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声なき声を
調査開始
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谷崎がスマホでSNSを確認している。その間僕はやっと起きた侠山くんに事態を説明して、なにかやんやん言われたけど、すべてスルーした。
「今ざっとSNS見ても、ほんとに噂レベルでしか失踪の話は出てないわ。しかもめちゃ少ない。」
「やっぱりそうなんだ。そもそも素行の悪い人が急に居なくなっても、周りに心配されることがないってのがね。まぁ自業自得っていうかなんというか…。」
「あんまSNSわからねぇけどよ、紅原のあの現場写真とかあげればいいんじゃねーの?」
侠山くんも提案をしてくれたが谷崎に秒殺された。
「俺も一瞬それは思ったけど、"作り物"って言われるかスルーされるかで、多分意味がねぇと思う。」
「そうかもね。…今回、谷崎が調べてきてくれたのは"失踪した人数と学校"だった。だから今度は"失踪した人間"について調べてみようよ。」
「もっと深くってことかよ。」
侠山くんは少し不貞腐れたようだけど、スルー。
「そうそう。それで、分かったことを専用のアカウントを作ってたくさん発信しよう。」
「なんて書けば拡散してもらえっかな?」
「基本は、人探しとか盗難、そういう投稿って拡散はされやすいよね。そこにさらに"死んでるかもしれない"とか興味を引くキーワードを入れたり、本人の"ヤンチャそうな写真"を添付しよう。そうすれば拡散される確率もあがると思う。」
「なるほどな。あ、信憑性を高める為に、地元警察の連絡先も入れよう。」
「いいね。…じゃあ、いくつか投稿できる位に、まずは失踪している本人たちの情報を集めよう。」
谷崎は自分のネットワークを使ってこの地域全体を、侠山くんは兄の繋がりを辿って三木堂高校を、僕は自分の中学から辿れる人を各々で調べていくことにした。
「今ざっとSNS見ても、ほんとに噂レベルでしか失踪の話は出てないわ。しかもめちゃ少ない。」
「やっぱりそうなんだ。そもそも素行の悪い人が急に居なくなっても、周りに心配されることがないってのがね。まぁ自業自得っていうかなんというか…。」
「あんまSNSわからねぇけどよ、紅原のあの現場写真とかあげればいいんじゃねーの?」
侠山くんも提案をしてくれたが谷崎に秒殺された。
「俺も一瞬それは思ったけど、"作り物"って言われるかスルーされるかで、多分意味がねぇと思う。」
「そうかもね。…今回、谷崎が調べてきてくれたのは"失踪した人数と学校"だった。だから今度は"失踪した人間"について調べてみようよ。」
「もっと深くってことかよ。」
侠山くんは少し不貞腐れたようだけど、スルー。
「そうそう。それで、分かったことを専用のアカウントを作ってたくさん発信しよう。」
「なんて書けば拡散してもらえっかな?」
「基本は、人探しとか盗難、そういう投稿って拡散はされやすいよね。そこにさらに"死んでるかもしれない"とか興味を引くキーワードを入れたり、本人の"ヤンチャそうな写真"を添付しよう。そうすれば拡散される確率もあがると思う。」
「なるほどな。あ、信憑性を高める為に、地元警察の連絡先も入れよう。」
「いいね。…じゃあ、いくつか投稿できる位に、まずは失踪している本人たちの情報を集めよう。」
谷崎は自分のネットワークを使ってこの地域全体を、侠山くんは兄の繋がりを辿って三木堂高校を、僕は自分の中学から辿れる人を各々で調べていくことにした。
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