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「じゃ、これ。トイレで挿れてきて。」
そう言って渡されたポーチに入っていたのは紫色で突起が台座についたもの。遠隔バイブだ。
しかもご丁寧に突起部分には片面だけにブラシのような突起がついている。それがついている方が挿れた時にお腹側と背中側、どっち側に当たるのか。悩むまでもなく私には分かる。
「ほ、本当に?挿れるの?ここで?」
私は視線を持っていたバイブから逸らし、彼……、小林千秋だからアキちゃんと呼んでいる……、の顔を見上げた。
だがアキちゃんと視線が合ったそばから恥ずかしくなってうつむき、バイブが目に入ったところでまた目を逸らし、アキちゃんの胸の辺りに視線を落ち着けたところで。
「メイが嫌だったら辞めても良いんだよ?でも俺は挿れて欲しいな。」
なんて優しくも断れるわけがない言葉で追い込まれてしまった。
私の名前は中村芽依。アキちゃんにはメイまたはメイちゃんと呼ばれている。
高校の同級生で、私が仕事を辞めて実家に戻ったときに彼も偶然こちらで仕事しており、再会して再び意気投合した仲だ。
最近はアキちゃんとはちょっとエロい事もする……、まぁその所謂セックスフレンド、セフレという関係にひょんな飲み会のノリからなっていた。今日は元々「ショッピングに行こう、でもスカートで来てね?」と言われており、何かがあるという覚悟はしていた。覚悟はしていたのだが……。
やっぱり実物を目の前に突き出されて『挿れてきて?』なんて言われたら恥ずかしくなってしまうというものだ。
「ほーら、メイ?人来ちゃうよ?」なんてアキちゃんに言われる。ここは平日で地方とはいえそれなりのショッピングセンター。結構人も居る。慌てて持っていたバイブが入ったポーチをカバンにしまう。
それしか私には選択肢がなかった。
せめてもの抵抗として、
「こんなっ……昼間にっ……人がいっぱいいるところで……」
なんて口走ってみたものの、それを言うこと自体がこれから起こるであろうことを確認したようで、さらに気持ちを昂らせてしまう。
「メイちゃーん?
メイちゃんなら『いいよ』って言ってくれると思ったんだけどなー。
強制はしないけどもう一度言うよ、挿れておいで?」
なんて半命令口調で言われたら、私の選択肢は一つしかない。
「はい……。」
と答えると、アキちゃんは満足そうに目を細めて、
「それじゃ、待ってるから。」
なんて、他人事みたいにスマホの画面を開いていじりだす。
私は頬を膨らましてトイレへと向かった。
そう言って渡されたポーチに入っていたのは紫色で突起が台座についたもの。遠隔バイブだ。
しかもご丁寧に突起部分には片面だけにブラシのような突起がついている。それがついている方が挿れた時にお腹側と背中側、どっち側に当たるのか。悩むまでもなく私には分かる。
「ほ、本当に?挿れるの?ここで?」
私は視線を持っていたバイブから逸らし、彼……、小林千秋だからアキちゃんと呼んでいる……、の顔を見上げた。
だがアキちゃんと視線が合ったそばから恥ずかしくなってうつむき、バイブが目に入ったところでまた目を逸らし、アキちゃんの胸の辺りに視線を落ち着けたところで。
「メイが嫌だったら辞めても良いんだよ?でも俺は挿れて欲しいな。」
なんて優しくも断れるわけがない言葉で追い込まれてしまった。
私の名前は中村芽依。アキちゃんにはメイまたはメイちゃんと呼ばれている。
高校の同級生で、私が仕事を辞めて実家に戻ったときに彼も偶然こちらで仕事しており、再会して再び意気投合した仲だ。
最近はアキちゃんとはちょっとエロい事もする……、まぁその所謂セックスフレンド、セフレという関係にひょんな飲み会のノリからなっていた。今日は元々「ショッピングに行こう、でもスカートで来てね?」と言われており、何かがあるという覚悟はしていた。覚悟はしていたのだが……。
やっぱり実物を目の前に突き出されて『挿れてきて?』なんて言われたら恥ずかしくなってしまうというものだ。
「ほーら、メイ?人来ちゃうよ?」なんてアキちゃんに言われる。ここは平日で地方とはいえそれなりのショッピングセンター。結構人も居る。慌てて持っていたバイブが入ったポーチをカバンにしまう。
それしか私には選択肢がなかった。
せめてもの抵抗として、
「こんなっ……昼間にっ……人がいっぱいいるところで……」
なんて口走ってみたものの、それを言うこと自体がこれから起こるであろうことを確認したようで、さらに気持ちを昂らせてしまう。
「メイちゃーん?
メイちゃんなら『いいよ』って言ってくれると思ったんだけどなー。
強制はしないけどもう一度言うよ、挿れておいで?」
なんて半命令口調で言われたら、私の選択肢は一つしかない。
「はい……。」
と答えると、アキちゃんは満足そうに目を細めて、
「それじゃ、待ってるから。」
なんて、他人事みたいにスマホの画面を開いていじりだす。
私は頬を膨らましてトイレへと向かった。
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