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「サトル、シャワー先浴びてきな。」アキちゃんがサトルくんに声をかける。普段私達が二人でするときは事前にシャワーを浴びたりしない……、始まりが酔った勢いでラブホになだれ込んでそのまま致してしまったからだ。そんな始まりだったけれど、こういうところでアキちゃんは私を気遣ってくれる。すごく優しい。
サトルくんがシャワーを浴びている間、アキちゃんはテレビのリモコンを触り、アメニティセットを一人分追加する。そしてひたすら私の頭を撫でる。あやすように、よしよし。と。顔がぐしゃぐしゃであったことを思い出し、「ティッシュ……」というと、苦笑いしながら取ってくれた。普段は酷いのにこういう時だけ優しい。
部屋のチャイムが鳴り、私はアキちゃんから慌てて離れる。アキちゃんは「邪魔された」などと呟き、バスタオル一式を受け取って帰ってくる。その間にサトルくんがシャワーから出てくる。早い。
もう少し一緒にいたかった、とも思ったが、サトルくんと交代で今度はアキちゃんがシャワーに入った。サトルくんの隣に腰掛ける。ちょっと気まずい。
早速、「メイちゃん、いつも千秋とあんなことしてるの?」と聞かれる。もう隠すことも無いので、「まぁ……、うん。あそこまで叩かれたのは初めてだったけど。」と正直に答える。
「嫌じゃないの?」という質問に対しては、「まぁ、別にっ……、私も楽しんでやってるしっ……」と、ひねくれた言い方で答えてしまう。でも事実だ。仕方がない。
「確かにさっきのメイちゃん、すげーエロかった。俺興奮したもん。」と言われ、「そっか……」と答える。私はそれどころじゃなくてあまり聞いていなかったけど、さっき車の中でサトルくんは最近彼女と別れたとアキちゃんに言っていた気がする。イケメンなのに。
「それで……、俺はメイちゃんにどこまでしていいの?」と聞かれてドキッとする。サトルくんの目は真っ直ぐに私を見ていた。この人は女の子を大事にしてくれる人だ、と思う。
「んと、多分サトルくんが思いつく範囲のことならば大丈夫だけど……」と答える。スカトロみたいなプレイは嫌だが、サトルくんが思いつくわけもないし、大丈夫だろう。あんな恥ずかしいところを見られた後だし。
サトルくんはちょっと考え、「ごめん、最後までしていいか?って意味の質問だったんだけど……」と言う。完全に勘違いしていた。NGプレイの話かと思った。
ホテルに男女がいて、この状況で同意を求めてくるだなんて優しい、と思うがその優しさが少々自分には酷だ。自分だけぶっ飛んだ妄想をしていて恥ずかしい。世の中のノーマルはこんな基準なのか。
「んと、あんな恥ずかしいところ見られたし、大丈夫……だと、思う。」と、答えた。思う、とつけたのはアキちゃんが何を考えているか分からなかったからだ。
「そっか。」とサトルくんは言い。私の肩を抱き寄せ、唇を近付けた。息が止まる。キスをする。
サトルくんがシャワーを浴びている間、アキちゃんはテレビのリモコンを触り、アメニティセットを一人分追加する。そしてひたすら私の頭を撫でる。あやすように、よしよし。と。顔がぐしゃぐしゃであったことを思い出し、「ティッシュ……」というと、苦笑いしながら取ってくれた。普段は酷いのにこういう時だけ優しい。
部屋のチャイムが鳴り、私はアキちゃんから慌てて離れる。アキちゃんは「邪魔された」などと呟き、バスタオル一式を受け取って帰ってくる。その間にサトルくんがシャワーから出てくる。早い。
もう少し一緒にいたかった、とも思ったが、サトルくんと交代で今度はアキちゃんがシャワーに入った。サトルくんの隣に腰掛ける。ちょっと気まずい。
早速、「メイちゃん、いつも千秋とあんなことしてるの?」と聞かれる。もう隠すことも無いので、「まぁ……、うん。あそこまで叩かれたのは初めてだったけど。」と正直に答える。
「嫌じゃないの?」という質問に対しては、「まぁ、別にっ……、私も楽しんでやってるしっ……」と、ひねくれた言い方で答えてしまう。でも事実だ。仕方がない。
「確かにさっきのメイちゃん、すげーエロかった。俺興奮したもん。」と言われ、「そっか……」と答える。私はそれどころじゃなくてあまり聞いていなかったけど、さっき車の中でサトルくんは最近彼女と別れたとアキちゃんに言っていた気がする。イケメンなのに。
「それで……、俺はメイちゃんにどこまでしていいの?」と聞かれてドキッとする。サトルくんの目は真っ直ぐに私を見ていた。この人は女の子を大事にしてくれる人だ、と思う。
「んと、多分サトルくんが思いつく範囲のことならば大丈夫だけど……」と答える。スカトロみたいなプレイは嫌だが、サトルくんが思いつくわけもないし、大丈夫だろう。あんな恥ずかしいところを見られた後だし。
サトルくんはちょっと考え、「ごめん、最後までしていいか?って意味の質問だったんだけど……」と言う。完全に勘違いしていた。NGプレイの話かと思った。
ホテルに男女がいて、この状況で同意を求めてくるだなんて優しい、と思うがその優しさが少々自分には酷だ。自分だけぶっ飛んだ妄想をしていて恥ずかしい。世の中のノーマルはこんな基準なのか。
「んと、あんな恥ずかしいところ見られたし、大丈夫……だと、思う。」と、答えた。思う、とつけたのはアキちゃんが何を考えているか分からなかったからだ。
「そっか。」とサトルくんは言い。私の肩を抱き寄せ、唇を近付けた。息が止まる。キスをする。
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