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忘れてね
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まん丸の満月のような行灯に照らされて大和が規則正しい寝息を立てている。
額におりた前髪が幼く見えて、薄ら開いた唇にまた自身の昂りを卯花は感じた。
情けない、全く情けないと卯花は頭を抱えて大きく嘆息する。
覚えたての猿じゃあるまいしあんな風に求めてしまうなんて。
『恋人繋ぎをしてみたい』という可愛らしい願い事が頭に浮かぶ。
きっと初めても夢見るシチュエーションがあったに違いない。
衝動のままに突き動かされ、貪った口内は甘く舌は熱く漏れる吐息に情欲を掻き立てられた。
まさぐった尻は柔いだけでなく弾むような張りがあり、矢も盾もたまらず布団に押し倒した。
はだけさせた浴衣の白くむっちりとした胸、触れるとこちらも張りがあり指を沈めると押し返してきた。
そこに乗るツンと尖った小さな豆粒に我を失った気がする。
舌を這わせながら浴衣の合わせを割開き、太ももを撫でた。
しっとりと肌触りが良く、これは温泉効果だけではないだろう。
臍の横にぽちりと黒子があってそんなことにも煽られた。
柔らかい下生えと震えるように緩く勃ちあがったそれは艶めかしく、卯花はゴクリと唾を飲んだ。
大和の手が卯花の頭を押しやろうとするが、やわやわと頭皮を揉まれているようで気持ちがいい。
「松下君、可愛いね」
「そんなとこ、可愛いわけないですっ!」
「可愛いよ、全部」
ぷくりと浮いてきた蜜を舐めると舌が痺れるような感覚に、自分の下半身がますます昂っていく。
弾力のある隙間に指を差し込むとしっとりと湿っていた。
ひいっと悲鳴ともつかない声が聞こえたが、構わず窄まりを撫でるように押すとじわりと濡れてきた。
ローション等もちろん持参していない、卯花は思案する間もなくそこに舌を這わせた。
途端、ガシッと大和の両足が閉じられ卯花の頭を挟み込んだ。
とても力が強い。
「卯花さんっ!恥ずかしいですっ!」
なにが?と卯花は思った、ついでに頭を挟まれて身動きが取れないが故に目の前から溢れてくる濃い性の匂いにクラクラした。
なので舌を伸ばして舐めあげた、あぁっと甘い声があがって力が緩む。
すかさず舌を捩じ込んで、ぐちぐちと舌を出し入れしながら勃ちあがった大和自身を撫でて扱いた。
零れてくる蜜を塗り込めながら、外から中から刺激するとあっという間に大和は達してしまった。
後孔は溢れてこそこないが中は充分泥濘んでいて、試しに指を一本挿れると纏わりついてくる。
んっんっ、とくぐもった声に大和を見ると必死に声を堪えていて初心な反応に目いっぱい煽られた。
口を塞ぐ手を外して深く口付ける、ちゅくちゅくとわざと音をたてるようにするときゅうと指を締め付けてきた。
「うのはなさん・・・」
「はぁ、可愛い」
鼻にかかった甘えた声、蕩けた瞳、紅潮している頬、むせ返るような濃いラベンダーの香り。
「ぼくも、なにか・・・」
「ん?」
「ならったから・・・あぁっ」
カッと頭に血が上って指を増やして前立腺に当たりをつけて擦ると背中を反らせて嬌声があがった。
そのまま執拗にそこを押し、撫でて捏ねて指を開いて解していく。
「そういうのは俺が全部教えるからね。学校で教わったことは忘れようね?」
「でも・・・」
「忘れようね?」
じんじんと熱くなりすぎた昂りを押し付けて、なにか言いたげに開いた口を塞いだ。
「なにやってんだ、俺は」
チラと見るとなにか食べている夢でも見ているのか、口元がもむもむと動いていた。
誘われるように唇に触れるとペロと舐められぱくりと人差し指を咥えられた。
もごもごと舐めしゃぶられてガリと噛まれて慌てて指を引っ込めた。
まだ口はもむもむと動いて表情は心做しか笑んでいるようにも見える。
全然モテなかったと聞いていたが、嘘だろ?と思う。
可愛いすぎるだろ、噛まれた指を舐めると唾液が甘い。
「寝よう、寝れば治まる」
二組敷かれた布団、ひとつはシーツがよれてぐしゃぐしゃだった。
卯花は大和の眠る布団に静かに体を滑り込ませ、腕枕をして力を入れずに抱きしめる。
ラベンダーの匂いがこれでもかと鼻を刺激し、全く眠れそうにない。
一般的にラベンダーにはリラックス効果や安眠効果があると聞くが自分にとっては全くの逆効果だ。
あぁそうか、と腑に落ちた。
きっと他のアルファ達はこの匂いに安らぎを感じたのだ。
本能を落ち着かせる匂い、良くも悪くもアルファは剥き出しの本能でオメガを求める。
これまでよく無事だったな、と思っていたがその理由はきっとそれだ。
この匂いに情欲を感じる自分はきっと大和のオメガ性に選ばれたのだ。
過ぎた薬が毒になるように濃縮された針のようなフェロモンが自分のアルファの本能を刺したのだ。
大和の閉じた瞼を縁取る睫毛が震え、眉間に皺がよる。
結局、卯花は眠る大和を一晩中見つめていた。
寝返りをうってすりすりと頬を寄せられた時は、誰にも見られていないのをいいことに思う存分ニヤニヤした。
目が開きそうだな、と大和の動きを見て卯花は目を閉じた。
さすがに起き抜けに目が合ってしまっては、一晩中眺めていたことがばれるかもしれない。
「・・・え、えー?腕枕だ。すごい」
夢みたいと呟く声と共にまた腕に重みを感じた、と思ったらすぐに軽くなった。
なにをしてるんだろう、気になるが目を開けるのは憚られる。
すっと胸元に冷気があたる、筋肉だぁと感嘆の声が聞こえて内心ガッツポーズした。
マッスルバーの一件を聞いてからジムに通った甲斐があった。
筋肉が無いわけではなかったが、あからさまに割れた腹筋を作ったのだ。
肩口に温もりを感じて頬がくすぐったい、腕に乗る重さが愛おしい。
「いいのかなぁ、僕で」
「松下君こそ」
たまらず声をかけると、起きてたの!?と驚いた顔がまた可愛いくてそのままぎゅうと抱きしめた。
昨夜は無理をさせた自覚がある、謝るべきか否か悩んだ末謝らなかった。
自己評価が何故か低いこの子に謝罪するとまた明後日のことを考えそうだと、卯花は思った。
「いいの?」
んー、と大和は考えてこしょこしょと卯花の耳に囁いてちゅっと耳朶を吸い上げた。
※やまちが先輩に振り向いてもらえなかった理由がやっと回収できました→やまちは自分がオメガらしくないからと思ってますが「大和の傍は落ち着くよ」の先輩の言葉が正解でした。
額におりた前髪が幼く見えて、薄ら開いた唇にまた自身の昂りを卯花は感じた。
情けない、全く情けないと卯花は頭を抱えて大きく嘆息する。
覚えたての猿じゃあるまいしあんな風に求めてしまうなんて。
『恋人繋ぎをしてみたい』という可愛らしい願い事が頭に浮かぶ。
きっと初めても夢見るシチュエーションがあったに違いない。
衝動のままに突き動かされ、貪った口内は甘く舌は熱く漏れる吐息に情欲を掻き立てられた。
まさぐった尻は柔いだけでなく弾むような張りがあり、矢も盾もたまらず布団に押し倒した。
はだけさせた浴衣の白くむっちりとした胸、触れるとこちらも張りがあり指を沈めると押し返してきた。
そこに乗るツンと尖った小さな豆粒に我を失った気がする。
舌を這わせながら浴衣の合わせを割開き、太ももを撫でた。
しっとりと肌触りが良く、これは温泉効果だけではないだろう。
臍の横にぽちりと黒子があってそんなことにも煽られた。
柔らかい下生えと震えるように緩く勃ちあがったそれは艶めかしく、卯花はゴクリと唾を飲んだ。
大和の手が卯花の頭を押しやろうとするが、やわやわと頭皮を揉まれているようで気持ちがいい。
「松下君、可愛いね」
「そんなとこ、可愛いわけないですっ!」
「可愛いよ、全部」
ぷくりと浮いてきた蜜を舐めると舌が痺れるような感覚に、自分の下半身がますます昂っていく。
弾力のある隙間に指を差し込むとしっとりと湿っていた。
ひいっと悲鳴ともつかない声が聞こえたが、構わず窄まりを撫でるように押すとじわりと濡れてきた。
ローション等もちろん持参していない、卯花は思案する間もなくそこに舌を這わせた。
途端、ガシッと大和の両足が閉じられ卯花の頭を挟み込んだ。
とても力が強い。
「卯花さんっ!恥ずかしいですっ!」
なにが?と卯花は思った、ついでに頭を挟まれて身動きが取れないが故に目の前から溢れてくる濃い性の匂いにクラクラした。
なので舌を伸ばして舐めあげた、あぁっと甘い声があがって力が緩む。
すかさず舌を捩じ込んで、ぐちぐちと舌を出し入れしながら勃ちあがった大和自身を撫でて扱いた。
零れてくる蜜を塗り込めながら、外から中から刺激するとあっという間に大和は達してしまった。
後孔は溢れてこそこないが中は充分泥濘んでいて、試しに指を一本挿れると纏わりついてくる。
んっんっ、とくぐもった声に大和を見ると必死に声を堪えていて初心な反応に目いっぱい煽られた。
口を塞ぐ手を外して深く口付ける、ちゅくちゅくとわざと音をたてるようにするときゅうと指を締め付けてきた。
「うのはなさん・・・」
「はぁ、可愛い」
鼻にかかった甘えた声、蕩けた瞳、紅潮している頬、むせ返るような濃いラベンダーの香り。
「ぼくも、なにか・・・」
「ん?」
「ならったから・・・あぁっ」
カッと頭に血が上って指を増やして前立腺に当たりをつけて擦ると背中を反らせて嬌声があがった。
そのまま執拗にそこを押し、撫でて捏ねて指を開いて解していく。
「そういうのは俺が全部教えるからね。学校で教わったことは忘れようね?」
「でも・・・」
「忘れようね?」
じんじんと熱くなりすぎた昂りを押し付けて、なにか言いたげに開いた口を塞いだ。
「なにやってんだ、俺は」
チラと見るとなにか食べている夢でも見ているのか、口元がもむもむと動いていた。
誘われるように唇に触れるとペロと舐められぱくりと人差し指を咥えられた。
もごもごと舐めしゃぶられてガリと噛まれて慌てて指を引っ込めた。
まだ口はもむもむと動いて表情は心做しか笑んでいるようにも見える。
全然モテなかったと聞いていたが、嘘だろ?と思う。
可愛いすぎるだろ、噛まれた指を舐めると唾液が甘い。
「寝よう、寝れば治まる」
二組敷かれた布団、ひとつはシーツがよれてぐしゃぐしゃだった。
卯花は大和の眠る布団に静かに体を滑り込ませ、腕枕をして力を入れずに抱きしめる。
ラベンダーの匂いがこれでもかと鼻を刺激し、全く眠れそうにない。
一般的にラベンダーにはリラックス効果や安眠効果があると聞くが自分にとっては全くの逆効果だ。
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きっと他のアルファ達はこの匂いに安らぎを感じたのだ。
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これまでよく無事だったな、と思っていたがその理由はきっとそれだ。
この匂いに情欲を感じる自分はきっと大和のオメガ性に選ばれたのだ。
過ぎた薬が毒になるように濃縮された針のようなフェロモンが自分のアルファの本能を刺したのだ。
大和の閉じた瞼を縁取る睫毛が震え、眉間に皺がよる。
結局、卯花は眠る大和を一晩中見つめていた。
寝返りをうってすりすりと頬を寄せられた時は、誰にも見られていないのをいいことに思う存分ニヤニヤした。
目が開きそうだな、と大和の動きを見て卯花は目を閉じた。
さすがに起き抜けに目が合ってしまっては、一晩中眺めていたことがばれるかもしれない。
「・・・え、えー?腕枕だ。すごい」
夢みたいと呟く声と共にまた腕に重みを感じた、と思ったらすぐに軽くなった。
なにをしてるんだろう、気になるが目を開けるのは憚られる。
すっと胸元に冷気があたる、筋肉だぁと感嘆の声が聞こえて内心ガッツポーズした。
マッスルバーの一件を聞いてからジムに通った甲斐があった。
筋肉が無いわけではなかったが、あからさまに割れた腹筋を作ったのだ。
肩口に温もりを感じて頬がくすぐったい、腕に乗る重さが愛おしい。
「いいのかなぁ、僕で」
「松下君こそ」
たまらず声をかけると、起きてたの!?と驚いた顔がまた可愛いくてそのままぎゅうと抱きしめた。
昨夜は無理をさせた自覚がある、謝るべきか否か悩んだ末謝らなかった。
自己評価が何故か低いこの子に謝罪するとまた明後日のことを考えそうだと、卯花は思った。
「いいの?」
んー、と大和は考えてこしょこしょと卯花の耳に囁いてちゅっと耳朶を吸い上げた。
※やまちが先輩に振り向いてもらえなかった理由がやっと回収できました→やまちは自分がオメガらしくないからと思ってますが「大和の傍は落ち着くよ」の先輩の言葉が正解でした。
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