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エルちゃんで遊ぼう
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「とにかく、一刻も早く死者の書と俺の肉体を取り返さなければならない」
視界が高くなるように、ソシエルは本を積み上げて座る。
「エルお嬢様、足を組んだらパンツが見えますよ、はしたない」
アンに指摘され仕方なく、膝を合わせて座り直す。
「それなんですが、敵はかならずグラン大学附属の幼稚園に現れるはずです」
「どういうことだ?」
「死者の書を解読するためにはグラン大学にある古文書が必要になります。それに、黒幕は娘をそこに通わせているらしいのです」
「なぜ、そんな事がわかるアル?」
「直接、黒幕と喋って確信を得ました。やつはかならずグラン大学附属幼稚園に機械人形を送り込んでくるはずです」
「うーん、そうなると厳しいぞ。関係者以外が立ち入るのは難しいし、敷地内に入ることすら許可が必要になる」
「僕が変化して侵入するってのはどうかな?」
ポンが提案する。
「いえ、それよりもっと良い方法がありますよ」
「いい方法アルか?」
「ジャーン、グラン大学附属幼稚園の制服です!」
「おい、どっから盗んできたアルか……返してこいアル」
「こんなこともあるかと思って既にエルお嬢さまの入園手続きは済ませてあります」
「無謀だ……俺に幼稚園児の真似事をしろって言うのか」
「無謀じゃありません、ほら制服ぴったりじゃないですか?どこからどうみても、33歳のおっさんには見えませんよ」
「うわぁ、エルちゃん似合ってるよ。お人形さんみたい」
「馬鹿か、人形なんだよ今は」
「えーん、エルちゃんに馬鹿って呼ばれたぁ」
「エルお嬢様、まずはその喋り方、立ち振舞いからみっちり躾治す必要がありますね」
「ふざけるな、こんな茶番につきあう道理は……ってわぁ」
ソシエルは急に後ろから伸びた手で持ち上げられた。
タンがいつのまにか背後に立っていたのだ。
「あんまり聞き分けが悪いと怒るアルよ」
「誰が、誰に怒るって?あんまり調子にの……ぎゃあー」
タンはおもいっきりソシエルを空中に放り投げ、落下してくる体を受け止めた。
「ほーら、たかいたかーい」
「怖すぎる、八メートルくらいは上がってるよ」
ポンが見上げながら言う。
「そろそろ、僕にも代わってよ」
「ポンもタカイタカイするアルか?」
「エルちゃんで遊びたい事いっぱいあるんだよね」
「でって言ったぞポン助」
アンは呆れた表情で、2人にいいように扱われているかつての主人を眺めていた。
「さて、私も準備をしようかな」
そういうと、アンは壁をすり抜けて隣の部屋に行ってしまった。
視界が高くなるように、ソシエルは本を積み上げて座る。
「エルお嬢様、足を組んだらパンツが見えますよ、はしたない」
アンに指摘され仕方なく、膝を合わせて座り直す。
「それなんですが、敵はかならずグラン大学附属の幼稚園に現れるはずです」
「どういうことだ?」
「死者の書を解読するためにはグラン大学にある古文書が必要になります。それに、黒幕は娘をそこに通わせているらしいのです」
「なぜ、そんな事がわかるアル?」
「直接、黒幕と喋って確信を得ました。やつはかならずグラン大学附属幼稚園に機械人形を送り込んでくるはずです」
「うーん、そうなると厳しいぞ。関係者以外が立ち入るのは難しいし、敷地内に入ることすら許可が必要になる」
「僕が変化して侵入するってのはどうかな?」
ポンが提案する。
「いえ、それよりもっと良い方法がありますよ」
「いい方法アルか?」
「ジャーン、グラン大学附属幼稚園の制服です!」
「おい、どっから盗んできたアルか……返してこいアル」
「こんなこともあるかと思って既にエルお嬢さまの入園手続きは済ませてあります」
「無謀だ……俺に幼稚園児の真似事をしろって言うのか」
「無謀じゃありません、ほら制服ぴったりじゃないですか?どこからどうみても、33歳のおっさんには見えませんよ」
「うわぁ、エルちゃん似合ってるよ。お人形さんみたい」
「馬鹿か、人形なんだよ今は」
「えーん、エルちゃんに馬鹿って呼ばれたぁ」
「エルお嬢様、まずはその喋り方、立ち振舞いからみっちり躾治す必要がありますね」
「ふざけるな、こんな茶番につきあう道理は……ってわぁ」
ソシエルは急に後ろから伸びた手で持ち上げられた。
タンがいつのまにか背後に立っていたのだ。
「あんまり聞き分けが悪いと怒るアルよ」
「誰が、誰に怒るって?あんまり調子にの……ぎゃあー」
タンはおもいっきりソシエルを空中に放り投げ、落下してくる体を受け止めた。
「ほーら、たかいたかーい」
「怖すぎる、八メートルくらいは上がってるよ」
ポンが見上げながら言う。
「そろそろ、僕にも代わってよ」
「ポンもタカイタカイするアルか?」
「エルちゃんで遊びたい事いっぱいあるんだよね」
「でって言ったぞポン助」
アンは呆れた表情で、2人にいいように扱われているかつての主人を眺めていた。
「さて、私も準備をしようかな」
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