常闇の中燃ゆる暁光

第弐拾四話

　痛い。
　血の効果も切れたし、瑞光が寝たから、やっと束の間の安息を得られた気分で、俺は大きく息を吐いた。
　辺りに大量に飛び散った血を見てから、俺は天井を見た。特に何も無い天井は、随分と無機質だ。

（氷柱は大丈夫か?）

　会えたらそうだな、まず一番最初に突き飛ばしちまった事を謝りたい。あいつ怒ってないかな。
　何か雀とかから文句言われそうだな。

「…………………………………」

　あいつ等の所に帰りたいな。待っててくれてるかは、分かんねぇけど。
　氷柱に拒絶されたら多分死ぬけど。いや、まぁ俺死なないけどさ、精神的に死ぬ。辛すぎて死ぬ。

（なんて、瑞光の前で言ったらあいつに何されるか分かったもんじゃねぇけどな。）

　と言うか、あいつ等何で俺がこの辺にいるって分かったんだ?俺あいつ等に俺の事話した事なんて無かった筈だけど。

（そう言えば、俺自分の事他人に言った事無かったな。）

　別に他人を信用して無い訳じゃない。あいつ等を危険に晒したくないって言うのが一番の理由だ。
　だって、俺のせいで何度も瑞光に人が殺されてる。
　それにもう俺はあの時みたいな思いはしたくない。

「暁光さん。」