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会社の為に働いたが「働きもしないあなたを解任する」と言われ追放された。他会社に肩入れしたら一流企業になる。今更帰って来いと言われても遅い ①
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「あなたを顧問から解任する」
オヤスグループの現会長であるモランに唐突にそう言い渡された。
モランの後ろには見たことも無い細身の男性が立っており、俺を冷ややかな目で見ていた
オヤスグループは元々、モランの父であるオヤスの小さな喫茶店から始まり、俺が新しい商品のアイディアを出したことから急成長し今のオヤスグループに繋がる。
たった一軒の小さな喫茶店から急激に店舗を増やし、新しい商品の独自開発し商品の大量生産の為に食品加工の為の工場を設立、その商品を卸すためにスーパーを経営。
今やハルツール国内に喫茶店が400店舗以上、スーパーがもうすぐ100店舗を越えようとしている
そして前会長のオヤスが、工場や店舗の土地取得に難儀した経験から不動産業に参入。その決定が大成功を果たし、オヤスグループはハルツールの超一流企業へとのし上がった。
そして飛ぶ鳥を落とす勢いのオヤスグループはその後、不動産業のつてで建設業にも参入、スーパーの経営から独自の配送システムを構築しそれを元に運送業に進出、国内の配送の16%を占めるようになる。
他にも食品工場などで使用している、工業用魔道具の制作企業を買収し傘下に加え、さらなる成長を目指す。
今では軍への食料供給に手を出そうとしているらしいが、これは苦戦しているようだった
「ちょ、ちょっと待ってよ! 呼び出されていきなり解任なんて!」
あまりにも突然で一方的な発言に驚きうろたえてしまう
「‥‥これはもう決定された事です、私から言える事はもうありません」
モランはそう言うとそのまま窓の外へと視線を移した
「理由を、理由を聞かせてよ! 俺のどこに落ち度があったんていうんだよ、これまでもこの会社の為に頑張ってきたじゃないか!」
尚も食い下がる俺に、モランの後ろにいた男が前に立ちふさがった
「オホン、この後は私が説明しましょう」
口に手を当て咳ばらいをした細身の男、何となくメガネが似合いそうで語尾に『ざます』とか言いそうな顔をしていた
「アンタは誰? オヤスの親族か?」
こんな男は見たことが無い、5年前にもいなかったと思う
「私はこのオヤスグループで経営の『顧問』をしているメガロ・ザーマスと申します」
おっと! ニアミスだ。それは兎も角
「オヤスグループの発展の為にウエタケ・ハヤト元顧問のお力があった事は、モラン会長、全社員もちろん私も知っております。貴方様のお力が無ければオヤスグループはここまでの規模にはなっていなかったでしょう」
「その通りだよ」
「ですが‥‥会社もここまで大きくなり、商品開発部も立ち上げたおかげで続々と新商品が開発されています。そのおかげで新商品にはもう困っていません」
「ちょっと待って、新商品の開発って言ってもさ、俺にしか開発出来ない商品とかもあったでしょ? チョコレートとか、ういろうとかさ! そんな商品がもうこの世に出なくなってもいいの? 俺しか知らないんだよ!?」
「確かに、『元』顧問のお力はとても素晴らしいものでした‥‥当時は」
メガロ・ザーマスは『元』を強調して話す
「ですが、年々そのご自慢の新商品のお話が少なくなっているのはどうしてでしょうか? もしかしたらもうその知識が無くなっているのではないのでしょうか? それに開発していたのは元会長であって、『元』顧問は開発に参加されておられませんよね? 全て元会長に丸投げだったと聞いておりますが?」
「うっ‥‥!」
非常に痛い所を突かれた。
確かにネタ切れで出し惜しみしていたところはある。元々日本では料理などしたこと無い為、当然その知識も無い。
一度見た物を明確に思い出せ、同時に副作用として黒歴史まで思い出してしまう『回想』魔法があれば、商品の包装の裏に記載されている原材料名を見れば何が入っているかは分かる。
しかし、『砂糖・塩・小麦・卵』などは分かるが、『調味料(アミノ酸等)・pH調整剤』とかってなんやねん! 分かる訳ないだろ! あと、ただ単に似たような材料が無いとかで作れなかった。
開発だって俺が料理など出来ないからオヤスに任せるしかなかった
「その様子だと心当たりがあるようですね、でしたらもうよろしいでしょうか?」
「ぐぬぬ‥‥」
心当たりどころか直撃過ぎて何も言えなかった。
もう10分ほど待って! なにか言い訳を考えるから!
「今や世間も一目置く竜騎士様でいらっしゃいますから、そちらの方が忙しくなるでしょう、一刻も早くハルツールに平穏が訪れますよう私も女神に祈っております。それと、もし新商品のアイディアをお持ちでしたら、その都度こちらでそのアイディアを買いますのでいつでもお持ちください。それでは‥‥いままで弊社の為に尽力していただきありがとうございました」
こうして俺はオヤスグループの顧問を解任させられた
◆◇
「━━てなってさーホント腹立つよ! 何なのあのメガネザル」
俺はとある社長室の一室で不満をぶちまけていた
「メガネザル? メガロ・ザーマス顧問の事でしょうか?」
ぶちまけた相手はオヤスの娘婿であり、オヤスグループの不動産事業の社長を務めるコダイブである
ゴダイブは元々は家庭用魔道具量販店の販売員だった。それが急にオヤスに呼ばれ会社を手伝ってくれと言われ、二つ返事で了解した。
オヤスの娘との結婚の際、オヤスはとてもよくしてくれたので、その恩を返す為にもオヤスの会社で頑張ろうと決意をする。
当時のオヤスグループ、(オヤス食品加工)は飛ぶ鳥を落とす勢いでの成長をしており、ゴダイブもそこで働けることに興奮していた。
前職が販売員であり、次に働くのは食品加工の工場だと思っていた彼は、畑違いではあるが懸命に頑張ろうと思っていた
だが、予想もしていない事態となる。
工場勤務だと思っていたが、実際には前の本社であるオヤス食品の一室に机と椅子だけがあり、そこで━━
「不動産業を始めることになったから、ゴダイブはその担当をしてもらいたい」
とオヤスに言われてしまう。畑違いどころか、来てみたら畑どころか田んぼでした。しかも田植えから稲刈りまで一人でやれと言われているようなものだった。
オヤスが部屋から出た後、途方に暮れる彼だったが、気を引き締め慣れない仕事に意欲をだす。
土地の転売からアパート経営、オヤスに言われれば必要な土地の確保と毎日ハルツール国内を走り回り、時には妻にも手を借り、少しずつオヤス不動産部は成果を上げて来た。
そして遂にはオヤス食品の不動産部から脱し、オヤス不動産に昇格。そのオヤス不動産の本社はこのオヤスグループのビルの4階に位置し、そこに社長室もある。
グループ内で最も険しい道のりを克服し、最も利益の出る会社にまで成長させた社長のゴダイブは真の努力家で成功者だろう
ほぼ親族で固めたオヤスグループ経営陣の中で唯一、それ以外の人間であり、悪く言えば部外者でありながらこの地位を気付いた彼を俺は気に入っていた。
だから会長室から出た俺は真っ先に4階まで降りて来て愚痴を聞いてもらっていた
「私もそうですが他の社長たちも全員止めたんですが‥‥今の会長は顧問の話にしか耳を貸さなくなってしまって‥‥本当に申し訳ありませんでしたハヤト顧問」
「終いには『竜騎士のサインお願いします』って言ってきたんだよあのザマス」
「‥‥そんな事を要求して来たんですか? 結構神経が太いんですねあの人」
「まぁ、サイン位してやったけど」
「したんですか!?」
「してくれって言われたら断りにくくて‥‥」
「そこまで言われてしなくても良かったのに」
ちなみにサインは日本語で『クソくらえ!』と書いておいた。どうせ俺が部屋から出たら『ふん!』とか言ってゴミ箱に捨てるんだろ? 知ってるよ!
「前会長がいたらこんな事にはならなかったんですが」
そう‥‥
オヤスはもういない
今は逮捕されて檻の中にいる
そもそも長男のモランが会長になったのもオヤスの逮捕が原因だった。
俺がオヤスグループの本社に呼び出された時、久々にオヤスの顔を見られると思ったら、会長室に居たのはモランでその時に逮捕の経緯をしった
それは3年前、オヤスは俺の預金口座に振り込んだことにして、そのお金を自分の口座に振り込んでいた。3年前といったら、俺が死んだことになった翌年である、要は脱税目的。
それと俺の口座に振り込むはずのお金を自分の口座に振り込んだため、横領と詐欺も付く、最初聞いた時は特には驚きもしなかった。
「ああ‥‥ついにやったか」
という気持ちだった。何となくやりそうな感は当初からあったので、来るべき日が来たという感想だけだった。
しかし俺も最近体験したように、『脱税は罪が重い』となっている。オヤスは罪を否定せず受け入れた結果、懲役10年が言い渡された。
つまり後7年くらいは出てこれない
「それにしても、オヤスは前々から会長職をモランに渡したいって言ってたけど、こんな形で変わるとは思って無かったよ」
「そんな事を前会長は言ってられたんですか?」
「うん、今まで自分は会社を大きくするのに力を入れて来たけど、ふとあの小さな喫茶店で店長をしていた時が懐かしく感じるとか言ってたね」
オヤスの気持ちは分かる。最強まで鍛えたキャラクターで無双するよりも、新しいキャラでまた最初から始めたいという事だろう、ほんとによく分かる。
ちなみにゲームの話
「そうですか、ちゃんと引継ぎさえ出来ていればこうまではならなかったのに」
「所でさ、あのメガネザルっていつからいたの? 俺がいた時はいなかったよね」
「それは前社長が逮捕されてからですね、経営の全てを担うほど才能があった前会長ですが、それ故に居なくなったあとを引き継いだモラン会長の心労は大変な物だったと思います。
なにせ、成り上がりの会社ですから、他の会社からは良く思われてない部分もあり、更に前会長の脱税という事で消費者からのイメージも悪くなってしまいましたから‥‥現状維持も難しい状態でした。
それをモラン会長は一人で抱え込んでしまっている所に、あの顧問の人が現れたんです。
それからは顧問との二人三脚で何とか持ちこたえたものですから、会長はあの顧問の人の話しか聞かなくなってしまいまして」
正直モランも大変な苦労をしてきたみたいだったと感じた
でも、顧問の解任の話は別な! いつか目に物を見せてやる
その後ゴダイブから今だから言える事ですがと前置きされ、俺専用のチョコレートや食品を作る為に、小さな俺専用のラインを工場の隅にモラン自身が作りそして、従業員にこれ以上負担は掛けられないと社長であるにも関わらず、自ら時計の針が日をまたいでも翌日まで残業をして作っていたという
それを聞いて目に物を見せるのは止めた、今までゴメンねモラン
でも解任の話は別な!
オヤスグループの現会長であるモランに唐突にそう言い渡された。
モランの後ろには見たことも無い細身の男性が立っており、俺を冷ややかな目で見ていた
オヤスグループは元々、モランの父であるオヤスの小さな喫茶店から始まり、俺が新しい商品のアイディアを出したことから急成長し今のオヤスグループに繋がる。
たった一軒の小さな喫茶店から急激に店舗を増やし、新しい商品の独自開発し商品の大量生産の為に食品加工の為の工場を設立、その商品を卸すためにスーパーを経営。
今やハルツール国内に喫茶店が400店舗以上、スーパーがもうすぐ100店舗を越えようとしている
そして前会長のオヤスが、工場や店舗の土地取得に難儀した経験から不動産業に参入。その決定が大成功を果たし、オヤスグループはハルツールの超一流企業へとのし上がった。
そして飛ぶ鳥を落とす勢いのオヤスグループはその後、不動産業のつてで建設業にも参入、スーパーの経営から独自の配送システムを構築しそれを元に運送業に進出、国内の配送の16%を占めるようになる。
他にも食品工場などで使用している、工業用魔道具の制作企業を買収し傘下に加え、さらなる成長を目指す。
今では軍への食料供給に手を出そうとしているらしいが、これは苦戦しているようだった
「ちょ、ちょっと待ってよ! 呼び出されていきなり解任なんて!」
あまりにも突然で一方的な発言に驚きうろたえてしまう
「‥‥これはもう決定された事です、私から言える事はもうありません」
モランはそう言うとそのまま窓の外へと視線を移した
「理由を、理由を聞かせてよ! 俺のどこに落ち度があったんていうんだよ、これまでもこの会社の為に頑張ってきたじゃないか!」
尚も食い下がる俺に、モランの後ろにいた男が前に立ちふさがった
「オホン、この後は私が説明しましょう」
口に手を当て咳ばらいをした細身の男、何となくメガネが似合いそうで語尾に『ざます』とか言いそうな顔をしていた
「アンタは誰? オヤスの親族か?」
こんな男は見たことが無い、5年前にもいなかったと思う
「私はこのオヤスグループで経営の『顧問』をしているメガロ・ザーマスと申します」
おっと! ニアミスだ。それは兎も角
「オヤスグループの発展の為にウエタケ・ハヤト元顧問のお力があった事は、モラン会長、全社員もちろん私も知っております。貴方様のお力が無ければオヤスグループはここまでの規模にはなっていなかったでしょう」
「その通りだよ」
「ですが‥‥会社もここまで大きくなり、商品開発部も立ち上げたおかげで続々と新商品が開発されています。そのおかげで新商品にはもう困っていません」
「ちょっと待って、新商品の開発って言ってもさ、俺にしか開発出来ない商品とかもあったでしょ? チョコレートとか、ういろうとかさ! そんな商品がもうこの世に出なくなってもいいの? 俺しか知らないんだよ!?」
「確かに、『元』顧問のお力はとても素晴らしいものでした‥‥当時は」
メガロ・ザーマスは『元』を強調して話す
「ですが、年々そのご自慢の新商品のお話が少なくなっているのはどうしてでしょうか? もしかしたらもうその知識が無くなっているのではないのでしょうか? それに開発していたのは元会長であって、『元』顧問は開発に参加されておられませんよね? 全て元会長に丸投げだったと聞いておりますが?」
「うっ‥‥!」
非常に痛い所を突かれた。
確かにネタ切れで出し惜しみしていたところはある。元々日本では料理などしたこと無い為、当然その知識も無い。
一度見た物を明確に思い出せ、同時に副作用として黒歴史まで思い出してしまう『回想』魔法があれば、商品の包装の裏に記載されている原材料名を見れば何が入っているかは分かる。
しかし、『砂糖・塩・小麦・卵』などは分かるが、『調味料(アミノ酸等)・pH調整剤』とかってなんやねん! 分かる訳ないだろ! あと、ただ単に似たような材料が無いとかで作れなかった。
開発だって俺が料理など出来ないからオヤスに任せるしかなかった
「その様子だと心当たりがあるようですね、でしたらもうよろしいでしょうか?」
「ぐぬぬ‥‥」
心当たりどころか直撃過ぎて何も言えなかった。
もう10分ほど待って! なにか言い訳を考えるから!
「今や世間も一目置く竜騎士様でいらっしゃいますから、そちらの方が忙しくなるでしょう、一刻も早くハルツールに平穏が訪れますよう私も女神に祈っております。それと、もし新商品のアイディアをお持ちでしたら、その都度こちらでそのアイディアを買いますのでいつでもお持ちください。それでは‥‥いままで弊社の為に尽力していただきありがとうございました」
こうして俺はオヤスグループの顧問を解任させられた
◆◇
「━━てなってさーホント腹立つよ! 何なのあのメガネザル」
俺はとある社長室の一室で不満をぶちまけていた
「メガネザル? メガロ・ザーマス顧問の事でしょうか?」
ぶちまけた相手はオヤスの娘婿であり、オヤスグループの不動産事業の社長を務めるコダイブである
ゴダイブは元々は家庭用魔道具量販店の販売員だった。それが急にオヤスに呼ばれ会社を手伝ってくれと言われ、二つ返事で了解した。
オヤスの娘との結婚の際、オヤスはとてもよくしてくれたので、その恩を返す為にもオヤスの会社で頑張ろうと決意をする。
当時のオヤスグループ、(オヤス食品加工)は飛ぶ鳥を落とす勢いでの成長をしており、ゴダイブもそこで働けることに興奮していた。
前職が販売員であり、次に働くのは食品加工の工場だと思っていた彼は、畑違いではあるが懸命に頑張ろうと思っていた
だが、予想もしていない事態となる。
工場勤務だと思っていたが、実際には前の本社であるオヤス食品の一室に机と椅子だけがあり、そこで━━
「不動産業を始めることになったから、ゴダイブはその担当をしてもらいたい」
とオヤスに言われてしまう。畑違いどころか、来てみたら畑どころか田んぼでした。しかも田植えから稲刈りまで一人でやれと言われているようなものだった。
オヤスが部屋から出た後、途方に暮れる彼だったが、気を引き締め慣れない仕事に意欲をだす。
土地の転売からアパート経営、オヤスに言われれば必要な土地の確保と毎日ハルツール国内を走り回り、時には妻にも手を借り、少しずつオヤス不動産部は成果を上げて来た。
そして遂にはオヤス食品の不動産部から脱し、オヤス不動産に昇格。そのオヤス不動産の本社はこのオヤスグループのビルの4階に位置し、そこに社長室もある。
グループ内で最も険しい道のりを克服し、最も利益の出る会社にまで成長させた社長のゴダイブは真の努力家で成功者だろう
ほぼ親族で固めたオヤスグループ経営陣の中で唯一、それ以外の人間であり、悪く言えば部外者でありながらこの地位を気付いた彼を俺は気に入っていた。
だから会長室から出た俺は真っ先に4階まで降りて来て愚痴を聞いてもらっていた
「私もそうですが他の社長たちも全員止めたんですが‥‥今の会長は顧問の話にしか耳を貸さなくなってしまって‥‥本当に申し訳ありませんでしたハヤト顧問」
「終いには『竜騎士のサインお願いします』って言ってきたんだよあのザマス」
「‥‥そんな事を要求して来たんですか? 結構神経が太いんですねあの人」
「まぁ、サイン位してやったけど」
「したんですか!?」
「してくれって言われたら断りにくくて‥‥」
「そこまで言われてしなくても良かったのに」
ちなみにサインは日本語で『クソくらえ!』と書いておいた。どうせ俺が部屋から出たら『ふん!』とか言ってゴミ箱に捨てるんだろ? 知ってるよ!
「前会長がいたらこんな事にはならなかったんですが」
そう‥‥
オヤスはもういない
今は逮捕されて檻の中にいる
そもそも長男のモランが会長になったのもオヤスの逮捕が原因だった。
俺がオヤスグループの本社に呼び出された時、久々にオヤスの顔を見られると思ったら、会長室に居たのはモランでその時に逮捕の経緯をしった
それは3年前、オヤスは俺の預金口座に振り込んだことにして、そのお金を自分の口座に振り込んでいた。3年前といったら、俺が死んだことになった翌年である、要は脱税目的。
それと俺の口座に振り込むはずのお金を自分の口座に振り込んだため、横領と詐欺も付く、最初聞いた時は特には驚きもしなかった。
「ああ‥‥ついにやったか」
という気持ちだった。何となくやりそうな感は当初からあったので、来るべき日が来たという感想だけだった。
しかし俺も最近体験したように、『脱税は罪が重い』となっている。オヤスは罪を否定せず受け入れた結果、懲役10年が言い渡された。
つまり後7年くらいは出てこれない
「それにしても、オヤスは前々から会長職をモランに渡したいって言ってたけど、こんな形で変わるとは思って無かったよ」
「そんな事を前会長は言ってられたんですか?」
「うん、今まで自分は会社を大きくするのに力を入れて来たけど、ふとあの小さな喫茶店で店長をしていた時が懐かしく感じるとか言ってたね」
オヤスの気持ちは分かる。最強まで鍛えたキャラクターで無双するよりも、新しいキャラでまた最初から始めたいという事だろう、ほんとによく分かる。
ちなみにゲームの話
「そうですか、ちゃんと引継ぎさえ出来ていればこうまではならなかったのに」
「所でさ、あのメガネザルっていつからいたの? 俺がいた時はいなかったよね」
「それは前社長が逮捕されてからですね、経営の全てを担うほど才能があった前会長ですが、それ故に居なくなったあとを引き継いだモラン会長の心労は大変な物だったと思います。
なにせ、成り上がりの会社ですから、他の会社からは良く思われてない部分もあり、更に前会長の脱税という事で消費者からのイメージも悪くなってしまいましたから‥‥現状維持も難しい状態でした。
それをモラン会長は一人で抱え込んでしまっている所に、あの顧問の人が現れたんです。
それからは顧問との二人三脚で何とか持ちこたえたものですから、会長はあの顧問の人の話しか聞かなくなってしまいまして」
正直モランも大変な苦労をしてきたみたいだったと感じた
でも、顧問の解任の話は別な! いつか目に物を見せてやる
その後ゴダイブから今だから言える事ですがと前置きされ、俺専用のチョコレートや食品を作る為に、小さな俺専用のラインを工場の隅にモラン自身が作りそして、従業員にこれ以上負担は掛けられないと社長であるにも関わらず、自ら時計の針が日をまたいでも翌日まで残業をして作っていたという
それを聞いて目に物を見せるのは止めた、今までゴメンねモラン
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