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気づくと私には布団がかけられていた。どうやらしばらく寝てしまっていたようだ。
アキちゃんはソファの方に座っており、スマホをいじっていた。
「サトルくんは……?」と寝ぼけた声でアキちゃんに問いかければ、「もう帰ったよ。」とのこと。
そっかー、もう帰っちゃったのかー、と、ぽわぽわした頭で考えていれば、アキちゃんから「ほら、飲め。」と水が渡される。ご丁寧にキャップまで緩めている。ありがたい。
そういえば喉が乾いている。ゴクゴク飲む。
アキちゃんがベッドに腰掛け、「サトルが『ありがとう』だってさ。」と言うので「うん。」と頷いた。アキちゃんと二人っきりでこんな会話をしているのがなんだかこそばゆい。
私はどこを見るでもなくぼーっとしていると、アキちゃんに「まだ疲れているんだろ、寝てろ。」と、半ば押し倒されるようにベッドに寝かされた。なんだか優しい。
そんなことより一つ懸念事項がある。嫌なことは先に済ませておこう。
さっきお仕置きを受けている最中なのに更に感じてしまったこと、そして気を失ってしまったことを私は謝りたかった。
「あっ、あの、」「あのさ、」アキちゃんと声が重なる。「お先にどうぞ。」なんてところまで同時に言ってしまい、少し面白い。笑いを堪えていると、アキちゃんが話を切り出した。
「さっきさ、無理させちゃってごめんな。俺、いつもはメイに気持ちよくなって欲しいって思ってるのに、サトルに喘がされているメイが可愛すぎて、ちょっと嫉妬してた。みっともないよな。」
普段私を褒めることがないアキちゃんの口から、『可愛い』なんて単語が出てきてちょっとドギマギした。
「サトルはさ、ほら、基本女の子に優しいじゃん。もちろんメイちゃんにも。」更にアキちゃんは話す。
「態度もそうだし、触り方も。メイの気持ちいいところは全部俺が知っているつもりだったけど、こう、俺じゃ引き出せない面を見てしまった、というか、すげー素直だったから……」
アキちゃんは途中でしどろもどろになりながらも思っていたことを話してくれた。
それがすごく嬉しい。
「ううん。」と、私はできるだけ優しく聞こえるように言う。
アキちゃんには、分かって欲しい。私の気持ちを。
「えとね、私は、アキちゃんに触られるのが好き。触って欲しいと思う、すごく。サトルくんに対して素直だったのは、サトルくんに『嫌だ』とか『やめて』って言ったらすぐやめちゃうでしょ。でもアキちゃんはやめてくれないじゃん。えと、そういうことで、私、ちょっと強めに押されるのが好きみたい。」
と、こっちまでしどろもどろになって言う。そりゃサトルくんの触り方も良かったけど、どこかで物足りないところがあった。やっぱり比較対象に出てくるのはアキちゃんだ。アキちゃんにいじめられて、どんどん自分の身体が創り変えられていく。もっと激しく、時には痛みを交えて、触って欲しい。
「ということでっ……さっきは気持ちよくなって、更には寝落ちしたりしてごめんなさいっ……お仕置きしてください、されたいですっ、アキちゃんのモノにしてくださいっ……」と、さっき伝えたかったことをそのまま話す。
アキちゃんはびっくりしたような顔で「本当に俺でいいの……?」なんて聞いてくる。
私は急に恥ずかしくなって、布団に潜り、「うん。」と言った。
アキちゃんはソファの方に座っており、スマホをいじっていた。
「サトルくんは……?」と寝ぼけた声でアキちゃんに問いかければ、「もう帰ったよ。」とのこと。
そっかー、もう帰っちゃったのかー、と、ぽわぽわした頭で考えていれば、アキちゃんから「ほら、飲め。」と水が渡される。ご丁寧にキャップまで緩めている。ありがたい。
そういえば喉が乾いている。ゴクゴク飲む。
アキちゃんがベッドに腰掛け、「サトルが『ありがとう』だってさ。」と言うので「うん。」と頷いた。アキちゃんと二人っきりでこんな会話をしているのがなんだかこそばゆい。
私はどこを見るでもなくぼーっとしていると、アキちゃんに「まだ疲れているんだろ、寝てろ。」と、半ば押し倒されるようにベッドに寝かされた。なんだか優しい。
そんなことより一つ懸念事項がある。嫌なことは先に済ませておこう。
さっきお仕置きを受けている最中なのに更に感じてしまったこと、そして気を失ってしまったことを私は謝りたかった。
「あっ、あの、」「あのさ、」アキちゃんと声が重なる。「お先にどうぞ。」なんてところまで同時に言ってしまい、少し面白い。笑いを堪えていると、アキちゃんが話を切り出した。
「さっきさ、無理させちゃってごめんな。俺、いつもはメイに気持ちよくなって欲しいって思ってるのに、サトルに喘がされているメイが可愛すぎて、ちょっと嫉妬してた。みっともないよな。」
普段私を褒めることがないアキちゃんの口から、『可愛い』なんて単語が出てきてちょっとドギマギした。
「サトルはさ、ほら、基本女の子に優しいじゃん。もちろんメイちゃんにも。」更にアキちゃんは話す。
「態度もそうだし、触り方も。メイの気持ちいいところは全部俺が知っているつもりだったけど、こう、俺じゃ引き出せない面を見てしまった、というか、すげー素直だったから……」
アキちゃんは途中でしどろもどろになりながらも思っていたことを話してくれた。
それがすごく嬉しい。
「ううん。」と、私はできるだけ優しく聞こえるように言う。
アキちゃんには、分かって欲しい。私の気持ちを。
「えとね、私は、アキちゃんに触られるのが好き。触って欲しいと思う、すごく。サトルくんに対して素直だったのは、サトルくんに『嫌だ』とか『やめて』って言ったらすぐやめちゃうでしょ。でもアキちゃんはやめてくれないじゃん。えと、そういうことで、私、ちょっと強めに押されるのが好きみたい。」
と、こっちまでしどろもどろになって言う。そりゃサトルくんの触り方も良かったけど、どこかで物足りないところがあった。やっぱり比較対象に出てくるのはアキちゃんだ。アキちゃんにいじめられて、どんどん自分の身体が創り変えられていく。もっと激しく、時には痛みを交えて、触って欲しい。
「ということでっ……さっきは気持ちよくなって、更には寝落ちしたりしてごめんなさいっ……お仕置きしてください、されたいですっ、アキちゃんのモノにしてくださいっ……」と、さっき伝えたかったことをそのまま話す。
アキちゃんはびっくりしたような顔で「本当に俺でいいの……?」なんて聞いてくる。
私は急に恥ずかしくなって、布団に潜り、「うん。」と言った。
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