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第七章
涙(3)
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ルチカの心は狼狽した。
怒りっぽく、気が強い、自信にあふれたひと。ルチカの知るウラハとは、そんな人物だった。
そんな彼女が、弱音を吐いた。
そして、目の前で泣いている。
僕が泣かした。
僕が追い込んだ。
僕がとどめを刺した。
重ねていた手を離し、自分の胸の前で握り込む。
ウラハは目を閉じ、背中を丸めてしゃくりあげている。
白い涙が雨に滲み、流され、また溢れてくる。
あまりにも痛々しく、か弱い。
ルチカは思わず、ウラハを抱きしめた。
「……だめです。ウラハさん、どうしたらいいか、わからないんでしょう? だったら、死んじゃだめです」
白い涙は、どうしたらいいかわからないときに流れた。
ウラハはノートにそう書いていた。
どうしたらいいかわからないならば、決断などしなくていい。させてはいけない。
逃がさないように、細いからだを、両腕できつくしめつける。
ウラハは抵抗せず、浅い呼吸をしながらしばらくじっとしていた。
やがて、ルチカにからだをあずけるように、一瞬頭をよせると、はあ、と深く長い息を吐く。
そのあと、ウラハは小さな声でなにかを言ったようだが、雨や車の音にかき消されて、ルチカにははっきり聞こえなかった。
「え……? なに……」
「……放してって言ってるの!」
叫ぶような声に、ルチカは驚き、腕を緩めた。
突き放すようにからだを押され、腕からウラハがすり抜ける。
ウラハはルチカの正面に立ち、肩で息をした。
「……あたしがどうしようと、勝手でしょ。自分から助手ルール破ったくせに、なんなのよ。あんたが……あんたさえ美術室にこなければ、あたしはこんなっ……」
こんなみじめな姿を見せなくて済んだのに。
その言葉をのみ込み、息を詰まらせる。
ウラハはルチカから顔を背け、咳き込んだ。
「だ、大丈夫ですか?」
「うるさい! もう関係ないんだから、どっかいってよ」
「いけません。僕たち、話し合わないと……」
「なにを? 泣いてた理由教えたんだから、もうあたしにつきまとわないで!」
ウラハはルチカをにらみつける。
ルチカは目を見張った。
全身が、ふるえる。
「あんたは自分を信じてくれれば、誰でもいいんでしょ? だったらほかのひとを見つければいいじゃない」
ルチカは、首を横にふった。
「あたし、明日から三日間、停学になったの。どうせ、三日も会わなかったら、あんたのことなんて忘れるわ。あんただってそうでしょ。それでいいじゃない」
ルチカは、首を横にふる。
「あたしはね、なんにも知らずにバカみたいに慕ってくるあんたを、自分を保つために利用したかったのよ。あたしを褒めて、特別扱いしてくれる存在が欲しかっただけ。キスしたのだって、あんたの興味を自分に繋ぎとめたかっただけなんだから。それだけでキスしたの。とにかく、あたしはそういう人間なのよ。変わるつもりもないわ。だから、もうほっといて!」
ルチカは首を横にふる。
「あんた……あたしといて楽しいって言ってたわよね。あたしは全然楽しくなかったわ。適当に使えそうだったから一緒にいたけど、でもだんだんつき合うのが面倒になって、やっぱり全然楽しくなかった。もう、疲れたわ」
なおもルチカは、首を横にふる。
ウラハは奥歯を噛みしめたあと、思い切り息を吸い込んで、吐いた。
「……なんなのよ、さっきからその態度。怒ってるって言いたいの? なにが言いたいのよ。謝ってほしいわけ?」
ルチカはもう一度、首を横にふる。
「やめてよ、それ。いらいらするわ。早くあたしの前から消えて!」
「嫌です」
「なんでよ!」
「だって……ウラハさん、さみしいんでしょう?」
そう、ルチカには見えていたのだ。
ウラハの目からこぼれる白い涙が、青い色へと変わっていくさまが。
ウラハの顔が、みるみる歪んでいく。
つりあがっていた眉はさがり、恐怖をにじませた泣き顔なる。
ルチカは真っ直ぐに、ウラハの目を見据えた。
「ウラハさんには、僕が必要なんですよ」
ウラハは目を見開いた。
雨に打たれ、彼女の蒼白な頬を染めていた青が消える。
涙が止まっても、ウラハは茫然とルチカを見ていた。
ルチカの瞳も、じっとウラハを捕らえている。
自意識過剰かもしれない。
でもいま、ウラハさんの青を見て、確かに感じたんだ。
先生の言ったとおり、このひとには、僕が必要なんじゃないかと。
「ウラハさん……僕が涙の色が見える、っていう話を、信じてないのに信じてるって言った理由、わからないって言いましたよね。本当に、わからないんですか? 僕が必要だから、嘘をついたんじゃないんですか?」
ひとり昇降口でウラハを待っていたとき、ルチカの考えはそこに辿り着いていた。
人間は、相手に好かれたい、仲良くなりたいという思いで、偽りの言葉を吐いてしまうことがある、と麻乃花は言った。
あのとき、ウラハさんもさみしくて、誰かと繋がりが欲しかったんだ。
そしてたまたま知り合った僕と、仲良くなりたくて、つい話を合わせてしまった。
もしそうならば……僕はきっとウラハさんを許せる気がする。
ウラハの目がぎらついた。
「……違うわ。あたしは子供のころから、自分は他人と違う特別な存在だと思って生きてきたの。そういう意識を持ってるとね、自分のなかの普通さが許せなくなるのよ。だから、世間から疎外されたあんたみたいな人間を、あたしが疎外するわけにはいかなかった。そうしなきゃ、あたしは普通に……凡人に成りさがるわ。それが許せなかっただけ。あたしの頭は、無意識に普通を避けるようになってるの。あんたのことなんて、どうでもよかった」
低く、冷静な口調でそう言うと、ウラハは視線を川のほうへそらした。
「……それが……本当の理由ですか?」
ウラハが頷く。
自分勝手で、愛のない答えだ。
それでも、ルチカは動じなかった。
ウラハに向けた視線に、いっそう力を込める、。
「そうだとしても……じゃあなんで、ふりを続けなかったんですか? 僕がウラハさんの家にいった日、ウラハさんは自分から、信じてないのに信じたふりをしていたって、僕に打ち明けましたよね。僕のことがどうでもいいなら、なんでそんなに勇気がいることをしたんですか? それに、信じていなくても、話を合わせてくれていたなら、僕を受け入れてはくれているんでしょう? 僕が渡したノートを読んでくれて、白い涙の理由を書いてくれたのだって、そういうことでしょう? それはなんでですか? どうでもいいなら、僕ならそんなことはしません。ウラハさんも、やっぱり僕と仲良くなりたいって思ってたんじゃないですか?」
ルチカは思いのままにまくし立てた。
ウラハはひとりだけ時間が止まってしまったかのように、黙ったまま動かない。
なにも言えないのは、きっと、また勇気がなくなっているだけだ。
それなら、僕が言う。
「勇気がある」らしい僕が、あなたの代わりにいくらでも言う。
「……僕は、ウラハさんが必要です。信じてくれていなかったのはいまでもショックですけど、それでもウラハさんは、僕の特別なひとなんです。だって、僕を受け入れてくれたひとも、ウラハさんがはじめてですから」
ウラハは視線を持ちあげた。
再び、ふたりの目が合う。
ウラハの顔からはぎらつきが失せ、心細げに眉をよせている。
ルチカは包むような柔らかい眼差しで、ウラハを見つめた。
「だから僕にも、ウラハさんを受け入れるきっかけをください」
ウラハの表情が、わずかに歪む。
「停学の三日間、僕のことを考えてください。三日間、僕とこれからどうしたいのか、考えてください。今日、混乱したままのウラハさんに答えを出されるのは、僕は嫌です。僕と離れて、気持ちを整理して、素直に自分と向き合ったウラハさんの答えがほしいです。それで、もし……」
ルチカはひとつ、呼吸をする。
「……もし、僕のことが必要だっていう答えが出たなら、三日後の放課後、いつものウサギの裏にきてください。僕、待ってますから。だから、いつものように元気なウラハさんで、きてください。そしたら……僕は、いまのウラハさんをぜんぶ受け入れます。そこから、またやり直しましょう。遺作も、一緒に作りましょう」
いつもの場所で、いつもどおり。
それが僕の願いなんだと、ルチカは改めて、自分で発した言葉で知った。
雨は相変わらず降り注いでいる。
傍らを車が通り過ぎるたび、ライトがふたりを照らしていく。
一瞬の光は、ウラハの濡れた髪をきらきらと輝かせる一方で、深い影をつくり、彼女の半身を闇に溶かして見せた。
「……わかった」
ウラハは小さな声でそう言うと、ルチカに背を向けた。
「あ……お、送ります」
「いい」
「でも」
「いいから」
ぱしゃ、ぱしゃ、という水をはねる足音と共に、ウラハのうしろ姿が遠のいていく。
ルチカはいまさら、ほのかな恐怖心を感じ、立ちすくんだ。
これでよかったのだろうか。
三日後、僕たちはどうなるのだろう。
怒りっぽく、気が強い、自信にあふれたひと。ルチカの知るウラハとは、そんな人物だった。
そんな彼女が、弱音を吐いた。
そして、目の前で泣いている。
僕が泣かした。
僕が追い込んだ。
僕がとどめを刺した。
重ねていた手を離し、自分の胸の前で握り込む。
ウラハは目を閉じ、背中を丸めてしゃくりあげている。
白い涙が雨に滲み、流され、また溢れてくる。
あまりにも痛々しく、か弱い。
ルチカは思わず、ウラハを抱きしめた。
「……だめです。ウラハさん、どうしたらいいか、わからないんでしょう? だったら、死んじゃだめです」
白い涙は、どうしたらいいかわからないときに流れた。
ウラハはノートにそう書いていた。
どうしたらいいかわからないならば、決断などしなくていい。させてはいけない。
逃がさないように、細いからだを、両腕できつくしめつける。
ウラハは抵抗せず、浅い呼吸をしながらしばらくじっとしていた。
やがて、ルチカにからだをあずけるように、一瞬頭をよせると、はあ、と深く長い息を吐く。
そのあと、ウラハは小さな声でなにかを言ったようだが、雨や車の音にかき消されて、ルチカにははっきり聞こえなかった。
「え……? なに……」
「……放してって言ってるの!」
叫ぶような声に、ルチカは驚き、腕を緩めた。
突き放すようにからだを押され、腕からウラハがすり抜ける。
ウラハはルチカの正面に立ち、肩で息をした。
「……あたしがどうしようと、勝手でしょ。自分から助手ルール破ったくせに、なんなのよ。あんたが……あんたさえ美術室にこなければ、あたしはこんなっ……」
こんなみじめな姿を見せなくて済んだのに。
その言葉をのみ込み、息を詰まらせる。
ウラハはルチカから顔を背け、咳き込んだ。
「だ、大丈夫ですか?」
「うるさい! もう関係ないんだから、どっかいってよ」
「いけません。僕たち、話し合わないと……」
「なにを? 泣いてた理由教えたんだから、もうあたしにつきまとわないで!」
ウラハはルチカをにらみつける。
ルチカは目を見張った。
全身が、ふるえる。
「あんたは自分を信じてくれれば、誰でもいいんでしょ? だったらほかのひとを見つければいいじゃない」
ルチカは、首を横にふった。
「あたし、明日から三日間、停学になったの。どうせ、三日も会わなかったら、あんたのことなんて忘れるわ。あんただってそうでしょ。それでいいじゃない」
ルチカは、首を横にふる。
「あたしはね、なんにも知らずにバカみたいに慕ってくるあんたを、自分を保つために利用したかったのよ。あたしを褒めて、特別扱いしてくれる存在が欲しかっただけ。キスしたのだって、あんたの興味を自分に繋ぎとめたかっただけなんだから。それだけでキスしたの。とにかく、あたしはそういう人間なのよ。変わるつもりもないわ。だから、もうほっといて!」
ルチカは首を横にふる。
「あんた……あたしといて楽しいって言ってたわよね。あたしは全然楽しくなかったわ。適当に使えそうだったから一緒にいたけど、でもだんだんつき合うのが面倒になって、やっぱり全然楽しくなかった。もう、疲れたわ」
なおもルチカは、首を横にふる。
ウラハは奥歯を噛みしめたあと、思い切り息を吸い込んで、吐いた。
「……なんなのよ、さっきからその態度。怒ってるって言いたいの? なにが言いたいのよ。謝ってほしいわけ?」
ルチカはもう一度、首を横にふる。
「やめてよ、それ。いらいらするわ。早くあたしの前から消えて!」
「嫌です」
「なんでよ!」
「だって……ウラハさん、さみしいんでしょう?」
そう、ルチカには見えていたのだ。
ウラハの目からこぼれる白い涙が、青い色へと変わっていくさまが。
ウラハの顔が、みるみる歪んでいく。
つりあがっていた眉はさがり、恐怖をにじませた泣き顔なる。
ルチカは真っ直ぐに、ウラハの目を見据えた。
「ウラハさんには、僕が必要なんですよ」
ウラハは目を見開いた。
雨に打たれ、彼女の蒼白な頬を染めていた青が消える。
涙が止まっても、ウラハは茫然とルチカを見ていた。
ルチカの瞳も、じっとウラハを捕らえている。
自意識過剰かもしれない。
でもいま、ウラハさんの青を見て、確かに感じたんだ。
先生の言ったとおり、このひとには、僕が必要なんじゃないかと。
「ウラハさん……僕が涙の色が見える、っていう話を、信じてないのに信じてるって言った理由、わからないって言いましたよね。本当に、わからないんですか? 僕が必要だから、嘘をついたんじゃないんですか?」
ひとり昇降口でウラハを待っていたとき、ルチカの考えはそこに辿り着いていた。
人間は、相手に好かれたい、仲良くなりたいという思いで、偽りの言葉を吐いてしまうことがある、と麻乃花は言った。
あのとき、ウラハさんもさみしくて、誰かと繋がりが欲しかったんだ。
そしてたまたま知り合った僕と、仲良くなりたくて、つい話を合わせてしまった。
もしそうならば……僕はきっとウラハさんを許せる気がする。
ウラハの目がぎらついた。
「……違うわ。あたしは子供のころから、自分は他人と違う特別な存在だと思って生きてきたの。そういう意識を持ってるとね、自分のなかの普通さが許せなくなるのよ。だから、世間から疎外されたあんたみたいな人間を、あたしが疎外するわけにはいかなかった。そうしなきゃ、あたしは普通に……凡人に成りさがるわ。それが許せなかっただけ。あたしの頭は、無意識に普通を避けるようになってるの。あんたのことなんて、どうでもよかった」
低く、冷静な口調でそう言うと、ウラハは視線を川のほうへそらした。
「……それが……本当の理由ですか?」
ウラハが頷く。
自分勝手で、愛のない答えだ。
それでも、ルチカは動じなかった。
ウラハに向けた視線に、いっそう力を込める、。
「そうだとしても……じゃあなんで、ふりを続けなかったんですか? 僕がウラハさんの家にいった日、ウラハさんは自分から、信じてないのに信じたふりをしていたって、僕に打ち明けましたよね。僕のことがどうでもいいなら、なんでそんなに勇気がいることをしたんですか? それに、信じていなくても、話を合わせてくれていたなら、僕を受け入れてはくれているんでしょう? 僕が渡したノートを読んでくれて、白い涙の理由を書いてくれたのだって、そういうことでしょう? それはなんでですか? どうでもいいなら、僕ならそんなことはしません。ウラハさんも、やっぱり僕と仲良くなりたいって思ってたんじゃないですか?」
ルチカは思いのままにまくし立てた。
ウラハはひとりだけ時間が止まってしまったかのように、黙ったまま動かない。
なにも言えないのは、きっと、また勇気がなくなっているだけだ。
それなら、僕が言う。
「勇気がある」らしい僕が、あなたの代わりにいくらでも言う。
「……僕は、ウラハさんが必要です。信じてくれていなかったのはいまでもショックですけど、それでもウラハさんは、僕の特別なひとなんです。だって、僕を受け入れてくれたひとも、ウラハさんがはじめてですから」
ウラハは視線を持ちあげた。
再び、ふたりの目が合う。
ウラハの顔からはぎらつきが失せ、心細げに眉をよせている。
ルチカは包むような柔らかい眼差しで、ウラハを見つめた。
「だから僕にも、ウラハさんを受け入れるきっかけをください」
ウラハの表情が、わずかに歪む。
「停学の三日間、僕のことを考えてください。三日間、僕とこれからどうしたいのか、考えてください。今日、混乱したままのウラハさんに答えを出されるのは、僕は嫌です。僕と離れて、気持ちを整理して、素直に自分と向き合ったウラハさんの答えがほしいです。それで、もし……」
ルチカはひとつ、呼吸をする。
「……もし、僕のことが必要だっていう答えが出たなら、三日後の放課後、いつものウサギの裏にきてください。僕、待ってますから。だから、いつものように元気なウラハさんで、きてください。そしたら……僕は、いまのウラハさんをぜんぶ受け入れます。そこから、またやり直しましょう。遺作も、一緒に作りましょう」
いつもの場所で、いつもどおり。
それが僕の願いなんだと、ルチカは改めて、自分で発した言葉で知った。
雨は相変わらず降り注いでいる。
傍らを車が通り過ぎるたび、ライトがふたりを照らしていく。
一瞬の光は、ウラハの濡れた髪をきらきらと輝かせる一方で、深い影をつくり、彼女の半身を闇に溶かして見せた。
「……わかった」
ウラハは小さな声でそう言うと、ルチカに背を向けた。
「あ……お、送ります」
「いい」
「でも」
「いいから」
ぱしゃ、ぱしゃ、という水をはねる足音と共に、ウラハのうしろ姿が遠のいていく。
ルチカはいまさら、ほのかな恐怖心を感じ、立ちすくんだ。
これでよかったのだろうか。
三日後、僕たちはどうなるのだろう。
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