16 / 18
火に油揚げを注ぐ
しおりを挟む
図書館の入口には凄まじい戦闘の痕跡が広がっていた。
セキュリティが機能していたというだけではなく、タンが仕事をしたという事だ。
「ただいま、問題ないか?」
「ないアル、スライムがどれだけ集まってもバハムートにはなれないアル」
「よく分からない例えだけど、無事なのは分かりました」
アンは着替えを済ませいつもの定位置に戻ってきた。
「エルちゃん、またいちだんと可愛くなったアル」
タンはソシエルを抱きかかえて、食卓に備え付けられたベビーチェアへと運んでいく。
ヒラヒラのドレスには、安っぽいラメが入っており、いかにも小さい子どもが好きそうなデザインになっている。
「はぁ、早く元に戻りたい。恥ずかしくて死にそう」
「とかなんとかいって、可愛い服がきれて嬉しいんでしょう?」
ポンがからかう。
「そ、そんなわけないだろう」
「照れてるアルか?」
足をバダバタさせながら、ほっぺたを膨らませているこの館の主人にもはや威厳はなかった。
「幼稚園に行ったらちゃんと、自分でおしっこって言わないと駄目だよ」
至極真面目な顔でポンが言う。
からかうというよりは、本当に妹のオシモの心配をしているといった様子だ。
「貴方たち、そろそろおしゃべりは終わりにして明日の作戦会議をしましょう」
「はーい」
「分かったアル」
「エル様は侵入したら出来るだけ早くターゲットに接近してください。私の情報ではそこに黒幕の娘がいるはずです」
「それは分かったけど、接触してどうする?」
「仲良くなりましょう。黒幕が解読書を手に入れにくるまでにその娘を懐柔します」
「怪獣?」
ポンが怪獣のフィギュアに変身する。
「続けるアル。無視アル。」
「いくら黒幕でも、娘がいるグラン大学内で暴れたりはしないはず。きっと娘を使って解読書を手に入れようとするはずです。」
「なるほど、たしかに」
「先に解読書の在処を見つけて罠を張るというのはどうでしょう?」
「よし、それでいこう」
「タンは目立つから留守番。私も着いていくのは難しいですね」
「じゃあ、僕の出番かな」
ポンは他の物体に変身できるので、何か身につけるものに変われば侵入は可能だ。
「じゃあ、ポンと二人で黒幕を罠にはめる。そして、死者の書を取り戻す」
「それでいきましょう」
なんとか死者の書を奪還する作戦が整った。
「こんなのはどうかな?」
ポンはモコモコとした幼児パンツに变化してソシエルを辱める。
「決めた、今すぐ燃やしてやる」
テーブルにあった燭台を持って、ソシエルがポンに投げつける。
「危ないアル、二人ともやめるアル」
タンがなだめる。
「はぁ、大丈夫かしら」
アンは呆れて壁を抜けて退室していった。
セキュリティが機能していたというだけではなく、タンが仕事をしたという事だ。
「ただいま、問題ないか?」
「ないアル、スライムがどれだけ集まってもバハムートにはなれないアル」
「よく分からない例えだけど、無事なのは分かりました」
アンは着替えを済ませいつもの定位置に戻ってきた。
「エルちゃん、またいちだんと可愛くなったアル」
タンはソシエルを抱きかかえて、食卓に備え付けられたベビーチェアへと運んでいく。
ヒラヒラのドレスには、安っぽいラメが入っており、いかにも小さい子どもが好きそうなデザインになっている。
「はぁ、早く元に戻りたい。恥ずかしくて死にそう」
「とかなんとかいって、可愛い服がきれて嬉しいんでしょう?」
ポンがからかう。
「そ、そんなわけないだろう」
「照れてるアルか?」
足をバダバタさせながら、ほっぺたを膨らませているこの館の主人にもはや威厳はなかった。
「幼稚園に行ったらちゃんと、自分でおしっこって言わないと駄目だよ」
至極真面目な顔でポンが言う。
からかうというよりは、本当に妹のオシモの心配をしているといった様子だ。
「貴方たち、そろそろおしゃべりは終わりにして明日の作戦会議をしましょう」
「はーい」
「分かったアル」
「エル様は侵入したら出来るだけ早くターゲットに接近してください。私の情報ではそこに黒幕の娘がいるはずです」
「それは分かったけど、接触してどうする?」
「仲良くなりましょう。黒幕が解読書を手に入れにくるまでにその娘を懐柔します」
「怪獣?」
ポンが怪獣のフィギュアに変身する。
「続けるアル。無視アル。」
「いくら黒幕でも、娘がいるグラン大学内で暴れたりはしないはず。きっと娘を使って解読書を手に入れようとするはずです。」
「なるほど、たしかに」
「先に解読書の在処を見つけて罠を張るというのはどうでしょう?」
「よし、それでいこう」
「タンは目立つから留守番。私も着いていくのは難しいですね」
「じゃあ、僕の出番かな」
ポンは他の物体に変身できるので、何か身につけるものに変われば侵入は可能だ。
「じゃあ、ポンと二人で黒幕を罠にはめる。そして、死者の書を取り戻す」
「それでいきましょう」
なんとか死者の書を奪還する作戦が整った。
「こんなのはどうかな?」
ポンはモコモコとした幼児パンツに变化してソシエルを辱める。
「決めた、今すぐ燃やしてやる」
テーブルにあった燭台を持って、ソシエルがポンに投げつける。
「危ないアル、二人ともやめるアル」
タンがなだめる。
「はぁ、大丈夫かしら」
アンは呆れて壁を抜けて退室していった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる