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女神サーナ
しおりを挟む「うっ! ぐぁぁぁぁ!!」
まるで拷問でも受けているように悲痛な叫びを上げ続けているネクター、それを自身の子だというのにも関わらず、まるで興味のない物を見るような目で見つめる女神サーナ、どうしていいのか分からず俺はその場に立ち尽くしていた。
以前、女神マシェルを見た時は少し体自体が透けて見えていたが、今回女神サーナの場合、ハッキリとその姿が見えていた。
確かにネクターが言っていたようにとても美しい容姿をしている、そしてネクターは「厳しい御方」だとも言っていた。
厳しいどころかそれを通り越して恐怖を覚える、女神と言うよりも女帝とか女王様と言った方が合っている
ネクターへの見えない攻撃? は休むことなく続けられている、いつまで続くのかも分からず俺もこの状況をどうしたらいいのか分からない、ただネクターは手出し無用と言われた俺に対して、攻撃をしようとしたのを罰として女神サーナから受けているということだけはわかった。
女神サーナのしていることは何となく分かる、これは天使ネクターに威圧を当てているのだろう、俺が人に対して効果がある威圧、そしてネクターが俺に対して効果がある威圧のように女神サーナもネクターに対して効果のある威圧を放っているのだと思う。
女神の威圧は凄まじく、俺の周りの空気までもが振動し俺の肌までもがピリピリと刺激を感じる
そう、ピリピリと‥‥ピリピリ‥‥あれ? 何か‥‥ビリっとした、あっ‥‥チクっとして来た、あっ‥‥ちょっと‥痛いかも、痛‥痛たたた、いっ!?
「痛ででででででででで!」
針で刺されている様な痛みが全身に伝わる、手足はもちろん目やちょっと口では言えないような場所まで、とにかく体全体にひどい痛みを受けた、ただそれは一瞬だった。
あまりの痛さに涙目になった目で見えたのは女神サーナの驚いた顔だった。先程までネクターに向けていた冷たい目を大きく見開き、何が起きたのか分からないと言ったときに見せる驚愕の顔だった。
まばたきを軽く2回した後、女神サーナは少しだけほほ笑んだ気がした。涙目だったからよく見えなかったが‥‥そして
ネクターの方を見向き腹の底から出るようなとても低い声で
「断罪者‥‥もう一度言います、手出し無用」
「は‥‥‥はぃ、申し訳ございません母上」
その言葉を聞いた女神サーナはフッっと姿を消した
「はぁ‥‥はぁ‥‥はぁ‥‥」
相当の痛みを受けたのかネクターの息が荒い
「う、うーん‥‥」
そして、先程までネクターに向かい膝を付いていた他の4人は何故だか倒れていた
「あれ? 何で‥‥」
何故自分達が倒れているのか分からないと言った様子、俺もいつ4人が倒れたのか分からない、それどころではなかったし
「ネクター‥‥」
ネクターに歩み寄り弱り切っているネクター側で膝を付く
「ごめんハヤト‥‥君を殺そうとした」
「うん」
「僕にはグラースオルグを殺すという使命がある、母上とマシェルには確かに手出し無用と言われた。それでも僕にはグラースオルグになった君を放って置くことは出来なかったんだ‥‥」
「うん」
ネクターが俺を殺すというのは多分本能に近いものだろう、俺の力を察知しすぐさまここまで来たくらいだ、だから‥‥
「もういいよネクター」
「でも‥‥僕は‥‥」
「いいんだネクター、仕方のないことなんだ」
俺はネクターを責めない
「ハヤト‥‥」
「オヤスの喫茶店にさ、また新しいメニューが追加されたんだ、また今度一緒に行こう」
まだ暗い顔をしているネクターに笑顔で約束をした
「うん‥‥また一緒に行こう!」
それにネクターも笑顔で返してくれる
さてと‥‥それはさておき
「所でさっきは女神サーナの威圧を受けていた、って事でいいのかな?」
「うん、僕に対しての威圧だね、母上の威圧はとても辛いんだよ体中に痛みが走るからね、アレは何度受けても決して慣れることはないんだよ」
そうだろうね、アレは俺も辛かった
「その威圧が俺にも伝わってきたんだけど」
「ははは、普通は伝わらないはずなんだけどね、たまたま僕の近くにいたから伝わったんだろうね」
災難だったねと言わんばかりに笑顔でネクターは答えてくれた。
「なるほど‥‥つまりネクターがいなかったら俺はあの苦痛を受けることがなかった。てことでいいんだね?」
「えっ‥‥あ、うん、そういうことだね‥‥」
先ほどまでとは打って変わり、笑顔ではなくなった俺の顔につられ、ネクターの顔からも笑顔が消えた
「要するに、俺があの苦痛を味わったのは全部ネクターのせいってことだよね?」
「えっ‥‥あ、うん、そうかもしれないね‥‥」
ネクターの顔が完全に引きつっている、何か底知れぬ不安が顔に出ている
「ネクターのせいなんだよね?」
「そう‥‥だね‥‥」
「なるほど‥‥なら俺はネクターを許せない」
「えぇぇぇぇぇぇっ!!」
何度かあった中で初めてネクターがこんな声を上げたと思う
「ちょ、ちょっとまってよ! 今とてもいい話で終わったはずじゃなかったの?」
「いい話し? 殺されかけた上に理不尽な痛みを受けた俺から見て、いい話しだと思う?」
「うぐっ! それは‥‥だって!」
「いい話しなんだ?」
「いや! だって殺そうとしたのはあれだけど、母上の威圧は‥‥」
「それは今ネクターが自分のせいだって認めたでしょ?」
「うっ‥‥」
それ以上言葉が続かないネクターにゆっくりと近づきそのまま肩に手を回した
「それでさぁ~、ネクターに一つお願いがあるんだよねぇ~」
「な、何だろ‥‥」
「今度オヤスの所に行くときにさぁ~、女の恰好で来て欲しいんだよねぇ~」
今目の前に鏡があったら自分でも幻滅する位嫌な顔になっているだろう、ただ今はそれでもいい、世界一可愛いネクターの姿になってくれるなら俺は何だってやる
「「 ‥‥‥‥ 」」
「‥‥分かった‥よ」
全部諦めたようなネクター、俺が肩に手を回していた時は強張っていた体から完全に力が抜けている
「えっ! そう? やった!」
もしかして天使ネクターを脅しているんじゃないんですか? なんて声が後ろから聞こえてくる、脅してなんかいない、交渉しているんだ。
俺が日本にいた頃、たまたま姉の洋子が居間に忘れて置いていた雑誌を見たことがある、よくある若い女性向けの雑誌だ、何気なくそれを見た時、たまたま開いたページに
『相手の弱みに付け込む交渉術』
てのがあった、要約すると相手が自分に対して罪悪感を持った時にそれを利用して高い物を買ってもらおう、というものだった、デートなんかを彼氏の都合でキャンセルされた時、それを利用して時計やらアクセサリーをねだるという、男から見たらとんでもないものだった。
しかし‥‥今回はそれを参考にさせてもらう、女性ネクターのためだったら俺は何でもする!
・・・・
・・・・
「それじゃぁ僕は戻るよ‥‥‥‥」
少しだけ元気が無いネクターを笑顔で見送り、俺達5人はハルツールに向けて移動を開始した。
「あの‥‥」
少し離れた所から周りの魔物を警戒しながらトルリ・シルベが話しかけてくる
「何?」
「前に天使ネクターは俺の女だとか言ってましたよね?」
「確かに言ったね」
間違いなく俺の女だ
「‥‥男じゃないですか天使ネクターって、その‥‥男でも大丈夫な人なんですか?」
「ふふふ、何を馬鹿な事を、どう見たって女でしょ? 世界一可愛い女にしか見えないだろ?」
「あ~、そう‥‥ですか、本人がそれでいいなら構いませんが‥‥、それで、やっぱり天使ネクターを女性として見ているってことはですよ、その‥‥」
言いたいことは分かる、なら答えてあげよう
「そうだね、ネクターと一つになりたい、主に肉体的な意味で。ネクターは俺の女だからね? 手を出さないように、マシェルモビアに戻ったらしっかりとそれを国に広めるように、じゃないと喰うぞ! って言っといてね」
ライバルは少ない方がいいからね、今のうちに出てきそうな輩を潰しておこうお思う
「あ、うん‥‥ええ‥‥はい」
トルリだけではなく、他の3人も何故だか微妙な顔つきをしている
俺がここまで言っても何やら釈然としないと言った態度だけど、この子は少し目がおかしい、あんなに可愛いネクターが男だなんてそんなことあるわけないだろうに。
それは兎も角
「それでさっき聞きそびれたけど、なんでトルリはここにいるの?」
そう、深部に入る前に解放したはずなんだけど
「それなんですけど、あなた方が行った後暫くしてからあの隊の人達があの砦に入ってきたんです‥‥」
彼女が言うには、最初あの隊の人数は20人程いたそうだ、そして俺達をずっと遠くから監視していたらしい、時期としては丁度俺がソルセリー達を見つけた辺りから、殺害目標のソルセリーを見つけたのはいいものの、丁度俺がその時に合流したので手を出さず監視をしていた。
多分その理由として俺のグラースオルグの威圧を警戒していたから、だからトルリ・シルベ達新兵を使って様子を見ていたと思う、トルリ・シルベが捕虜として捕まったのは確認していたが、いくら待っても砦から出てくる様子は無い。
彼らは、俺が砦を建設した時、そこから移動する時には必ず作った砦を魔力に戻すことも知っていた。
だから一向に砦から出てこない俺達に不審に思いついに突入したということだそうだ。
『探知』魔法を使える兵士に対し、まだ砦が消えていないから大丈夫だと休ませていた時に俺達が砦を残したまま出発し気づかれなかった。
突入した彼らの前には太陽の下でぼーっとしているトルリ・シルベを発見、彼女に事情を聴いたところ、グラースオルグには既に威圧が無いこと、そしてその姿にはあれ以来なっていない事を確認、更にもう出発した事もその時に分かった。
完全に俺達を見失ったその隊の隊長は、自身の失敗、判断ミスの発覚を恐れ上に報告もせず、そのまま俺達を追ったという
隊長は俺達が深部に入ったと判断、本当にそこに行ったのか不安はあったが、『氷』魔法で貫かれたカマルドウマを発見、確信したという。
トルリ・シルベはその場に置いておけないし自身の隊の失敗も発覚してしまうので連れて来られたとトルリは説明をしてくれた。
「20人ほどいたんでしょ? あの時君を含めて4人しかいなかったけど?」
理由は分かってはいるけど聞いておこう
「ええ‥‥、全員魔物に食べられました、一番最初に食べられたのは『探知』魔法を使える人で、地面からいきなりワームが出て来て‥‥」
そして次々にその隊の人間が死んでいき、食料も尽き、戻るにも戻れないところまで来てしまった。しかも行く先には明らかに人の手によって殺されたであろう魔物が転がっている
もう少し進めば奴らに遭遇出来る、もう少し、あと少し、と、どんどん彼らを前に進ませたという
「ふーん、よっぽどだったんだね、だから最初に俺達に会った時逆恨みみたいなことを言われたのか」
そう、お前たちのせいで仲間がとか言っていた
「君も大変だったんだね」
思ったことを口にした、すると彼女は目から大粒の涙を流し出した
「はぃ、私はこんな所に来たくなかったのに無理やり連れて来られて‥‥、日に日に隊の人達が死んでいくし、最後には私がグースの威圧が無くなったって言ったことで俺達がこんな所まで来なければいけなかったって、それを知らされてなかったら俺達はこんな所まで来なくて済んだって、毎日罵倒されて‥‥グスッ‥‥」
俺達だけではなく、彼女にも当たっていたみたいだ、そして一番理不尽に当たっていたのが棺桶に入れたあの兵士だったという、だから少し嫌がってたのかな?
ぐすぐすと泣いているトルリ・シルベには悪いけど、泣くのはいいとして周りを監視してほしい、ワームとか出たらまずいんだけども‥‥
「あー所でハヤト、さっきの事なんだけど天使ネクターと何があったんだ?最初は殺すとか言っていたのが、何だかその‥‥脅されている様な感じになっていたし、天使ネクターはかなり疲労しているようにも見られたが」
それを言ったら俺もベルフ達が何で倒れていたのか疑問なんだけど‥‥
「それはね俺がネクターに殺されかけた時に、丁度女神サーナが━━」
「「「女神サーナ!!!」」」
「まてハヤト、いたのか? 本当にあそこにいたのか!?」
「ちょっと詳しく教えてください!」
「天使ネクターをまじかで見れただけでも凄いのに!」
「女神サーナはどんな方だったか教えなさい!」
皆に掴みかかれ、目が見えないはずなのにソルセリーにさえ胸倉をを掴みかかれ、俺は‥‥
実際あったことも、そして無かったことも色を付けて話した。
◇◆◇◆◇
ハルツール軍本部の一室
軍参謀の一人タクティアは一人報告書を読みふけっていた。
彼のしていることはただすでに終わった作戦の報告書を見ているだけ、それ以外は何もしていない、やっても意味のないことになっている。
ソルセリー救出で召喚者のウエタケ・ハヤトを単独で向かわせ、そしてサコナ・ソルセリーもウエタケ・ハヤトも帰還出来なかった。
一度目の竜翼機による作戦は失敗、2段構えの彼の策であったが2度目の中隊規模の部隊での救出でも失敗、指定した場所に彼らは現れなかった。あの作戦から既に3カ月を経過している。
軍は彼らは既に死亡したものと断定、そしてその全ての責任をタクティア一人に押し付けた。実際発案したのはタクティアなので当然と言えば当然と言える、そのせいでタクティアは発言力を完全に失った、何を言っても誰にも相手にされはしなかった、と言っても完全にタクティアの作戦が失敗した訳ではない
マシェルモビアに通じているであろう疑わしき者2人をを炙り出すことに成功、ただそれだけである、戦略的に重要と言える破壊の一族最後の一人サコナ・ソルセリー、そしてそのグラースオルグの威圧で破壊の一族とほぼ同等の価値のあると思われるウエタケ・ハヤト。
その二人をタクティアの策で失ったのだ。
彼はただ結果だけを記された資料を読み、自分ならこうする、自分なら‥‥と
彼にはもう軍には居場所が無い、ただの敗軍の将ではなく取り返しのつかないミスをした、完全に確信があってあの作戦を発案したわけではない、ソルセリーを救うにはあの時アレしか手が無かったのだ、ソルセリーを救うための彼の賭けだった。
それでもタクティアは後悔はしていない、読み終えた資料を脇に寄せ机の上に上を組み深いため息をする、上がってくる報告書でタクティアの所に届けられるのはほんの少ししかない、彼の唯一の仕事と呼べる仕事は全ておわってしまった。あとは意味のない時間が過ぎていくのを待つだけだった
‥‥ドタドタドタ
廊下を走る音が聞こえる、まぁ私には関係ない話しだが
タクティアー!
ん? 名前を呼ばれた気が‥‥
バーンと勢いよくタクティアのいる部屋のドアが開かれたそして
「タクティア! サコナ・ソルセリーが戻ったぞ!」
タクティアと仲の良い同僚の第一声がそれだった
「‥‥は?‥‥え! 戻った!?」
何かの冗談かと思った、彼らは目的の場所に現れなかったし、3カ月も何の音沙汰も無し、それが戻ったとは、いったいどうやって?
タクティアが瞬時に思った疑問をドアを開けた同僚は話を続ける
「お前が秘密裏に用意していた2つ目の作戦も敵にバレていた、だからそれを察知したウエタケ・ハヤトは大陸深部を進むこと選択したんだ」
「深‥‥大陸深部!」
あり得ない、参謀としてのタクティアとしてみればそこを進軍するのは愚の骨頂、無駄に兵を消耗するだけ、それをあえて進んだ?
「そ、それで! 帰還出来た者達は?」
「ウエタケハヤトが救出に向かった時には既に、サコナ・ソルセリーとあと隊員1人のたった2人だった。それに加え最初の作戦で破壊された竜翼機の乗組員が1人、全部で4人、その4人が1人も欠けることなく深部を通って自力でハルツールまで帰還してきたんだ。しかも、捕虜を1人連れてのおまけつきだ!」
た、たった4人で深部を通ってきたのですか?
自分だったらまず命令はしないであろう、不可能だろうと思ったことが実際に起きてしまった。微かに高揚する気持ちを抑えるため、震える手を強く握りしめた。
「やったな! タクティアお前の作戦は成功した! 当初の作戦と違ったが結果的にお前は勝利したんだ!」
タクティアの策は2つとも失敗に終わった、しかし召喚者を先行して送り出した事はタクティアのほぼ独断の判断だった。今作戦で最終的にはタクティアの判断は正しかったということになる
「作戦が勝った訳ではないですよ、賭けに勝っただけです」
「結果的にお前が正しかったのは事実だろう?」
「そうですね‥‥所で詳しい報告書とかはまだですかね? 直ぐにでも見たいのですが」
「おう、上がってきたらすぐに持ってこよう、軍の連中ももうお祭り騒ぎでなあっちこっちで皆慌てまくってるよ、もうちょっと詳しい情報があるか少し仕入れてくる!」
同僚はバタンとドアを閉めダダダと廊下を走って行った、タクティア1人だけがいる部屋が静かになる
「‥‥‥‥‥‥ふっ、ふふふ‥‥」
「ふふふ‥‥あははははは! はーははは!」
ダン! と机の上に飛び上がり、腕と腰をくねくね動かし勝利のダンスを舞う、今までため込んでいた鬱憤などを全て吐き出すように、ダンスとは言えない全く意味不明な踊りを狂ったように踊り続けた
「ひゅぅ! ひゅぅ! ふんふん!!」
腕を振り上げ、首を振り腰をくねらせ足を高く上げる、タクティアは喜びを体全体で表現していたが‥‥‥‥
「プっ! くすくす」
突然の笑い声、声のした方を見ると、先程出て行ったはずの同僚がドアの前で口を押え笑っていた
「お前でもそんな事をするんだな」
同僚は今度こそドアを閉め部屋から出て行った
「あっ‥‥」
既に誰もいない部屋で軽く咳払いをした後、机の上から降り椅子に座り直す、机の上に着いた汚れを手で払った。
本来見られて恥ずかしくなるはずだが、タクティアはそんな事は些細な事だと言わんばかりに笑顔で報告書が上がってくるのを待っていた。
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