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二兎を追う悪魔
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降り注いだ大小の岩がポンの体を襲い、既に立ち上がる事もできない状況になった。
町外れとはいえ街道の一角は巨岩の墓標に埋め尽くされていた。
「山海径を展開。九狐の霊を解放!」
ソシエルが喚びかけると、ポンの体が怪しく光る。
少年だったポンが、白いローブを纏った金髪の美青年に変化する。
「美しい……」
鳳仙花は、ポンの姿にみとれて呆然と立ち尽くす。
「可哀想に……」
ポンは大きく跳躍し、鳳仙花に口づけしそうな距離まで間合いを詰める。
「虚虫跳梁跋扈の令」
地面から大量の虫が這い上り鳳仙花の肉体を覆っていく。
「あ……助け…て」
悲痛な表情を浮かべた鳳仙花の身体の七つ全ての穴に虫が入り込み中からその肉を貪る。
「虚虫は柔らかい肉を好んで移動し骨だけを残して食い尽くす」
「が……って」
「特に女の内蔵は大好物らしいからな」
既にポンの言葉が聞こえていないであろう鳳仙花は地面に崩れ落ちる。
「さて、次は」
ポンは高みの見物を決め込んでいた若い男の方を見る。
「や、やべえ。あんなやつ相手にしてたら身体がもたねぇ」
学生服を着崩したスタイルの若い男はいつでも逃げれる体勢をとった。
ポンが、垂直に飛び上がる。
その距離はビルの3階に匹敵する。
「いったん、退却する!」
男は脱兎のごとく走り出し、ポンから距離をとろうとする。
「逃げろ、逃げろ、怯えて逃げ回るウサギは大好物なんだ」
舌なめずりをしながら、ポンが追いかける。
男もビルを飛び越えながらなんとか離れようとするが、ポンはわざとゆっくり近づいていく。
「どうした、もう疲れたのか」
「はぁはぁ、くそぅ」
「飛絮漂花の纏足令!」
「な、なんだ?」
逃げながら男は自身の体におきた変化に気付く。
手足が異常に細くなり、紐のように変わっていく。
走ることはおろか、這うことすら出来ない男は地面に叩きつけられる。
「ちくしょう、化物が……が?!」
「ん?何か言ったか?」
まだ若い男の白い健康的な歯がポロポロと地面に落ちていく。
「ひっ……」
「もうお前は歩く必要はない。そして話す必要もない。」
若い男はブルブルと震え出す。
「お前にできるのは、この私にただ身体を差し出すだけだ」
ポンは動けない男の後ろ髪をぐっと掴み身体を仰け反らせる。
「ウサギよ、名前を聞いていなかったな」
「はぁさんか!(山茶花)」
「あ?何言ってんのかわかんねぇよ」
ポンは男の身体を前や後ろから弄び、転がしながら痛めつける。
町外れとはいえ街道の一角は巨岩の墓標に埋め尽くされていた。
「山海径を展開。九狐の霊を解放!」
ソシエルが喚びかけると、ポンの体が怪しく光る。
少年だったポンが、白いローブを纏った金髪の美青年に変化する。
「美しい……」
鳳仙花は、ポンの姿にみとれて呆然と立ち尽くす。
「可哀想に……」
ポンは大きく跳躍し、鳳仙花に口づけしそうな距離まで間合いを詰める。
「虚虫跳梁跋扈の令」
地面から大量の虫が這い上り鳳仙花の肉体を覆っていく。
「あ……助け…て」
悲痛な表情を浮かべた鳳仙花の身体の七つ全ての穴に虫が入り込み中からその肉を貪る。
「虚虫は柔らかい肉を好んで移動し骨だけを残して食い尽くす」
「が……って」
「特に女の内蔵は大好物らしいからな」
既にポンの言葉が聞こえていないであろう鳳仙花は地面に崩れ落ちる。
「さて、次は」
ポンは高みの見物を決め込んでいた若い男の方を見る。
「や、やべえ。あんなやつ相手にしてたら身体がもたねぇ」
学生服を着崩したスタイルの若い男はいつでも逃げれる体勢をとった。
ポンが、垂直に飛び上がる。
その距離はビルの3階に匹敵する。
「いったん、退却する!」
男は脱兎のごとく走り出し、ポンから距離をとろうとする。
「逃げろ、逃げろ、怯えて逃げ回るウサギは大好物なんだ」
舌なめずりをしながら、ポンが追いかける。
男もビルを飛び越えながらなんとか離れようとするが、ポンはわざとゆっくり近づいていく。
「どうした、もう疲れたのか」
「はぁはぁ、くそぅ」
「飛絮漂花の纏足令!」
「な、なんだ?」
逃げながら男は自身の体におきた変化に気付く。
手足が異常に細くなり、紐のように変わっていく。
走ることはおろか、這うことすら出来ない男は地面に叩きつけられる。
「ちくしょう、化物が……が?!」
「ん?何か言ったか?」
まだ若い男の白い健康的な歯がポロポロと地面に落ちていく。
「ひっ……」
「もうお前は歩く必要はない。そして話す必要もない。」
若い男はブルブルと震え出す。
「お前にできるのは、この私にただ身体を差し出すだけだ」
ポンは動けない男の後ろ髪をぐっと掴み身体を仰け反らせる。
「ウサギよ、名前を聞いていなかったな」
「はぁさんか!(山茶花)」
「あ?何言ってんのかわかんねぇよ」
ポンは男の身体を前や後ろから弄び、転がしながら痛めつける。
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