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15話
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日曜日になり、私は深く黒のベースボールキャップを被って、奈緒が先輩と待ち合わせ場所にしている噴水のある公園へと向かう――。
奈緒は約束の時間より早く到着していた。
私は遠くから見つめ、奈緒の服装をチェックする。
白のブラウスに黒のロングスカート、そしてレースアップサンダルとシンプルの服装なのに、スラッとした奈緒に似合っていて、凄く大人っぽく感じる。
ユラユラと落ち着かない様子でいる可愛らしい奈緒を見ると、何だか気持ちが高鳴りメールをしたくなってしまった。
でも我慢、我慢……。
奈緒の服装は覚えた。
人目の多いところでは大丈夫だろうけど、少ないところに入ったら要チェックね。
――もし何かあっても、私一人で対応出来るかな。
優介はバイトだって言っていたし、噂が本当かどうか分からない事に付き合わせるのは申し訳ないと思って言わなかったけど、少し不安だ。
――待ち合わせ時間から遅れること30分。
ようやく先輩が現れる。
奈緒はそれでも笑顔で、先輩を迎えていた。
そんな奈緒の表情をみると、何だか切なくなってしまう。
どうか何もありませんように!
※※※
数時間が経過するも、今のところ何もない。
服屋に入ったり、雑貨屋に入ったりと、普通のデートだ。
いまはファミレスで食事を楽しんでいる。
私は人目の多いところはなるべく外で待ち、様子を見ていた。
――二人が楽しそうにファミレスから出てくる。
この調子だったら大丈夫そうだけど、次はどこに行くのかな?
私は距離をとり、追いかけた――。
30分ほど歩き、最初の噴水のある公園に戻る。
帰るのかな? 何もなくて良かった。
私が安心していると、噴水の前で立ち止まっていた二人が動き出す。
まだ散歩でもするのかな?
こっそりと二人の後を付いていく。
――何だか怪しい雰囲気になってきた。
二人が向かっている先は、遊具もベンチもない人気のない場所。
あるのは古びた汚いトイレがあるぐらい。
トイレだったら、新しいトイレが噴水の近くにある。
綺麗だから誰しもそちらを使う。
なのに何で二人はそっちに向かっているの?
奈緒はそれが分かっているのかしら?
――数分して古びたトイレの前で二人が立ち止まる。
周りには予想した通り誰も居ない。
二人は向き合って話し始めた――。
少しして、奈緒の表情が曇り始め強張っていく。
その瞬間、先輩は奈緒の右手首を掴んだ。
「ちょっと、やめてよ!」
奈緒の叫びが響き渡る。
証拠を……いや、そんなことしている暇はない!
私は慌てて奈緒に駆け寄る。
「離して!!」
と、奈緒が竜司の手を振り解こうと暴れるが、解けない。
「奈緒!」
奈緒が驚いた表情で私の方に振り向き「美穂!」
私はズボンからスマホを取り出す。
「奈緒を離しなさいよ! じゃないと録画したスマホを持って警察に行くからね!」
本当は録画していない。
だけどこいつはそれを知らない。
はったりにはなるはず。
私が竜司に向かってスマホを構えていると、後ろから誰かの手が伸びて来て、スマホをむしり取る。
「大丈夫。見ていたけど、こいつ録画なんてしてないよ」
すぐさま後ろを振り返ると、そこに立っていたのはあの時、竜司と一緒にいた友達らしき男だった。
最悪だ、仲間が居たの……男二人に相手にどうすればいいのよ?
奈緒は約束の時間より早く到着していた。
私は遠くから見つめ、奈緒の服装をチェックする。
白のブラウスに黒のロングスカート、そしてレースアップサンダルとシンプルの服装なのに、スラッとした奈緒に似合っていて、凄く大人っぽく感じる。
ユラユラと落ち着かない様子でいる可愛らしい奈緒を見ると、何だか気持ちが高鳴りメールをしたくなってしまった。
でも我慢、我慢……。
奈緒の服装は覚えた。
人目の多いところでは大丈夫だろうけど、少ないところに入ったら要チェックね。
――もし何かあっても、私一人で対応出来るかな。
優介はバイトだって言っていたし、噂が本当かどうか分からない事に付き合わせるのは申し訳ないと思って言わなかったけど、少し不安だ。
――待ち合わせ時間から遅れること30分。
ようやく先輩が現れる。
奈緒はそれでも笑顔で、先輩を迎えていた。
そんな奈緒の表情をみると、何だか切なくなってしまう。
どうか何もありませんように!
※※※
数時間が経過するも、今のところ何もない。
服屋に入ったり、雑貨屋に入ったりと、普通のデートだ。
いまはファミレスで食事を楽しんでいる。
私は人目の多いところはなるべく外で待ち、様子を見ていた。
――二人が楽しそうにファミレスから出てくる。
この調子だったら大丈夫そうだけど、次はどこに行くのかな?
私は距離をとり、追いかけた――。
30分ほど歩き、最初の噴水のある公園に戻る。
帰るのかな? 何もなくて良かった。
私が安心していると、噴水の前で立ち止まっていた二人が動き出す。
まだ散歩でもするのかな?
こっそりと二人の後を付いていく。
――何だか怪しい雰囲気になってきた。
二人が向かっている先は、遊具もベンチもない人気のない場所。
あるのは古びた汚いトイレがあるぐらい。
トイレだったら、新しいトイレが噴水の近くにある。
綺麗だから誰しもそちらを使う。
なのに何で二人はそっちに向かっているの?
奈緒はそれが分かっているのかしら?
――数分して古びたトイレの前で二人が立ち止まる。
周りには予想した通り誰も居ない。
二人は向き合って話し始めた――。
少しして、奈緒の表情が曇り始め強張っていく。
その瞬間、先輩は奈緒の右手首を掴んだ。
「ちょっと、やめてよ!」
奈緒の叫びが響き渡る。
証拠を……いや、そんなことしている暇はない!
私は慌てて奈緒に駆け寄る。
「離して!!」
と、奈緒が竜司の手を振り解こうと暴れるが、解けない。
「奈緒!」
奈緒が驚いた表情で私の方に振り向き「美穂!」
私はズボンからスマホを取り出す。
「奈緒を離しなさいよ! じゃないと録画したスマホを持って警察に行くからね!」
本当は録画していない。
だけどこいつはそれを知らない。
はったりにはなるはず。
私が竜司に向かってスマホを構えていると、後ろから誰かの手が伸びて来て、スマホをむしり取る。
「大丈夫。見ていたけど、こいつ録画なんてしてないよ」
すぐさま後ろを振り返ると、そこに立っていたのはあの時、竜司と一緒にいた友達らしき男だった。
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