゃんは「うおっ……」と驚きながらも頭をぽんぽんしてくれた。
さっきアキちゃんの膝に乗ったときはいっぱい叩かれたな、と思い返して恥ずかしさに身悶えする。
まだお尻は痛いし跡が残っているが、そのことが嬉しいと思う。いつでもアキちゃんを思い出せる。
「アキちゃん、私、今日楽しい。」と言ってみる。
アキちゃんはそれを聞いて「うん?」と首をかしげる。
「サトルくんもいて、いっぱいアキちゃんにいじめられたけど、なんかね、痛いのも恥ずかしいのも全部気持ちよくなっちゃう。今日が終わらなければいいのに。」
本当は帰りたくないと言いたかったがアキちゃんを困らせることはできない。ギリギリで予防線を張った。
「メイ、それ反則。ほんっと可愛い。離したくない。」そう言ってアキちゃんは私の頭を抱え込むように抱きつく。嬉しさでほわほわしてくる。
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