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メシアの誕生
目覚め
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学校へ行くことがなくなり、奴らにどう復讐をすればいいか常に考えていた。今思えば、家がバレていなかったことは不幸中の幸いだったかもしれない。
「しばらく学校を休みたい。理由は時期が来たら話すから。」
両親にはそう伝えると分かってくれた。
一日中家に居ると気が滅入ってしまう。夕方には一度家の周りを散歩した。何も起きない穏やかな生活を少しだけ過ごしていた。
ある日。いつもの住宅街を散歩していると怪しげな男が気弱そうな学生に話しかけているのを見かけた。すると僕が来たタイミングで学生は逃げ去った。
「やぁ、あんたも元気なさそうだなぁ。」
「…まぁ、元気いっぱいではないかな。」
「ははは。今走ってった彼にも同じ話をしていたんだけどさ」
「?」
「あんたにも効くかもしれないねぇ。これ、勇気が出る薬なんだよね。」
明らかに怪しかった。僕も学生同様に走り去ろうとしたが、なぜか興味も湧いてしまった。
「…へぇ。お試しはできたりするのかな?お金はある。」
「お。あんたいいね。いいぜ、1錠くらいならな…近くに公園がある。」
僕はその男と近くにある北里公園へ向かった。道中、男に尋ねてみた。
「その薬っていうのは…いわゆる覚醒剤とかの類のもの?」
「まぁそうっちゃぁそうだが、そう簡単に言い切れるもんでもない。」
「…というと?」
「人によるが、ハイになってぶっ飛ぶだけの奴もいれば、パワーが溢れたりするやつも居るって話だ。あんたがどんな感じになるか楽しみだぜ。」
「へぇ。」
僕らは人気のない北里公園のトイレに入り、個室で男からその薬を渡された。▼マークのついた妙な薬だった。少しだけ躊躇ったが、意を決して飲んでみた。
「…ん"!」
「え、まだ30秒も経ってねぇぞ…反応早くね?」
非常に薬が効いてくるのが早かった。一気に身体中が熱くなり、僕の内側に押さえ込まれていた憎悪が雄叫びをあげているようだった。手が大きく震えているが寒気じゃない。これは力が溢れているんだ。切られた左耳の部分からは出血し、見えなくなった右目も熱くなる。
「…あぁあぁぁ…!」
「こ、こんな反応聞いてねぇよ…!」
男は僕の反応を見てかなり驚いているようだった。
そして腕の異変に気づいた。細い腕がとんでもなく筋肉質になっていた。そして気を失いかけた時、頭の奥で声が聞こえて来た。
「「「殺そう!悪人はすべて殺そう!殺すんだ!殺さなければならない!」」」
きっと、僕が中学1年生から溜め込んできた憎悪が心の中で形を成したんだろう。
「そうだね。そうしなきゃいけないんだ。」
「なに…言ってんだ…?」
男は僕の様子を見ようとそっと顔を覗き込んだ。その瞬間だった。
『バン!』
凄まじい破裂音と共に僕の右手が男の頭を弾いた。そのまま扉に叩きつけられ男は脳みそを飛び散らせ死んでいた。
「…ひっ。」
ぼ、僕がやったのか?…今の。
「しばらく学校を休みたい。理由は時期が来たら話すから。」
両親にはそう伝えると分かってくれた。
一日中家に居ると気が滅入ってしまう。夕方には一度家の周りを散歩した。何も起きない穏やかな生活を少しだけ過ごしていた。
ある日。いつもの住宅街を散歩していると怪しげな男が気弱そうな学生に話しかけているのを見かけた。すると僕が来たタイミングで学生は逃げ去った。
「やぁ、あんたも元気なさそうだなぁ。」
「…まぁ、元気いっぱいではないかな。」
「ははは。今走ってった彼にも同じ話をしていたんだけどさ」
「?」
「あんたにも効くかもしれないねぇ。これ、勇気が出る薬なんだよね。」
明らかに怪しかった。僕も学生同様に走り去ろうとしたが、なぜか興味も湧いてしまった。
「…へぇ。お試しはできたりするのかな?お金はある。」
「お。あんたいいね。いいぜ、1錠くらいならな…近くに公園がある。」
僕はその男と近くにある北里公園へ向かった。道中、男に尋ねてみた。
「その薬っていうのは…いわゆる覚醒剤とかの類のもの?」
「まぁそうっちゃぁそうだが、そう簡単に言い切れるもんでもない。」
「…というと?」
「人によるが、ハイになってぶっ飛ぶだけの奴もいれば、パワーが溢れたりするやつも居るって話だ。あんたがどんな感じになるか楽しみだぜ。」
「へぇ。」
僕らは人気のない北里公園のトイレに入り、個室で男からその薬を渡された。▼マークのついた妙な薬だった。少しだけ躊躇ったが、意を決して飲んでみた。
「…ん"!」
「え、まだ30秒も経ってねぇぞ…反応早くね?」
非常に薬が効いてくるのが早かった。一気に身体中が熱くなり、僕の内側に押さえ込まれていた憎悪が雄叫びをあげているようだった。手が大きく震えているが寒気じゃない。これは力が溢れているんだ。切られた左耳の部分からは出血し、見えなくなった右目も熱くなる。
「…あぁあぁぁ…!」
「こ、こんな反応聞いてねぇよ…!」
男は僕の反応を見てかなり驚いているようだった。
そして腕の異変に気づいた。細い腕がとんでもなく筋肉質になっていた。そして気を失いかけた時、頭の奥で声が聞こえて来た。
「「「殺そう!悪人はすべて殺そう!殺すんだ!殺さなければならない!」」」
きっと、僕が中学1年生から溜め込んできた憎悪が心の中で形を成したんだろう。
「そうだね。そうしなきゃいけないんだ。」
「なに…言ってんだ…?」
男は僕の様子を見ようとそっと顔を覗き込んだ。その瞬間だった。
『バン!』
凄まじい破裂音と共に僕の右手が男の頭を弾いた。そのまま扉に叩きつけられ男は脳みそを飛び散らせ死んでいた。
「…ひっ。」
ぼ、僕がやったのか?…今の。
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