異世界陸軍活動記

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海上戦 反撃準備

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 けして見間違いなどではなく、ハルツール竜翼機の機銃に対し敵機は『耐壁』を発動し防いでいた。
 ハルツールにしかない魔法であり、ハルツールでしか作れない魔道具のはずなのに

「おい! 見たかタクティア、敵機が『耐壁』魔法を発動したぞ!」

「なにを馬鹿な事を‥‥」
 タクティア自身がソルセリーを守る為にラベル島駐留を考案し、長年色々と手を回しやっと得たこの機会、しかしそれもラベル島陥落により叶う事は無かった。
 しかも、たった今自分達は窮地に陥っている、陸地だったらどうにかなったかもしれないこの状況も海の上となると逃げ場がない。タクティアが悪い訳では無いが、自身が招いたこの状況に本人は絶望していた。
 でも少しでも奇跡が起こってくれればと‥‥そう考えていた

「マシェルモビアが『耐壁』を使う事が出来ないのはハヤト隊長がよく知っているでしょう? 第一、契約者は厳重に管理されて━━」

 
 そう‥‥『付与』魔法を契約出来ており、尚且つ『耐壁』もしくは『放出』の魔法を契約出来た者は徹底的に管理される。
 住む場所から働く場所まで事細かく申告し、年に1回の講習もある。そこでは国に対する忠誠心を植え付けられるような講習を受けなければならない。
 俺は軍の任務がある為免除、つまり特別扱いされ講習は受けて無いが、他の者は契約が出来た時点で国から管理、もとい監視を受けることになる。
 もしマシェルモビアに『耐壁』の魔道具が流れるとしたら
 
 ① 完成した物をそのまま渡す
 
 もちろん敵国との物資の輸出入はしていないし、そもそも輸出するための経路は陸も海も全て軍が掌握している為、流れる事は無い

 ② 契約者がマシェルモビアに亡命する

 契約した時点で国に監視される為これも考えづらい、ハルツールからその人物が消えたとなればすぐに表沙汰になるだろう。つまり『耐壁』の魔法を契約した者がマシェルモビアに渡れることは無い

 よってタクティアは隊長のハヤトが言った事を見間違いだと断定していた。
 しかし‥‥‥


「━━いますし、そもそも『耐壁』魔法を敵国が━━」

 味方竜翼機が投下した爆弾が、丁度姿を見せた敵艦に命中した

 そしてたまたま俺とタクティアは同じ場所を見ていた。
 敵艦は砲撃時、一瞬だけ姿を現すことになる、その一瞬を狙い上手くハルツールの竜翼機が爆弾を投下し、見事に命中させたのだが。
 爆発は本体には届かず、少し上空で起きた。その時見えたのは薄い透明な殻の様な膜だった。

「「‥‥‥」」

 これはもう明らか、味方竜翼機のパイロットは既に気づいていただろう、そしてその報告は既に空母とこの艦にも伝わっているだろう
 
 マシェルモビアは『耐壁』の魔道具を使用していると‥‥

 艦の後方から突然響く轟音、その元には黒煙を上げ炎上する空母の姿、そして更に爆発炎上する空母は既に飛行甲板が使用不可能なのでは? と思わせるほどだった。ここからでは良く見えないが、空母の『耐壁』は既に切れ、残すはその船体だけとなる。
 艦載している竜翼機が全て飛びたてたかどうか分からない、ただ、全て飛びたとうともあのままでは確実に沈むだろう、そして更にもう一発空母側面に命中した。多分今のは近くにいる敵艦ではなく目視では見えない程遠くにいる敵艦からの長距離砲撃だと思う。
 通常なら竜翼機を向かわせ、長距離砲を放つ敵艦に攻撃を仕掛けるだろうが、『耐壁』を搭載した敵竜翼機に手一杯でそれも出来ないし、圧倒的に数で負けている。
 この俺達が乗船している艦も空母を守る為長距離砲を撃って応戦するのが通常の動きだが、目視できる場所にいる敵艦3隻の相手をしている為その余裕がない

 もうこの状況で勝てる要素など既に無くなっている、このままこの艦と一緒に海の藻屑となる運命になるだろう、既にタクティアは諦めたのか先ほど『耐壁』が発動した艦がいたであろう場所だけを声も出さず見ていた。
 俺もここまでかと諦めたが‥‥‥

 ・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・・



 いや‥‥一つだけ可能性が

「タクティア」

 俺の呼びかけに返事もせず、顔だけこちらを向けた

「これから召喚獣を呼び出す、右舷に魔法陣を出すから空母並び竜翼機パイロットにそう伝えるよう艦長に指示してくれ」

「‥‥‥」
 何故召喚獣を呼び出すのにそこまでの指示が必要なのか? といった顔をしあっけに取られていたが、俺はタクティアの方を強く掴み

「行け!」
 強く突き飛ばした

「は、はい」
 慌てて駆けだしていくタクティアを尻目に、まずここでは狭すぎると感じ艦の後方に向かい走る、後方は主砲が一門と副砲があるが偵察用の竜翼機の為に少し間隔が広く取られている、搭載されている竜翼機は既に飛び立っており邪魔になる物は無い、既に飛び立ち役目を果たしたカタパルト付近に陣取る

「ここなら‥‥」
 タクティアには召喚獣を呼び出すと言ったが正直不安でならない。一度も召喚した事が無く、契約者の俺自体その全容が分かっていない。
 たった一体の召喚獣で何かが変わるとは思えないが、この状況を少しでも良い方向に向ける為に出来る事はこれしかない。
 これしか思い浮かばない、やぶれかぶれという気持ちもある、最後に一矢と‥‥

 後方には既に傾斜しかけている空母を気にしつつ体の中に魔力を巡らす。この状況のせいなのか? それとも今から召喚する召喚獣のせいなのか? 手からは汗が吹き出し呼吸が早くなる。
 召喚しようと思った時から何故か緊張し、喉が異様に乾いてくる
 
 一度
「すぅーふぅー」
 
 二度
「すぅーふぅー」

 深く呼吸をし、三度目の呼吸でその獣を呼び出した

「召か━━」
 艦の右舷が黄色の光で目を開けられない程満たされ、そして



「━━っ‥‥あっ!!」
 その光は一瞬だけ輝き、そして‥‥消えた



「嘘だろ‥‥」
 眩暈がし立っている事が出来ずそのまま膝を付く、召喚しようとした瞬間、以前武闘大会で経験した多重召喚と同じ、もしかしたらそれ以上の魔力の吸われ方をし、このままでは全て吸われてしまうと思い召喚直前に魔力の流れを切るしかなかった。
「こんなにキツイのかよ」

 召喚する前から不安があったがそれが現実となる、正直今の俺に召喚出来るとは思えない、自分の能力とは不相応な契約を結んでしまったと今更ながら後悔する。
 気合でどうこう出来る範囲を超えている、もうこのまま死を待つ事しか出来ないのか‥‥

 いや‥‥それでも最後まで諦められない!
 
 足に力を入れ立ち上がり、震える腕にを持ち上げ、一点に集中する為に右手に力を込める、左手は右腕を掴み全ての力を右腕に。
 そしてもう一度魔力を回し再召喚に備える

「こっちだ、こっちの方で召喚が!」
「やっぱり今の光って召喚の?」

 砲撃の音や爆発音だったら気が散る事は無いが、人の声というのは集中するためには邪魔になる、召喚の為に出た光を見たのか数人がコチラに向かって来た。
 心の中で舌打ちするが、その数人は全て深いフードを頭から被っており一目で召喚隊の者達だというのが分かった。
 『召喚隊』とは召喚者だけで編成された部隊であり、ごく選ばれた本物のエリート集団となる。今回ラベル島の駐留部隊として一個小隊が向かうはずであった

 召喚隊‥‥‥そうだ!

 そういえば今呼び出そうとしている召喚獣には他と違う変わった物があった。それを今更ながら思いだし

「おい! そこの召喚隊、手伝え!」
 少々言葉が荒くなってしまったが、手伝って欲しいむねを伝えると慌てるように召喚隊は走って来る。本人たちは何をするのかは知らないだろうが、それでも

「何をすればいい!」
 と言ってくれた

「今から召喚をする、でも魔力が足りないだから魔力を貸してくれ」

 この召喚獣には特殊な所があり、俺が念じるといくつかの小さな魔法陣が召喚隊の目の前に浮かび上がる。そもそも最初契約をした時、集団で召喚する物だと分かっていたはずだった。
 だが、自身の自惚れのせいなのかそれを失念していた

 突然目の前に現れた小さな魔法陣に召喚隊はうろたえている

「その魔法陣に向かって魔力を流して欲しい! ただし━━」
 俺が言い終わる前に

「分かりました!」
 召喚隊の一人、フードのせいで顔は見えないが声とシルエットでそれが女性だと分かる、その女性召喚者だが俺の話の途中で魔法陣に向かい止める間もなく魔力を流す

「ば、馬鹿! やめろ━━」

 俺が止める前に魔力を流した女召喚者は、糸が切れた人形のようにその場に倒れた
「お、おい! 大丈夫か!」
「しっかりして!」

 同じ部隊の人間が倒れた女性を心配するが今はそれどころじゃない

「ただの魔力切れだ! そのままにしておけ、今はこっちの方が先だ!」

 倒れた仲間をそのままにしろと言う俺に対し、何か返ってくるかと思ったが、他の召喚者達は魔法陣に向きあう

「さっきのようにいきなり魔力を流そうとするな、この魔法陣は魔力を勝手に吸う、逆に流れるのを抑えるようにするんだ!」

 皆頷き、それぞれの魔法陣に手を触れた

「よし! 合わせろ!」

 俺の合図で一斉に魔力が注がれる、俺を含む12人分の魔力が召喚獣を呼び出す為に一つに集められた

「な、何だこれは、魔力が奪われる‥‥」
「駄目‥‥こんなの耐えられそうに‥‥」

 魔力を自ら流すのではなく逆に奪われる感覚に、召喚隊の人達は焦りを覚えうろたえる。もう既に勝手に流れていく魔力に足元がふらつく者もいる。
 これだけの召喚者がいるにもかかわらず、召喚魔法陣は完全に現れず雷が発光するがごとく激しく光るだけだった。
 つまり、これでもまだ召喚に値する魔力が足りないという事である。
 更に

「足に力を入れろ振り落とされるぞ!」
「身近な場所に掴まれ」

 この艦は敵竜翼機と敵艦の攻撃にさらされている、その攻撃を躱すため急旋回を繰り返し足場が安定せず、そのため体勢を保つのに意識を集中しなければならず、その分魔法陣に流す魔力の制御が甘くなる。
 先走って魔力を流し、意識を失ったた女性召喚者は海に落とされぬよう、部隊の仲間が女性のフードを足で踏みつけ落とされないようにしていた

 くそっ! このままじゃ召喚どころかこの‥‥

 先ほどから黄色の光をまき散らすこの艦を敵が見過ごすわけもなく、空母を狙っていた敵竜翼機が徐々にこの艦へと攻撃を絞ってきた。
 艦長から味方竜翼機には俺達が何かするというのが伝わっているのか、敵竜翼機のアプローチをすかさず防ごうとしてくれている。
 そんな間にも‥‥

 後方で聞こえる爆音、大きな炎を上げ遂には炎上する空母の姿があった

「スネック‥‥」
 甲板らしき場所から炎を噴き上げ、既に離着陸が出来なくなったであろう空母、多分消火に当たっているだろうがもう離着陸は出来ないと思う、そして更に敵竜翼機の投下された爆弾が着弾し

 轟音を轟かせ大爆発を起こした。それは空中にいた竜翼機にも届くのではないだろうかと思わせるほど大きな雲を作り、空母スネック全体を震わせた。
 爆発の大きさから内部の弾薬庫に着弾したのではと思わせるほどだった。

 天まで届く爆炎を噴き上げた空母だったが、辛うじてまだ浮いており轟沈には至っていない。もし完全に空母が沈んだ場合、次にターゲットがこの艦に移るのは明白だった

「召喚出来る気配が無い」
 不意に口に出してしまった言葉に一瞬ハッとなるが、幸い誰にも聞かれてはいない。12名の召喚者が束になっても今だに呼び出す事が出来ないこの状況、他の召喚者達の顔には攻撃にさらされている恐怖と、得体のしれない物を呼び出そうとしている不安、そして未知のものへの高揚感が溢れていた。
 自分達が呼び出そうとしている召喚獣は一体何なのか? その気持ちがこの状況で取り乱すことなく魔力を流す事へ没頭させる

 また一機、味方竜翼機が海面に落下するなか、魔力は着実に集まっているがそれでも足りない、これでも足りないのだ。
 この艦が沈むまでに呼び出す事が出来るか? もし呼び出したとしてもそれが役に立つのか? この状況を一変出来るのか? これがもし無駄な事だったら?
 皆が一点に集中する中、俺だけが一人不安に苛まれる

 
 駄目だ‥‥あと一歩決め手に欠ける

 『諦め』
 それがよぎった時だった

「おい! 力を貸してくれ!」
 不意に聞こえる言葉に『諦め』の言葉に一瞬霧散する

 激しく光をまき散らす完全とは言えない魔法陣の光に気付いたのか、艦内にいた陸軍兵士達が数人カタパルト付近に出て来ていた。
 魔力が足りないと感じた召喚隊の者が出て来た兵士に助けを求めた声だった。その声に応じ駆け寄ってきたのは3人、他の者も追って魔法陣に触れようとする。魔力を流そうとせず吸われないようにしろと説明を受けたが、最初に触れた者の内2人は触った瞬間に倒れてしまった

 


 絶対的魔力量の不足

 召喚者と比べ絶対的に魔力量が不足している一般兵士、召喚者でさえ持ちこたえるのに必死な状況で、魔力が低い一般兵士はそれに耐えきれなかったようだ。
 触れただけで倒れてしまった先の2人を見て、後から追って来た兵士は手を引く

 あともう少しなのに‥‥‥

 倒れた2人を見てためらう兵士達、もしためらわず触れたとしても直ぐに気を失ってしまうだろう、魔力が足りないが一般兵ではそれを流す事すら難しい、気付けば他の兵士達は離れた所で見ているだけだった。
 もう誰も近寄ろうとはしない、1人だけ耐えた兵士は召喚者でもないのに相当の魔力の持ち主なのだろう。
 額から目に流れる汗を払い確認すると、そこにはなんと同じ隊のライカがいた。
 既に苦痛に顔が歪み、体も傾いてはいるがそれでもライカは耐えている、以前俺が作った刀『雷雲』をいとも簡単に扱ったライカ、召喚者並みの力を持たない者なら扱えない代物だがそれでもライカはそれを扱えた。
 ライカの魔力量は通常よりも多いとは思っていたが、召喚者に食いつく事が出来る位までとは思っていなかった

 だが、それでも足りない。不完全で今にも切れそうな蛍光灯のように魔法陣は完成はしていない、魔力を流すための小さな魔法陣に触れようとする者はもういない

 あと一歩‥‥あと一手なんだ‥‥でもこれじゃ

 そしてついにその時が破られる

 バリン!

 その音を全ての兵士が聞いた。ついにこの艦の『耐壁』が破られる音を‥‥
 それまで集中していた召喚者達もその音に気を取られる、次は無い、次は確実に直撃をする。守る物が無くなった為にそれまで安定していた魔力に乱れが生じる、一度乱れると直ぐには修復できない。
 互いの心が離れもうこれ以上は‥‥と思いかけた時だった

 カタパルト付近に近寄ってくる女性、今丁度艦内から丁度出て来たであろう、腰まで伸びている長い髪を揺らしその場にいた

「ソルセリー!」
 思わず叫んでしまったが、彼女はその言葉で全てを察し

「任せて」
 その手を魔法陣に触れた。そして一度に大量に流れ込む魔力、それはそれまで不足していた量を完全に補填する事が出来るほどだった


「ふはっ」
 変な声で笑ってしまったが、もう笑うしかない。
「すげぇ」
 まさか『破壊の一族』がこれほどとは思って無かった。皆苦痛の表情を浮かべる中ソルセリーだけは眉一つ動かさず表情が全く変わっていない、俺の持つ魔力量すら凌駕しており、もう化け物としか思えない
 
 ‥‥‥いや


「ソルセリーマジ女神」

 今まで艦の右舷で点滅をしていた不完全な魔法陣が光り輝き、その大きさを増す。そのあまりにも巨大な魔法陣に皆息を飲む。
 その巨大な魔法陣は空で戦っていた竜翼機が機銃を止めるほどだった

「きたきたきたぁぁぁぁぁあ!」
 胸に沸き上がる異様な高揚感、前代未聞の召喚獣を呼び出すという事で自分でも分かる位、俺は笑っていたと思う。
 それは他の召喚者達も皆同じ、この艦の『耐壁』が破られた事で揺らいでいた魔力も、何かは分からないがこれからとてつもない偉業を成し遂げるだろうとする予感に、魔力が完全に統一化され更に魔力が高まる

 そして『消滅』しか使えないソルセリーと、魔法が使えないライカも同様だった。初めて関わる魔法であり、しかもそれは『召喚魔法』、その事実が二人の心を踊らせる

「さあ! 行くぜぇっ!」
 準備は全て整った


 それはソルセリー救出の為の任務で、マシェルモビアの包囲網から抜け出す為に通過した『大陸深部』通過中、その時見つけた地中に埋まっていた召喚魔法陣
 既に亡くなっている遠い親戚の人がたまたまその時頭に浮かび、その人が戦時中乗船していたという船の形に作り替えた。
 その時は半分冗談だったが、まさかこのような日が来るとは思ってもいなかった

 
「召喚!━━」

 日本の威信をかけて建造された軍艦であり、戦果はなくとも当時世界最大の戦艦、現代でも人々の記憶に強烈に残る。
 そして今、時間と空間を越え


「━━ヤマトォォ!」

 その船首がゆっくりと召喚魔法陣から姿を現す
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