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第弐拾弐話
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山の奥。野生動物の気配すらしない洞窟に着くと、己等は洞窟の奥からした異臭に対し、眉間に皺を寄せた。
大分気持ちの悪い臭いがする。
「向こうから出て来てくれたり…………は、しないか。」
こんな中入るの気が進まないなぁ。なんてそんな独り言を呟きながら、己等は洞窟内へと入った。
腐敗臭が酷い。正直吐きそう。
日の光も殆ど入って来ない、洞窟の奥に到着すると、己等は耳を澄ませた。
何かが地面を這う音が聞こえる。それはゆっくりと、少しずつ。だけど確実に己等に近付いて来ている。
右手に力を込めて雷を前方に放つと、稲光で一瞬だけ洞窟内が照らされた。
何かいると思った前方には何も確認出来なかった。だけど今、確かに己等の後ろに移動したのが分かった。
振り返ると同時に最大出力で雷を放つと、洞窟内を埋め尽くす程の雷が、己等以外の全てを焦がした。
雷自体はすぐに消えたけど、帯電しているのか、壁や地面からは雷の音がまだ少し鳴っていた。
「さてと、野槌の死体を持って行こう。」
それで継子ちゃんには敵討ちは終わったよって伝えよう。
呆気なく終わってしまったけれど、元々己等の方は何の問題も無い。問題があるとするならそれは、星河達の方だ。
洞窟内を稲光で照らしながら、野槌の死体を探して、やっと見付けた死体は、結構な大きさの物だった。
正直触りたくはないけど、今掴める物とか何も持ってないから、仕方なく素手で掴んで溜め息を吐いた。
「星河、大丈夫かな。」
大分気持ちの悪い臭いがする。
「向こうから出て来てくれたり…………は、しないか。」
こんな中入るの気が進まないなぁ。なんてそんな独り言を呟きながら、己等は洞窟内へと入った。
腐敗臭が酷い。正直吐きそう。
日の光も殆ど入って来ない、洞窟の奥に到着すると、己等は耳を澄ませた。
何かが地面を這う音が聞こえる。それはゆっくりと、少しずつ。だけど確実に己等に近付いて来ている。
右手に力を込めて雷を前方に放つと、稲光で一瞬だけ洞窟内が照らされた。
何かいると思った前方には何も確認出来なかった。だけど今、確かに己等の後ろに移動したのが分かった。
振り返ると同時に最大出力で雷を放つと、洞窟内を埋め尽くす程の雷が、己等以外の全てを焦がした。
雷自体はすぐに消えたけど、帯電しているのか、壁や地面からは雷の音がまだ少し鳴っていた。
「さてと、野槌の死体を持って行こう。」
それで継子ちゃんには敵討ちは終わったよって伝えよう。
呆気なく終わってしまったけれど、元々己等の方は何の問題も無い。問題があるとするならそれは、星河達の方だ。
洞窟内を稲光で照らしながら、野槌の死体を探して、やっと見付けた死体は、結構な大きさの物だった。
正直触りたくはないけど、今掴める物とか何も持ってないから、仕方なく素手で掴んで溜め息を吐いた。
「星河、大丈夫かな。」
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