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病院

#08 スハ

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エコー検査を受けた数日後、陣痛が来たので分娩室に入ることになった

「初産...?大変だけど頑張ってね!」

「頑張れよ~」

たくさんの人に励まされ、分娩室に入った



陣痛の間隔は次第に短くなる。母になる人は、この辛さの道を通っているのか...


18歳で母になるのは、正直早いと思う。だが、『翔く』ために、頑張らねばならない...





どれだけの時間が経っただろうか...

気がつけば、下腹部の激痛は治まっていた

突っかかりもない...


初産で命を落とす人もいると聞いていた...
まさか...、『死んだ』?

いや、『死んで』いなかった...
だんだんと、産声が聞こえてきた

「目が覚めましたか!ああ、良かった!」

助産師が私に気づき、声をかける

「おめでとうございます、元気な男の子ですよ」

私は、産まれた子の方に顔を向けた
『生きよう』と、必死に泣いている...

その姿を見て、涙が出た...


「良かったですね、無事に産まれて」



子供には『수하(suha)』と名付けた

『荷受け』という意味があり、『荷』(思い)を届けるように、という由来にぴったりだと思ったのだ


あと少し、入院生活が続く

私とスハと、二人で過ごす日々が楽しみだ
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