上 下
36 / 190

真・初夜

しおりを挟む
アイザックは遂にこの時がきた、と思った。
リュカの全てを手中に納める時が。

ベッドに押し倒しながら、ちゅちゅと何度もその薄い唇に吸い付いた。
薄い唇は弾力はないが、びっくりするほど柔らかい。
その柔らかい下唇を吸い上げて舌先でもその柔らかさを味わう。
体重をかけないように抱きしめながら、少しづつ深く口付ける。
リュカの顎は小さいので口内も小さく、舌を差し込むとすぐにいっぱいになった。
ふぅふぅと漏れる吐息も飲み込みながら上顎や歯列をなぞる。

「リュカ、舌だして?」

はぁはぁと息を乱しながらもぺろと小さな舌を出してくるのに最高に唆られる。
それをちゅうと吸い上げて、リュカの舌の根元を舌先でぐりっと刺激する。

「ん・・・っぁ・・・」

吐息に混じる声がもっと聞きたくて、舌を絡ませると首元にきゅっとしがみついてきた。
一生懸命なリュカが可愛い。
必死に応えようとする小さな舌も堪らない。
ちゅっと最後に音を立てて唇を離すと、リュカの目はとろんと潤んでいる。

「アイク・・・」
「なに?」

寝間着のボタンを外してあらわになった素肌に手を這わすと、ぴくと反応する。

「あのね、アイク」
「うん?」
「僕、もうお尻いっぱい濡れちゃって・・・」

今にも泣きそうに顔を赤く染めて言う。
可愛い。すこぶる可愛い。
下着ごと一気にズボンをずり下ろすと確かに濡れていた。

「発情してないのにすご・・・」
「うぅっ・・・恥ずかしいです」

両手で顔を隠すリュカが可愛くて、自分も脱いで素肌を合わせた。
それだけで多幸感が押し寄せてくる。
手を退かせてまたぞろキスの雨を降らせた。
互いの陰茎を擦り合わせながら、薄い胸も触る。

「リュカ。発情した時、俺のこと思い出した?」
「はっ・・・んっ、思い、だしたぁ」
「頭の中の俺は何してた?リュカのこと気持ち良くしてた?ここも触った?」

しとどに濡れそぼったそこにアイザックはつぷりと指を入れた。
難なく入ったそこは温かくて、一気に根元まで飲み込んでいく。
くちくちと動かしながらリュカの気持ちいい所を探す。
もう片方の手は立ち上がっている小ぶりなリュカの陰茎をゆるゆると扱いた。
大きな手から先端だけはみ出して、そこからトロリと先走りが溢れてるのが最高にクる。
耳元で囁きながら、舌も入れてくちゅくちゅと音をたてるとリュカの可愛らしい声がひっきりなしにあがる。
一際大きく声があがった箇所を執拗に攻め立てながら聞く。

「同じようにしてあげる」
「あぁっ、んっ・・・知らないよっ・・・」

指を増やしてきつくて狭い中を広げるように動かした。
ひんひんと泣くように上げる嬌声にますます煽られる。

「あっ、、アイクの、匂い袋のっ・・・はっ・・・んぅ、匂いでしただけっ・・・ああぁぁっっ」

ずるりと指を引き抜くのにも感じるらしい。
そんな可愛いことを言われてはもう我慢も限界だ。
リュカの何もかもに煽られる。

「そんなこと言われたら、もう無理」

リュカの足を持ち上げ開くと後孔がひくひくと誘うように動いた。

「リュカの純潔、俺がもらう。いいね?」
「ん、もらって」

それにも煽られて昂った自身を押し付けてぢゅぷぢゅぷと押し込んでいく。
あぁっと艶声を聞きながら、もう止められそうにない。
トン、と奥まで到達した途端にリュカの陰茎からぴゅっと白濁が吐き出された。
はぁはぁと大きく上下する胸に吸い付いて揺さぶった。

「ちょ、待っ・・・てっ、あぁっあっ、んぅっ」
「リュカ、好き。大好きっ、もう無理」

激しく腰を動かしながら奥をぐちゅぐちゅと攻め立てる。
そこは少しづつ柔らかくなって、ちゅちゅと先端に吸い付いてくる。

「リュカ?もうちょっと奥いくね」

あうあうともう焦点すら定まってない瞳に宣言してずぷりと奥に差し込んだ。
見開かれた目から零れた涙を吸い取り、薄い唇に吸い付き口内を蹂躙しながら動く。
寝室には粘着質な水音と肌がぶつかるパンパンという音と、リュカの嬌声だけ。

「あ、アイクっ、アイクっ!」
「ん?どした?」
「体、どっかにいっちゃいそう」
「捕まえとくから大丈夫」

きゅっと抱きしめあうと中がうねうねと絡みつき、きゅうきゅうと搾り取ろうとするのにもう限界だった。

「はぁっ・・・リュカ、もうイきそう」

コクコクと頷くのに合わせて腰を振り立てた。
叩きつけるように奥に熱を吐き出した。
一滴も残さぬようにさらにぐりぐりと押し付ける。
嬉しさや喜びや、この世のあらゆる正の感情が押し寄せてその波に飲み込まれるような多幸感だった。

自身を引き抜くとリュカはころりと横になった。
吐息を漏らしながら、枕に抱きつこうとする手をとって抱き上げてキスをする。

「リュカ、夜は長いから。ね?」

ひぃっとリュカの小さな悲鳴を聞きながらまたリュカの中に入った。


リュカの小さな陰茎はもう立ち上がることもなく力を無くしていた。

「な、何回するのっ!も、もう無理だから。もう挿れないで」

ぐずぐず泣きながら自分の手で尻を隠すリュカ。
その指の隙間からはアイザックの吐き出した精液がとろとろと零れ出している。

「リュカ、もう一回だけ。いい子だから、手を退けて?ね?」

赤く腫れてしまった唇にキスをして手を退かせてアイザックは思う存分リュカを貪った。
ガクガク揺さぶられながらリュカは思った。
優しくて落ち着いていて紳士で、リュカと呼ぶ声は甘くて微笑む瞳は包み込まれるようで、気遣ってくれて労わってくれて・・・
そんなアイザックはここにはいない。
豹変したようなアイザックについていけない。
全然、言うことを聞いてくれない。

初夜とは、その字の如く初々しいものなんじゃないの?
もう夜明けが近い。
白み始める空にリュカはストンと落ちた。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。 全17話、約6万文字。

実は僕、アルファ王太子の側妃なんです!~王太子とは番なんです!

天災
BL
 王太子とは番になんです!

俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜

明太子
BL
伯爵令息のエスメラルダは幼い頃から恋心を抱いていたレオンスタリア王国の国王であるキースと結婚し、王妃となった。 しかし、当のキースからは冷遇され、1人寂しく別居生活を送っている。 それでもキースへの想いを捨てきれないエスメラルダ。 だが、その思いも虚しく、エスメラルダはキースが別の令嬢を新しい妃を迎えようとしている場面に遭遇してしまう。 流石に心が折れてしまったエスメラルダは離婚を決意するが…? エスメラルダの一途な初恋はキースに届くのか? そして、キースの本当の気持ちは? 分かりづらい伏線とそこそこのどんでん返しありな喜怒哀楽激しめ王妃のシリアス?コメディ?こじらせ初恋BLです! ※R指定は保険です。

傾国の美青年

春山ひろ
BL
僕は、ガブリエル・ローミオ二世・グランフォルド、グランフォルド公爵の嫡男7歳です。オメガの母(元王子)とアルファで公爵の父との政略結婚で生まれました。周りは「運命の番」ではないからと、美貌の父上に姦しくオメガの令嬢令息がうるさいです。僕は両親が大好きなので守って見せます!なんちゃって中世風の異世界です。設定はゆるふわ、本文中にオメガバースの説明はありません。明るい母と美貌だけど感情表現が劣化した父を持つ息子の健気な奮闘記?です。他のサイトにも掲載しています。

嘘の日の言葉を信じてはいけない

斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
嘘の日--それは一年に一度だけユイさんに会える日。ユイさんは毎年僕を選んでくれるけど、毎回首筋を噛んでもらえずに施設に返される。それでも去り際に彼が「来年も選ぶから」と言ってくれるからその言葉を信じてまた一年待ち続ける。待ったところで選ばれる保証はどこにもない。オメガは相手を選べない。アルファに選んでもらうしかない。今年もモニター越しにユイさんの姿を見つけ、選んで欲しい気持ちでアピールをするけれど……。

【運命】に捨てられ捨てたΩ

諦念
BL
「拓海さん、ごめんなさい」 秀也は白磁の肌を青く染め、瞼に陰影をつけている。 「お前が決めたことだろう、こっちはそれに従うさ」 秀也の安堵する声を聞きたくなく、逃げるように拓海は音を立ててカップを置いた。 【運命】に翻弄された両親を持ち、【運命】なんて言葉を信じなくなった医大生の拓海。大学で入学式が行われた日、「一目惚れしました」と眉目秀麗、頭脳明晰なインテリ眼鏡風な新入生、秀也に突然告白された。 なんと、彼は有名な大病院の院長の一人息子でαだった。 右往左往ありながらも番を前提に恋人となった二人。卒業後、二人の前に、秀也の幼馴染で元婚約者であるαの女が突然現れて……。 前から拓海を狙っていた先輩は傷ついた拓海を慰め、ここぞとばかりに自分と同居することを提案する。 ※オメガバース独自解釈です。合わない人は危険です。 縦読みを推奨します。

欠陥αは運命を追う

豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」 従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。 けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。 ※自己解釈・自己設定有り ※R指定はほぼ無し ※アルファ(攻め)視点

恋人が本命の相手と結婚するので自殺したら、いつの間にか異世界にいました。

いちの瀬
BL
「 結婚するんだ。」 残されたのは、その言葉といつの間にか握らせられていた手切れ金の紙だけだった。

処理中です...