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先輩は夢見がち
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矢野仁志二十七歳。
恋人いない歴二十七年、素人どころか玄人も童貞であり処女である。
彼が初めて性に目覚めたのは小学校六年生の夏、プールの授業の時であった。クロールだったか、平泳ぎだったか忘れたが足がつって溺れてしまった。その時助けてくれた担任の先生、抱きかかえられた厚い胸板に胸がトゥンクした。
人生初のトゥンクだった。
それからずっと仁志は『男に抱かれたい男』になったのだ。
けれど、悲しいかな仁志はモテなかった。なぜなら彼の顔の造作はパッとしなかったからだ。『人は見た目じゃないの、中身よ』などと言う輩がいるが、それだって最初に興味を持たれなければ始まらない。
分厚いレンズにくすんだ銀フレーム、毛量の多い直毛はアレンジ?なにそれ?を体現している。学生時代のあだ名はヘルメット、メガメットと呼ばれることもあった。
いやいや、眼鏡外したら可愛いんでしょ?とか思うだろう?
「んなわけあるかーーーーっ!!」
そんなわけないのである、少女漫画のような展開にはならないのだ。誰も彼もが眼鏡外したら美人とか思うなよ、と声を大にして言いたい。いや、もう言った後だった。
ここは仁志行きつけの居酒屋である、『呑んべぇ横丁』という飲み屋街の一角にある小さな店だ。
「ひとちゃん、今日もまた荒れてんねぇ」
つるっパゲ頭にねじり鉢巻、法被を着た大将が苦笑する。今どきこんな格好があるだろうかと思うが、大将はよく似合っているのだ。そしてグダグダうだうだと呑んで酔っ払っては管をまく仁志を慰めてくれる。
「ほい、サービスだ」
狭いカウンターに置かれたひねポン、「素敵、大将…抱いて」って気持ちになるのも無理もない話なのである。ただ大将はカミさん一筋35年なので仁志が付け入る隙は微塵もない。
こうして今夜も仁志は誰に抱かれることなく、とぼとぼと誰も待つことのない真っ暗な部屋へと帰り枕を涙で濡らしながら自慰行為に耽るのだった。
そんな男に抱かれてみたいと思っている仁志であるが、当然そのパッとしない見た目から自分自身に全く自信がなかった。にも関わらず仁志の頭は少女漫画脳だった。
「遅刻、遅刻~!」なんて言いながら食パンを咥えて走る、なんていう愚行は犯さないが出会い頭の事故にはちょっと憧れていた。
「あ、すみません」
「いや、こちらこそ急いでたものだからすまない」
散らばった書類、慌てて集める手が触れて、ずり落ちた眼鏡をくいと上げると目の前には営業部のエースが…。
恋が、今、始まる──。
なんちゃって、なんちゃってーキャーこれはトゥンク待ったナシ!という脳内劇場を繰り広げるくらいには少女漫画脳だった。
故に抱かれたいと思ってはいてもマッチングアプリやゲイバー等出会いの場所に赴くことはなかった。まぁ行ったところで僕なんてね、とヘルメットには安全第一と書いてある。
現実は厳しい、粛々と業務にあたるのみである。
「矢野先輩、お昼一緒に行きましょう」
キラキラと眩しいアイドルスマイルでそう誘ってくれるのは後輩の一ノ瀬だ。我が経理部の期待の星、と仁志が勝手に思っている男である。
彼が入社当時に今日のようにお昼を一緒にしたことがあった。その時、社員食堂で同期だという二人の男たちと偶然出会い、流れで四人で飯を食った。
胡散臭い笑顔の御堂と表情筋が瀕死の能勢、研修会で意気投合して仲良くなったという彼ら、そんなことあるんだぁ。なぜなら仁志は誰とも親しくならなかったから、ただし影でヘルメットと呼ばれていたことは知っている。
それからというものなぜか四人で食うことが増えた。
一度「同期三人の方が気兼ねないだろう」と提案したことがある、先輩ヘルメットがいない方が良いと気を使ったのだ。
けれど一ノ瀬はその提案にNOを突きつけた、曰く「三より四が良い」らしい。その時に決めたのだ、数字にこだわりがあるらしい彼を自分の後任として立派に育て上げる!と。それももうすぐ終わる、彼はもう一人前とはいかなくても半人…四分の一人前くらいにはなった。
自分がいなくなってもやっていけるだろう、異世界へ行く手筈は整ったのだ。
男に抱かれたいと思うあまり仁志の思考はもはやとち狂っていた。
社員食堂までの道程、あれこれと話す一ノ瀬に適当な相槌を打ちながら異世界へと思いを馳せる。如何にしてトラックに上手くはねられるか、そこが問題だ。ホワイトなうちの会社は終電ギリギリまで残業することはまずない。
どうしたものか…と考えながらB定食のチキン南蛮を注文した。
「矢野先輩はお盆休みなにか予定ありますか?」
「映画とスパ銭行こうかなって」
「誰かと一緒ですか?」
「一ノ瀬くん、僕に友人がいると思う?」
「いや、知らないっす」
「じゃあ、教えてやろう。僕に、友人は、いない」
一ノ瀬の頬がひくりと引きつったのがわかった、覚えておけヘルメットに友はいないのだ。
「えっと、映画って今話題のやつですか?」
「話題?」
「あのインド映画ですよね?」
違う、仁志が楽しみにしているのは『キラキラ星に恋して』略して『キラ恋』の方だ。だが少女漫画趣味がバレるのは恥ずかしい、それ故に仁志はうんと頷いた。
『キラキラ星に恋して』は大人気少女漫画で今回の映画はその実写版だ。
学校では品行方正優等生の星影君が、実は不良だったということをひょんなことから知ってしまう主人公花織ちゃんの恋物語だ。
──気づいたら好きになってたんだよ、花織
星影君が初めて花織ちゃんの名前を呼ぶ告白シーン、良かったすこぶる良かった。王道バンザイ!ビバ王道!いやぁこれは昼からキめちゃいますか!と仁志はうきうきでパンフレットを鞄にしまった。
「矢野先輩!」
「ん?能勢くん?」
お盆休みのシネコンは人でごった返していてその中にあっても長身の彼はよく目立つ。彼も映画を見に来ていたのか、凄い偶然だなぁ。
「…あ、あの、映画、見ましたか?」
「うん、能勢くんも?こんな偶然あるんだねぇ」
能勢の手にはインド映画のパンフレットがあった。
「面白かった?」
「…はい」
「そうか、それは良かった。じゃ、また会社で」
表情筋が瀕死の彼ではあるが、嬉しいときは口の端がほんの少しだけ持ち上がって目を細めたりする。
インド映画が余程面白かったらしい。
それにしても休日なのに先輩に声をかけるなんて、意外と律儀なところもあるもんだ。自分なら柱の影にでも隠れていたところだ、ここは早く解散してやろう、そう思ったのに何故か能勢に腕を掴まれた。
どうした?
「先輩はこの後予定ありますか?」
「飯食いに行くけど」
「…一緒してもいいですか?」
「いいけど、誰かと一緒じゃないの?あ、一ノ瀬くんとかいるの?」
「一ノ瀬が一緒じゃないとダメですか?」
ずいと一歩近寄ってきた能勢、身長差から見下ろされてひぃと変な声が出た。
え、怖、なんで上から圧かけられてんの?瞳孔開いてない?やめてくれよ、ヘルメットには安全第一って書いてあるんだぞ!
「…ダメじゃないです」
行きましょう、と腕をとられ半ば引きずられるように向かった先はお洒落なカフェだった。
白と青を基調にしたシンプルなカフェ、少女漫画のデートスポットになりそうなカフェ、少女漫画のヒーローがバイトしてそうなカフェ、タイトスカートみたいなエプロンは名前がわからんがかっこいい。
メニューなんてもっとわからん、ジェノベーゼってなに?町中華で餃子にビールをキメようとしてた頭じゃ全く理解できない。
「先輩、決まりました?」
「あ、ジェノベー…ゼ?」
頭に疑問符を浮かべながら頼んだジェノベーゼは鮮やかな緑のパスタだった。セットのアイスティーにはミントが浮いていて、サラダにはグレープフルーツが入っている。
同じものを頼んだ能勢も固まっているが、慣れてるんじゃないのか?脇目も振らずここまで連れてこられて「じゃ、俺も同じもので」なんてスカして言ってた癖に。
「…みどり」
ポツリと呟いた能勢の言葉、そうだよなお前野菜嫌いそうだもんな、社食でもカツ丼と親子丼と焼肉丼しか食ってないもんな。これを笑わずしてなにを笑うのか、そう思うとこみ上げてきた笑いが止まらない。
笑いながら「みどり」「緑だねぇ」「酸っぱい」「酸っぱいねぇ」と言いながら食べた。ジェノベーゼの正体はわからなかったがまぁまぁ美味しかったと思う。
恋人いない歴二十七年、素人どころか玄人も童貞であり処女である。
彼が初めて性に目覚めたのは小学校六年生の夏、プールの授業の時であった。クロールだったか、平泳ぎだったか忘れたが足がつって溺れてしまった。その時助けてくれた担任の先生、抱きかかえられた厚い胸板に胸がトゥンクした。
人生初のトゥンクだった。
それからずっと仁志は『男に抱かれたい男』になったのだ。
けれど、悲しいかな仁志はモテなかった。なぜなら彼の顔の造作はパッとしなかったからだ。『人は見た目じゃないの、中身よ』などと言う輩がいるが、それだって最初に興味を持たれなければ始まらない。
分厚いレンズにくすんだ銀フレーム、毛量の多い直毛はアレンジ?なにそれ?を体現している。学生時代のあだ名はヘルメット、メガメットと呼ばれることもあった。
いやいや、眼鏡外したら可愛いんでしょ?とか思うだろう?
「んなわけあるかーーーーっ!!」
そんなわけないのである、少女漫画のような展開にはならないのだ。誰も彼もが眼鏡外したら美人とか思うなよ、と声を大にして言いたい。いや、もう言った後だった。
ここは仁志行きつけの居酒屋である、『呑んべぇ横丁』という飲み屋街の一角にある小さな店だ。
「ひとちゃん、今日もまた荒れてんねぇ」
つるっパゲ頭にねじり鉢巻、法被を着た大将が苦笑する。今どきこんな格好があるだろうかと思うが、大将はよく似合っているのだ。そしてグダグダうだうだと呑んで酔っ払っては管をまく仁志を慰めてくれる。
「ほい、サービスだ」
狭いカウンターに置かれたひねポン、「素敵、大将…抱いて」って気持ちになるのも無理もない話なのである。ただ大将はカミさん一筋35年なので仁志が付け入る隙は微塵もない。
こうして今夜も仁志は誰に抱かれることなく、とぼとぼと誰も待つことのない真っ暗な部屋へと帰り枕を涙で濡らしながら自慰行為に耽るのだった。
そんな男に抱かれてみたいと思っている仁志であるが、当然そのパッとしない見た目から自分自身に全く自信がなかった。にも関わらず仁志の頭は少女漫画脳だった。
「遅刻、遅刻~!」なんて言いながら食パンを咥えて走る、なんていう愚行は犯さないが出会い頭の事故にはちょっと憧れていた。
「あ、すみません」
「いや、こちらこそ急いでたものだからすまない」
散らばった書類、慌てて集める手が触れて、ずり落ちた眼鏡をくいと上げると目の前には営業部のエースが…。
恋が、今、始まる──。
なんちゃって、なんちゃってーキャーこれはトゥンク待ったナシ!という脳内劇場を繰り広げるくらいには少女漫画脳だった。
故に抱かれたいと思ってはいてもマッチングアプリやゲイバー等出会いの場所に赴くことはなかった。まぁ行ったところで僕なんてね、とヘルメットには安全第一と書いてある。
現実は厳しい、粛々と業務にあたるのみである。
「矢野先輩、お昼一緒に行きましょう」
キラキラと眩しいアイドルスマイルでそう誘ってくれるのは後輩の一ノ瀬だ。我が経理部の期待の星、と仁志が勝手に思っている男である。
彼が入社当時に今日のようにお昼を一緒にしたことがあった。その時、社員食堂で同期だという二人の男たちと偶然出会い、流れで四人で飯を食った。
胡散臭い笑顔の御堂と表情筋が瀕死の能勢、研修会で意気投合して仲良くなったという彼ら、そんなことあるんだぁ。なぜなら仁志は誰とも親しくならなかったから、ただし影でヘルメットと呼ばれていたことは知っている。
それからというものなぜか四人で食うことが増えた。
一度「同期三人の方が気兼ねないだろう」と提案したことがある、先輩ヘルメットがいない方が良いと気を使ったのだ。
けれど一ノ瀬はその提案にNOを突きつけた、曰く「三より四が良い」らしい。その時に決めたのだ、数字にこだわりがあるらしい彼を自分の後任として立派に育て上げる!と。それももうすぐ終わる、彼はもう一人前とはいかなくても半人…四分の一人前くらいにはなった。
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男に抱かれたいと思うあまり仁志の思考はもはやとち狂っていた。
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どうしたものか…と考えながらB定食のチキン南蛮を注文した。
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「映画とスパ銭行こうかなって」
「誰かと一緒ですか?」
「一ノ瀬くん、僕に友人がいると思う?」
「いや、知らないっす」
「じゃあ、教えてやろう。僕に、友人は、いない」
一ノ瀬の頬がひくりと引きつったのがわかった、覚えておけヘルメットに友はいないのだ。
「えっと、映画って今話題のやつですか?」
「話題?」
「あのインド映画ですよね?」
違う、仁志が楽しみにしているのは『キラキラ星に恋して』略して『キラ恋』の方だ。だが少女漫画趣味がバレるのは恥ずかしい、それ故に仁志はうんと頷いた。
『キラキラ星に恋して』は大人気少女漫画で今回の映画はその実写版だ。
学校では品行方正優等生の星影君が、実は不良だったということをひょんなことから知ってしまう主人公花織ちゃんの恋物語だ。
──気づいたら好きになってたんだよ、花織
星影君が初めて花織ちゃんの名前を呼ぶ告白シーン、良かったすこぶる良かった。王道バンザイ!ビバ王道!いやぁこれは昼からキめちゃいますか!と仁志はうきうきでパンフレットを鞄にしまった。
「矢野先輩!」
「ん?能勢くん?」
お盆休みのシネコンは人でごった返していてその中にあっても長身の彼はよく目立つ。彼も映画を見に来ていたのか、凄い偶然だなぁ。
「…あ、あの、映画、見ましたか?」
「うん、能勢くんも?こんな偶然あるんだねぇ」
能勢の手にはインド映画のパンフレットがあった。
「面白かった?」
「…はい」
「そうか、それは良かった。じゃ、また会社で」
表情筋が瀕死の彼ではあるが、嬉しいときは口の端がほんの少しだけ持ち上がって目を細めたりする。
インド映画が余程面白かったらしい。
それにしても休日なのに先輩に声をかけるなんて、意外と律儀なところもあるもんだ。自分なら柱の影にでも隠れていたところだ、ここは早く解散してやろう、そう思ったのに何故か能勢に腕を掴まれた。
どうした?
「先輩はこの後予定ありますか?」
「飯食いに行くけど」
「…一緒してもいいですか?」
「いいけど、誰かと一緒じゃないの?あ、一ノ瀬くんとかいるの?」
「一ノ瀬が一緒じゃないとダメですか?」
ずいと一歩近寄ってきた能勢、身長差から見下ろされてひぃと変な声が出た。
え、怖、なんで上から圧かけられてんの?瞳孔開いてない?やめてくれよ、ヘルメットには安全第一って書いてあるんだぞ!
「…ダメじゃないです」
行きましょう、と腕をとられ半ば引きずられるように向かった先はお洒落なカフェだった。
白と青を基調にしたシンプルなカフェ、少女漫画のデートスポットになりそうなカフェ、少女漫画のヒーローがバイトしてそうなカフェ、タイトスカートみたいなエプロンは名前がわからんがかっこいい。
メニューなんてもっとわからん、ジェノベーゼってなに?町中華で餃子にビールをキメようとしてた頭じゃ全く理解できない。
「先輩、決まりました?」
「あ、ジェノベー…ゼ?」
頭に疑問符を浮かべながら頼んだジェノベーゼは鮮やかな緑のパスタだった。セットのアイスティーにはミントが浮いていて、サラダにはグレープフルーツが入っている。
同じものを頼んだ能勢も固まっているが、慣れてるんじゃないのか?脇目も振らずここまで連れてこられて「じゃ、俺も同じもので」なんてスカして言ってた癖に。
「…みどり」
ポツリと呟いた能勢の言葉、そうだよなお前野菜嫌いそうだもんな、社食でもカツ丼と親子丼と焼肉丼しか食ってないもんな。これを笑わずしてなにを笑うのか、そう思うとこみ上げてきた笑いが止まらない。
笑いながら「みどり」「緑だねぇ」「酸っぱい」「酸っぱいねぇ」と言いながら食べた。ジェノベーゼの正体はわからなかったがまぁまぁ美味しかったと思う。
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