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ダーリンの思惑

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トラックを運転するジュンの横顔はかっこいい。
いつもは幼い感じがするのに、ハンドルを握るとキリッとした顔になる。

「ジュン、俺もトラック運転してみたい」
「え!?ダーリンが?なんで」
「ジュンが疲れたら代わってやれるだろ?」
「んー、そうなんだけど」

半分本音で半分嘘だ。
これからきっとジュンを可愛がる日がくる。
多分、絶対、確実にくると信じてる。
座るジュンの尻をそっと盗み見てみる。
やはり、俺が運転できるようになって損はないと思う。
トンテキもいるからなんとかなるんじゃないか、とも思っている。

「駄目か?」
「え?っ駄目じゃない!駄目じゃないよ。じゃまた練習しようか」

絶対にまた顔がいいとか思ってるはずだ。
どこまでもこの顔を活用してやろうと思う。
イムトスまでは王都を迂回して向かう。
武の大地と呼ばれる広大な土地。
故郷を出るのは初めてだ。
学院の頃の同級が何人か辺境騎士団に入団したな、とふと思い出す。
元気だろうか、彼らに会うのも楽しみだと思いながらスマホをタップする。

体内浄化はかなり魔力を使うようだ。
今の魔力量なら一日一回しか使えない。
それは困るな、と魔力増量の為の鍛錬頁を探す。
魔力は体の中を巡っていて、臍の下辺りに魔力の源があるという。
その量を増やすためには・・・集中!と書いてあった。
なかなかに力技だな。
相性のいい相手から魔力を与えてもらって徐々に増やす方法もある、か。
ジュンは魔力が無いからこれは無理だ。

「あんた、魔力増やしたいの?」
「急に話しかけるな、びっくりするだろ」

ふぅん、とレビィはふよふよ浮かびながらニヤニヤ笑っている。
レビィが邪魔で文字が読めない。

「ダーリン、魔力増やすの?」
「あぁ、今後の為に必要だから」
「なんで?」
「ジュンに負担をかけたくないからな」
「イムトスって危険なんか?」
「いや?国境にでも行かない限り大丈夫だよ」

じゃあなんで?とでも言いたそうな顔に微笑み返した。



いくらトラックが早いといってもイムトスまでは遠い。
なので野営をする。
パチパチと火花が爆ぜる焚き火で串に刺した肉を食べる。
ガブリと豪快にかぶりつくジュンの唇が油でてかてかと光っていて、むしゃぶりつきたくなる衝動にかられた。

「ダーリン、食わないの?」
「食べたい」
「もう焼けてるよ?」

はい、と差し出すのを受け取るフリをしながらその手の甲を撫でてみる。

「どうした?」
「いや、なんでもない」
「じゃ、食えよ」

渡された串焼きを呆然と見る。
なんかちょっとでも反応してほしかった。
いや、まだ先は長いんだ。
焦るな、急いては事を仕損じるというでは無いか。
じっくり時間をかけて落とす。
じっと見つめると、なんだよもぉとグリグリと肘でつかれた。
焚き火の明かりに映るその照れたような顔、こっちこそもうなんだよぉだ。
可愛いすぎる。


「ダーリンおやすみ」
「おやすみ」

運転というのは意外と疲れるのかもしれない。
ジュンはあっという間にすうすうと寝息を立て始めてしまった。
ちょっとくらい触ってもバレないんじゃないだろうか。
唇に触れると少しカサついていて、その輪郭をなぞってみる。
むにゃむにゃと擽ったそうに身を捩るのを見て下半身はもう臨戦態勢になったが、グッと堪えて下唇を捲る。
白い歯が見える、ここに舌を這わせてみたい。
ほんのちょっと、ほんのちょっと舐めるくらいならいけるんじゃないか?
よく寝てるようだし、と舌を出して顔を近づけて・・・

「・・・ダーリン」

ほにゃっと顔を柔らかくするのに思わず仰け反った。
バ・・・バレ・・・てない?
むにゃむにゃとごろんと寝返りをうって背中を見せられてしまった。

「・・・なんだ寝言か」

バレなくて良かったと外へ出て自分自身を慰めている時に気づいた。
寝言を言うってことはこの俺が夢に出てきたということでは?
その事実だけであと三回はいけると二回目の精を吐き出した。




※こんなに間隔が空いていたなんて私自身がびっくりです
ダーリンが変態すぎてびっくりです


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