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番外 その商会、愛につき
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※1、2、3、ダァーの萌える闘魂回です。
嘘です。最近影の薄いリュカとアイクの日常回です。
コラソン王国に三つある公爵家のひとつエバンズ家は若き宰相補佐であるアイザック・エバンズを当主に据え、手広く事業展開を行っている。
もちろん貴族であるから慈善事業・公共事業も欠かさない。
子どもらに読書の楽しみを、と始められた月に一度の広場での貸本事業は『ピコピコの日』と呼ばれ広く民から慕われている。
その他にも養護院への視察や寄付、就職斡旋なども慈善事業の一環として夫人が取り仕切っている。
そんな公爵家にはもうひとつ、人知れず水面下で運営している事業がある。
公爵家の名は一切出さずに、新興の商会としてひっそりと商いをしている。
なにを商売にしているか?
それはひとえに当主アイザックの生涯の伴侶であり番の奥方への愛である。
「アイク、こういうのはどこで調達してくるのですか?」
「リュカはそんなこと考えなくてもいいんだよ」
そうは言われても、とリュカは湯殿の脱衣所に置かれたそれをつまみ上げた。
「お尻が丸見えになってしまいます」
「それがいいんだ」
「どうせ脱ぐなら履かなくても良くないで・・・」
「駄目だ!駄目だったら駄目だ」
そんなに?とリュカはつまみ上げた下着を渋々履いた。
淡いピンクのそれは透けて見えるようなレースがあしらわれており、尻の部分などほぼ布がない。
股間は辛うじて隠れているがなんとも心許ない。
「可愛い!可愛いよ!え、なんなの、俺をどうしたいのリュカは」
履かせておいてこの言い様である。
呆れて声も出ないとはこのことか。
クルクルと周囲を回り、顎に手を置きふむふむとどこの評論家か?というように眺めている。
「アイクには無いのですか?」
「俺が履いたってしょうがないだろ」
すんっと真顔になったアイザックに、不公平ではないか?と思う。
休日になると卑猥な下着を履かされ、時には猫の耳やら犬の尾をつけられたりする。
なにが楽しいのかわからないが着ると機嫌が五割増で良くなるし、アイザックしか見ないのでリュカはもう諦めていた。
結局その夜も散々喘がされ、もうやめてと懇願するも休日だったので全てはアイザックの望むままになってしまった。
あの様な下着を一体どこから、しかも誂えたようにぴたりと体に合う。
公爵家お抱えの仕立て屋でも下着は縫ってくれるが華美なものではない。
「コンコーン、リュカ様ー」
ジェリーは相変わらずの口ノックで返事も待たずにリュカの私室を訪れた。
「午後からなにか御用あります?」
「ないよ。なに?」
「なかったら、休みをもらっていいっすか?」
「うん、いいけど。・・・その箱なに?」
「ケイティへの贈り物です」
「へぇ、いいね。なんなの?」
内緒っす、とジェリーは白い歯を零して退出して行った。
けれど、目敏いリュカはその箱にかけられたリボンのタグを見ていた。
『妖精工房』そんな仕立て屋あったかな?と普段街歩きをする道筋を辿る。
全て把握してる訳ではないし、特に公爵家に縁付いてからは仕立て屋が邸に来るので既製品を買うことはない。
宝飾品も同じこと。
あのジェリーの笑顔が恋人との逢瀬を楽しみにしているだけでなく、その向こうを見るような欲を孕んだ顔に見えた。
だからかほんの少し気にかかる。
後日、リュカはプラハーを連れて本屋に行くという名目で街歩きを楽しんでいた。
いつものキャンディを買い求め、広場ではソーセージのやつを食べた。
「ねぇ、妖精工房って知ってる?」
じゅうじゅうと鉄板でソーセージを焼くクルトの手がピクと止まり、すぐさま何事もなかったように動き始めた。
「・・・知ってるね?」
「奥様が行くようなお店ではありませんよ」
「店なの?」
ピタッと止まった手は、しまったとクルトの心の声が聞こえてくるようだった。
クルトは無言でじっと俯いている。
「なんの店?」
「奥様、商売の邪魔はお止めになった方が・・・」
「・・・プラハーも知ってるの?」
クルトに助け船を出したつもりのプラハーだったが、墓穴を掘ったようだ。
連れて行って、と言い張るリュカにプラハーは頑として頷かなかった。
『妖精工房』それは密やかに王都の男たちの夢を叶える工房だからだ。
「主人の言うことが聞けないの?」
リュカは普段滅多なことでは主人風を吹かせることはない。
ほわほわのほほんと使用人達と近い距離で接している。
そのリュカが主人を持ち出す時は、譲れないなにかがある時だけだ。
「なぜ奥様はそんなに気になるのですか?なんてことはない工房ですよ。他の仕立て屋と同じです。いや、公爵家お抱えの仕立て屋の方がもっとずっとうんと気品高いです」
「じゃ、連れて行って。気位の高い店じゃないんだよね?だったら今から行けるね?」
プラハーよりリュカの方が一枚も二枚も上手だった。
クルトは我関せずでソーセージを焼き、それを包んでいる。
さっき助けてやったのに!とプラハーはグッと拳を握りしめ、御意と頭を下げたのだった。
『妖精工房』は既製服を売る『陽炎洋品』という店の奥にあった。
看板等は掲げておらず、洋品店に入店した後に店員に声をかけると奥のカーテンが開かれる。
「なんなの?普通の洋品店じゃないの?」
リュカはキョロキョロと隠しもせずに視線を動かし、プラハーの袖をキュッと握った。
カーテンの奥は薄暗く、ガラスケースがいくつか並んでいた。
なんだろう?とそのひとつを覗き込んだリュカの顔がじわじわと赤く染まっていく。
「な、なに、この破廉恥な下着は!」
そこには透けた生地の尻部分が紐になったものや、女性用の胸当てなんかは縦に切れ目が入っていて大事な部分が見えるようになっている。
「ですから、奥様がいらっしゃるような店ではないんです」
小声で諭すプラハーはソワソワと、早く出ましょうと言う。
それを無視してリュカはガラスケースの中を見て回り、ふと壁に目が吸い寄せられた。
壁にかかったハンガーにかけられたもの、見たことがある。
いや、なんなら着たことがある。
「これ、もこもこのうさぎ衣装・・・」
呆然と眺めるリュカに遅れ馳せなら店員が声をかけてきた。
「いらっしゃいませ。あのうさぎは一番人気なんですよ」
「へ?あ、あれが?」
「えぇ、隣の猫衣装も人気がございます」
揉み手でニコニコと笑みを浮かべる口髭の店員。
「ここは、その、あなたがオーナー?」
「いいえ、リュシエール商会がオーナーでして私はこちらを任されている者でございます。仕立てもできますよ?恋人や伴侶の方にご自身でデザインした下着を贈りたいという方は後を断ちません」
リュカはその場で卒倒しそうになった。
商会の名前、そして数々の動物の衣装、破廉恥な下着、これらを総合して裏にアイザックがいるに違いない。
「仕立てをお願い」
「お、奥様!?」
「プラハー、黙って」
リュカはそこで一着の下着を仕立てた。
アイザックのサイズはだいたい頭に入っている。
ささっと帳面にデザインを描いて、代金は後日ジェリーに持たせた。
ジェリーはなぜその店を知っている?と目を回したが、リュカの迫力に何も言えずに従った。
それからしばらくして───
「リュカ、なんだこれは」
「アイクのです。履いてください」
「履くったって・・・」
湯殿の脱衣所でアイザックがつまみ上げたそれは黒で腰部分が細く尻の部分の布は少なく逆三角形の下着だった。
「・・・履いてくれないのですか?」
両手を合わせて目を潤ませ・・・られているのかはわからないが上目遣いでお願いしてみる。
経験上これが一番効果がある、理屈はさっぱりわからないが、といそいそと下着を履くアイザックを見ながらリュカは思う。
「これでいいか?」
「え、えーー~ー?・・・かっこいい」
引き締まった体躯にぴっちりとした黒の下着。
下生えが少し覗いているのが男らしくて、なんだか色っぽい。
尻は筋肉質で触ってないのに硬そうで、リュカはつい自分の尻を触ってしまった。
アイザックの回りをくるくると回り、下着の肌触りを確かめるように触る。
「ふむ、肌につけるものだけに良い生地を使っているな」
顎に手を当てあちこち色んな角度から眺めるリュカはなにかの評論家のようだった。
「アイク、大きくなってます」
「そりゃ、ぺたぺた触られたんだから」
「僕が治めて差し上げましょうか?」
ふふふと笑みを浮かべてぺろりと小さな舌を出すリュカにアイザックは生唾を飲んだ。
リュカは膝まづいて下着を少しだけ下ろす。
下着からぴょこと飛び出した先端をチロチロと舌の先でつつくように舐める。
じわっと出てきた先走りも舐めとり、亀頭部分をぱくりと咥えて口内でそのつるつるした部分を舐め回す。
手は重くなった双玉をやわやわと揉む。
「・・・はっ、リュカもう脱がせて」
「だめー」
ちゅぽと口を離し、硬くなって窮屈そうなアイザックのそれを下着の上から指先でつつつと撫でる。
「なんで」
「アイクだって、なかなか脱がせてくれないじゃないですか」
下着の上かられろりと裏筋を舐め上げてまた先端を口に含んだ。
舌で転がすように舐めて、頬の内側の肉に擦り付ける。
溢れてきた汁はちゅうと吸って、舌先でグリグリと刺激する。
「あっ・・・はぁ・・・リュカ、もう苦しい」
決定的な刺激もなく先端だけを弄ばれ、時折投げかけられる下からの視線にそれだけでアイザックは興奮してしまって限界だった。
ぴたりと張りついた下着が上がってくる射精感を押しとどめてしまう。
しょうがないですねぇ、と口を拭いながら立ち上がったリュカは手を広げた。
それをよいしょとアイザックは抱き上げてそのままベッドへ向かった。
「アイク、僕はなんだかわかった気がします」
「そうか?」
リュカは着せる喜びというものを知ってしまった。
最初は恥ずかしさを思い知れ、と気軽に考えていたがなかなかどうして気分がいい。
またなにか仕立ててもらうのもいいかもしれない。
うふふ、とその肩口にリュカはすりすりと頬擦りをした。
一方、アイザックは先程のリュカを頭の中で反芻していた。
良かった、すこぶる良かった。
赤い小さな舌がチロチロと動き、チラと見上げる上目遣いは小悪魔的だと思った。
絵本で見るとんがった尾に頭にちょこんと生える角。
体の線がよくわかる黒い服、けれど脱がせると純白の総レースの下着。
次はあれを仕立てよう、きっとリュカに似合う。
すりすりと肩に頬擦りするそのこめかみに、ちゅっとキスを落としてアイザックはリュカをベッドに沈めた。
※100話というキリ番を忘れた作者がいるらしいです。けしからんですね←
私はちゃんと123話を覚えてましたよ!
読んでくださり本当に、本当に心からありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
頑張れるのは皆さまのおかげです(๑و•̀Δ•́)و
嘘です。最近影の薄いリュカとアイクの日常回です。
コラソン王国に三つある公爵家のひとつエバンズ家は若き宰相補佐であるアイザック・エバンズを当主に据え、手広く事業展開を行っている。
もちろん貴族であるから慈善事業・公共事業も欠かさない。
子どもらに読書の楽しみを、と始められた月に一度の広場での貸本事業は『ピコピコの日』と呼ばれ広く民から慕われている。
その他にも養護院への視察や寄付、就職斡旋なども慈善事業の一環として夫人が取り仕切っている。
そんな公爵家にはもうひとつ、人知れず水面下で運営している事業がある。
公爵家の名は一切出さずに、新興の商会としてひっそりと商いをしている。
なにを商売にしているか?
それはひとえに当主アイザックの生涯の伴侶であり番の奥方への愛である。
「アイク、こういうのはどこで調達してくるのですか?」
「リュカはそんなこと考えなくてもいいんだよ」
そうは言われても、とリュカは湯殿の脱衣所に置かれたそれをつまみ上げた。
「お尻が丸見えになってしまいます」
「それがいいんだ」
「どうせ脱ぐなら履かなくても良くないで・・・」
「駄目だ!駄目だったら駄目だ」
そんなに?とリュカはつまみ上げた下着を渋々履いた。
淡いピンクのそれは透けて見えるようなレースがあしらわれており、尻の部分などほぼ布がない。
股間は辛うじて隠れているがなんとも心許ない。
「可愛い!可愛いよ!え、なんなの、俺をどうしたいのリュカは」
履かせておいてこの言い様である。
呆れて声も出ないとはこのことか。
クルクルと周囲を回り、顎に手を置きふむふむとどこの評論家か?というように眺めている。
「アイクには無いのですか?」
「俺が履いたってしょうがないだろ」
すんっと真顔になったアイザックに、不公平ではないか?と思う。
休日になると卑猥な下着を履かされ、時には猫の耳やら犬の尾をつけられたりする。
なにが楽しいのかわからないが着ると機嫌が五割増で良くなるし、アイザックしか見ないのでリュカはもう諦めていた。
結局その夜も散々喘がされ、もうやめてと懇願するも休日だったので全てはアイザックの望むままになってしまった。
あの様な下着を一体どこから、しかも誂えたようにぴたりと体に合う。
公爵家お抱えの仕立て屋でも下着は縫ってくれるが華美なものではない。
「コンコーン、リュカ様ー」
ジェリーは相変わらずの口ノックで返事も待たずにリュカの私室を訪れた。
「午後からなにか御用あります?」
「ないよ。なに?」
「なかったら、休みをもらっていいっすか?」
「うん、いいけど。・・・その箱なに?」
「ケイティへの贈り物です」
「へぇ、いいね。なんなの?」
内緒っす、とジェリーは白い歯を零して退出して行った。
けれど、目敏いリュカはその箱にかけられたリボンのタグを見ていた。
『妖精工房』そんな仕立て屋あったかな?と普段街歩きをする道筋を辿る。
全て把握してる訳ではないし、特に公爵家に縁付いてからは仕立て屋が邸に来るので既製品を買うことはない。
宝飾品も同じこと。
あのジェリーの笑顔が恋人との逢瀬を楽しみにしているだけでなく、その向こうを見るような欲を孕んだ顔に見えた。
だからかほんの少し気にかかる。
後日、リュカはプラハーを連れて本屋に行くという名目で街歩きを楽しんでいた。
いつものキャンディを買い求め、広場ではソーセージのやつを食べた。
「ねぇ、妖精工房って知ってる?」
じゅうじゅうと鉄板でソーセージを焼くクルトの手がピクと止まり、すぐさま何事もなかったように動き始めた。
「・・・知ってるね?」
「奥様が行くようなお店ではありませんよ」
「店なの?」
ピタッと止まった手は、しまったとクルトの心の声が聞こえてくるようだった。
クルトは無言でじっと俯いている。
「なんの店?」
「奥様、商売の邪魔はお止めになった方が・・・」
「・・・プラハーも知ってるの?」
クルトに助け船を出したつもりのプラハーだったが、墓穴を掘ったようだ。
連れて行って、と言い張るリュカにプラハーは頑として頷かなかった。
『妖精工房』それは密やかに王都の男たちの夢を叶える工房だからだ。
「主人の言うことが聞けないの?」
リュカは普段滅多なことでは主人風を吹かせることはない。
ほわほわのほほんと使用人達と近い距離で接している。
そのリュカが主人を持ち出す時は、譲れないなにかがある時だけだ。
「なぜ奥様はそんなに気になるのですか?なんてことはない工房ですよ。他の仕立て屋と同じです。いや、公爵家お抱えの仕立て屋の方がもっとずっとうんと気品高いです」
「じゃ、連れて行って。気位の高い店じゃないんだよね?だったら今から行けるね?」
プラハーよりリュカの方が一枚も二枚も上手だった。
クルトは我関せずでソーセージを焼き、それを包んでいる。
さっき助けてやったのに!とプラハーはグッと拳を握りしめ、御意と頭を下げたのだった。
『妖精工房』は既製服を売る『陽炎洋品』という店の奥にあった。
看板等は掲げておらず、洋品店に入店した後に店員に声をかけると奥のカーテンが開かれる。
「なんなの?普通の洋品店じゃないの?」
リュカはキョロキョロと隠しもせずに視線を動かし、プラハーの袖をキュッと握った。
カーテンの奥は薄暗く、ガラスケースがいくつか並んでいた。
なんだろう?とそのひとつを覗き込んだリュカの顔がじわじわと赤く染まっていく。
「な、なに、この破廉恥な下着は!」
そこには透けた生地の尻部分が紐になったものや、女性用の胸当てなんかは縦に切れ目が入っていて大事な部分が見えるようになっている。
「ですから、奥様がいらっしゃるような店ではないんです」
小声で諭すプラハーはソワソワと、早く出ましょうと言う。
それを無視してリュカはガラスケースの中を見て回り、ふと壁に目が吸い寄せられた。
壁にかかったハンガーにかけられたもの、見たことがある。
いや、なんなら着たことがある。
「これ、もこもこのうさぎ衣装・・・」
呆然と眺めるリュカに遅れ馳せなら店員が声をかけてきた。
「いらっしゃいませ。あのうさぎは一番人気なんですよ」
「へ?あ、あれが?」
「えぇ、隣の猫衣装も人気がございます」
揉み手でニコニコと笑みを浮かべる口髭の店員。
「ここは、その、あなたがオーナー?」
「いいえ、リュシエール商会がオーナーでして私はこちらを任されている者でございます。仕立てもできますよ?恋人や伴侶の方にご自身でデザインした下着を贈りたいという方は後を断ちません」
リュカはその場で卒倒しそうになった。
商会の名前、そして数々の動物の衣装、破廉恥な下着、これらを総合して裏にアイザックがいるに違いない。
「仕立てをお願い」
「お、奥様!?」
「プラハー、黙って」
リュカはそこで一着の下着を仕立てた。
アイザックのサイズはだいたい頭に入っている。
ささっと帳面にデザインを描いて、代金は後日ジェリーに持たせた。
ジェリーはなぜその店を知っている?と目を回したが、リュカの迫力に何も言えずに従った。
それからしばらくして───
「リュカ、なんだこれは」
「アイクのです。履いてください」
「履くったって・・・」
湯殿の脱衣所でアイザックがつまみ上げたそれは黒で腰部分が細く尻の部分の布は少なく逆三角形の下着だった。
「・・・履いてくれないのですか?」
両手を合わせて目を潤ませ・・・られているのかはわからないが上目遣いでお願いしてみる。
経験上これが一番効果がある、理屈はさっぱりわからないが、といそいそと下着を履くアイザックを見ながらリュカは思う。
「これでいいか?」
「え、えーー~ー?・・・かっこいい」
引き締まった体躯にぴっちりとした黒の下着。
下生えが少し覗いているのが男らしくて、なんだか色っぽい。
尻は筋肉質で触ってないのに硬そうで、リュカはつい自分の尻を触ってしまった。
アイザックの回りをくるくると回り、下着の肌触りを確かめるように触る。
「ふむ、肌につけるものだけに良い生地を使っているな」
顎に手を当てあちこち色んな角度から眺めるリュカはなにかの評論家のようだった。
「アイク、大きくなってます」
「そりゃ、ぺたぺた触られたんだから」
「僕が治めて差し上げましょうか?」
ふふふと笑みを浮かべてぺろりと小さな舌を出すリュカにアイザックは生唾を飲んだ。
リュカは膝まづいて下着を少しだけ下ろす。
下着からぴょこと飛び出した先端をチロチロと舌の先でつつくように舐める。
じわっと出てきた先走りも舐めとり、亀頭部分をぱくりと咥えて口内でそのつるつるした部分を舐め回す。
手は重くなった双玉をやわやわと揉む。
「・・・はっ、リュカもう脱がせて」
「だめー」
ちゅぽと口を離し、硬くなって窮屈そうなアイザックのそれを下着の上から指先でつつつと撫でる。
「なんで」
「アイクだって、なかなか脱がせてくれないじゃないですか」
下着の上かられろりと裏筋を舐め上げてまた先端を口に含んだ。
舌で転がすように舐めて、頬の内側の肉に擦り付ける。
溢れてきた汁はちゅうと吸って、舌先でグリグリと刺激する。
「あっ・・・はぁ・・・リュカ、もう苦しい」
決定的な刺激もなく先端だけを弄ばれ、時折投げかけられる下からの視線にそれだけでアイザックは興奮してしまって限界だった。
ぴたりと張りついた下着が上がってくる射精感を押しとどめてしまう。
しょうがないですねぇ、と口を拭いながら立ち上がったリュカは手を広げた。
それをよいしょとアイザックは抱き上げてそのままベッドへ向かった。
「アイク、僕はなんだかわかった気がします」
「そうか?」
リュカは着せる喜びというものを知ってしまった。
最初は恥ずかしさを思い知れ、と気軽に考えていたがなかなかどうして気分がいい。
またなにか仕立ててもらうのもいいかもしれない。
うふふ、とその肩口にリュカはすりすりと頬擦りをした。
一方、アイザックは先程のリュカを頭の中で反芻していた。
良かった、すこぶる良かった。
赤い小さな舌がチロチロと動き、チラと見上げる上目遣いは小悪魔的だと思った。
絵本で見るとんがった尾に頭にちょこんと生える角。
体の線がよくわかる黒い服、けれど脱がせると純白の総レースの下着。
次はあれを仕立てよう、きっとリュカに似合う。
すりすりと肩に頬擦りするそのこめかみに、ちゅっとキスを落としてアイザックはリュカをベッドに沈めた。
※100話というキリ番を忘れた作者がいるらしいです。けしからんですね←
私はちゃんと123話を覚えてましたよ!
読んでくださり本当に、本当に心からありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
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