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信じたくない
おもちゃの名前
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夕方、コンビニへ俺は向かった。そして紅原と谷に会った。
俺は…人を殴って謝ったことなんかない。でも、今日は紅原に詫びておく必要があると思っていた。「紅原、さっきは悪かった。」そうサラッと言うんだ…!俺は意を決して紅原の前に一歩踏み出した。
「さっきは…」
「ん、どうしたの?」
「…。るせっ…!なんでもねぇよ!」
ちくしょう…言えなかったぁ!!
そして連続殺人事件が起きていることと、藤くんと佐川くんが殺されていることを聞かされた。もちろんショックだった。でも俺は兄貴のことが気がかりだった。
"ランプの指事件"という名前で起きている連続殺人事件、高校生の失踪事件、"CRY"という薬、中学での殺傷事件、売人のミロク、様々なことが俺の知らないところで起きていた。
しかも俺はそのミロクにこの後、のされている。めちゃくちゃ強い男だった。
どうやら俺がのびている間に交渉があり、ミロクに協力することになっていて俺はムカついて抗議したがスルーされた。
とにかく情報を一週間の間に集めることになって、俺は兄貴の高校へ行ってみることになった。
三木堂高校は見た目は普通の学校だが、いざ中へ入ってみるととんでもない有り様だった。
「マジか。うちの中学ってくそ平和だったんだなぁ…。」
窓ガラスは割れてるし、壁は落書きだらけ、教室までバイクでそのまま乗り付けている生徒がいたり、無茶苦茶な状態だった。
俺は制服のまま入って行ったもんだから、色んな人に絡まれつつも、なんとかやり過ごして、兄貴のクラスに辿り着いた。
なんせ俺が知っているのは兄貴のツレで、藤くんと佐川くんだけだったから、直接行くしか調べようがなかった。
俺はクラスの普通そうな生徒を捕まえようと探してみるが、どいつもこいつもヤンチャそうで、どうしたもんかと悩んでいると、ある生徒に声をかけられた。
「お?なにお前…中坊か?」
「え。」
口元に大きなホクロが特徴的なその生徒は不思議そうに俺を見ていた。
「あ、そうっす。俺、侠山の弟で…。」
「き、侠山…くんの…?」
顔が引きつってるところを見ると兄貴の影響力と同時に、ちょっと威圧的だったそいつの顔もご機嫌取りするような表情になった。
「ちょっといいすか。」
「あ。あぁもちろん…!」
俺はその川出という生徒を教室から連れ出して、人気のない階段の踊り場で兄貴について聞いてみることにした。
「川出くんさ、兄貴ってぇ、最近学校来てる?」
「いや、先週くらいから見てねぇかな。」
「…そう。」
やっぱり学校にも来てなかったか。
「じゃあ藤宮くんと佐川くんは?」
「あぁ、侠山くんが来なくなって少ししてから、あの2人も来てないね。」
…くそ。やっぱり紅原が言ってたことは事実なのか…?
「…じゃあさ、兄貴が学校に来なくなる前になんか変なこととか、なかった?」
「変…?ん~、変っていうか、標的になってた生徒が来なくなったくらい…かな。」
標的…?もしかして家でおもちゃって言われてた奴のことか。
「あーその、それっていわゆるイジメっていうか…。」
「まぁ…そう…だねぇ。けどまぁ…この学校じゃアイツしかいないって感じの生徒だったからよ。…だからまぁ、ああなったのは仕方ねぇっつうかさ…ははは。」
「…へぇ。」
なにかを含んだように俯き、川出は答えた。
「あの長髪を…」とかって確か兄貴、言ってたなぁ。
「それってさぁ、長髪の…人?」
「え、おぉ。高柳ってんだよ。」
「そう…。」
兄貴が"おもちゃ"って言ってたのは高柳っていうのか。…まぁそれは兄貴との失踪には関係ねーか。
「じゃーさ、他になんかあった?」
そのあとは、特にこれといったことは聞けなかった。
分かったのは兄貴が"おもちゃ"と称して扱ってた生徒が"高柳"って生徒ってことくらい。
…でも川出のやつ、高柳の名前が出た時はやけに神妙な表情になっていたなぁ…。
他にも何人か話してみたが、失踪したことについての詳細は三木堂高校では分からなかった。
俺は…人を殴って謝ったことなんかない。でも、今日は紅原に詫びておく必要があると思っていた。「紅原、さっきは悪かった。」そうサラッと言うんだ…!俺は意を決して紅原の前に一歩踏み出した。
「さっきは…」
「ん、どうしたの?」
「…。るせっ…!なんでもねぇよ!」
ちくしょう…言えなかったぁ!!
そして連続殺人事件が起きていることと、藤くんと佐川くんが殺されていることを聞かされた。もちろんショックだった。でも俺は兄貴のことが気がかりだった。
"ランプの指事件"という名前で起きている連続殺人事件、高校生の失踪事件、"CRY"という薬、中学での殺傷事件、売人のミロク、様々なことが俺の知らないところで起きていた。
しかも俺はそのミロクにこの後、のされている。めちゃくちゃ強い男だった。
どうやら俺がのびている間に交渉があり、ミロクに協力することになっていて俺はムカついて抗議したがスルーされた。
とにかく情報を一週間の間に集めることになって、俺は兄貴の高校へ行ってみることになった。
三木堂高校は見た目は普通の学校だが、いざ中へ入ってみるととんでもない有り様だった。
「マジか。うちの中学ってくそ平和だったんだなぁ…。」
窓ガラスは割れてるし、壁は落書きだらけ、教室までバイクでそのまま乗り付けている生徒がいたり、無茶苦茶な状態だった。
俺は制服のまま入って行ったもんだから、色んな人に絡まれつつも、なんとかやり過ごして、兄貴のクラスに辿り着いた。
なんせ俺が知っているのは兄貴のツレで、藤くんと佐川くんだけだったから、直接行くしか調べようがなかった。
俺はクラスの普通そうな生徒を捕まえようと探してみるが、どいつもこいつもヤンチャそうで、どうしたもんかと悩んでいると、ある生徒に声をかけられた。
「お?なにお前…中坊か?」
「え。」
口元に大きなホクロが特徴的なその生徒は不思議そうに俺を見ていた。
「あ、そうっす。俺、侠山の弟で…。」
「き、侠山…くんの…?」
顔が引きつってるところを見ると兄貴の影響力と同時に、ちょっと威圧的だったそいつの顔もご機嫌取りするような表情になった。
「ちょっといいすか。」
「あ。あぁもちろん…!」
俺はその川出という生徒を教室から連れ出して、人気のない階段の踊り場で兄貴について聞いてみることにした。
「川出くんさ、兄貴ってぇ、最近学校来てる?」
「いや、先週くらいから見てねぇかな。」
「…そう。」
やっぱり学校にも来てなかったか。
「じゃあ藤宮くんと佐川くんは?」
「あぁ、侠山くんが来なくなって少ししてから、あの2人も来てないね。」
…くそ。やっぱり紅原が言ってたことは事実なのか…?
「…じゃあさ、兄貴が学校に来なくなる前になんか変なこととか、なかった?」
「変…?ん~、変っていうか、標的になってた生徒が来なくなったくらい…かな。」
標的…?もしかして家でおもちゃって言われてた奴のことか。
「あーその、それっていわゆるイジメっていうか…。」
「まぁ…そう…だねぇ。けどまぁ…この学校じゃアイツしかいないって感じの生徒だったからよ。…だからまぁ、ああなったのは仕方ねぇっつうかさ…ははは。」
「…へぇ。」
なにかを含んだように俯き、川出は答えた。
「あの長髪を…」とかって確か兄貴、言ってたなぁ。
「それってさぁ、長髪の…人?」
「え、おぉ。高柳ってんだよ。」
「そう…。」
兄貴が"おもちゃ"って言ってたのは高柳っていうのか。…まぁそれは兄貴との失踪には関係ねーか。
「じゃーさ、他になんかあった?」
そのあとは、特にこれといったことは聞けなかった。
分かったのは兄貴が"おもちゃ"と称して扱ってた生徒が"高柳"って生徒ってことくらい。
…でも川出のやつ、高柳の名前が出た時はやけに神妙な表情になっていたなぁ…。
他にも何人か話してみたが、失踪したことについての詳細は三木堂高校では分からなかった。
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