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第2章 水着少女と夜更けの逢瀬
恥じらいと『好き』をまぶして ※
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(……あれ、ひょっとして?)
と、思いがけず一つの推測が浮かんだのは、まさにそのときだ。
単なる勘違いかもしれない。けれど、喘ぎ声を抑えきれず漏らしてしまう度、肉棒を抱きすくめる柔肉の甘美な愉悦を味わっていると、つい試してみたくなってしまった。
「それにしても、やっぱりこの水着いいな。美亜の綺麗な背中、丸見えなのがよく見えるよ」
「ひゃ、うぅ……っ、何なの、急に……? あ……ぁ、はぁ……っ」
ピストンの勢いを緩め、剥き出しになった背中を背骨に沿って撫であげてやると、美亜はその軽い感触にくすぐったそうな声を上げた。
シミ一つとしてない、純白の背中。そこは仄かに赤みが差し、ピストンの度に駆け上る肉悦に乱れて艶めかしく表情を変える。せりだした肩甲骨の谷間が作り出す影も、妙に色っぽい。その縁をくすぐってみると美亜は背中を丸め、うっとりとため息を漏らした。
「へぇ、驚いた。背中でも感じるくらい、美亜はエッチな女の子なんだな」
「そっ、そんなことっ。今のはびっくりしただけでっ」
「じゃあ、こっちは何だ?」
「ふ、ぇ……っ?」
背すじに沿って、目線を下におろしていく。
豊かな丸尻が作り出す深い谷間。それを優しく押し広げてやれば、泡立って白く濁り始めた結合部の直上で、淡褐色の窄まりが呼吸するようにクポクポとわななくのがよく見えた。
バックの体勢で、これに気づかないふりをすることなどできはしない。
「シュン君、どこ見て……っ?」
「美亜のお尻の穴、だよ」
「ッ!」
振り返った美亜の頬が、その単語を聞いて一気に朱に染まる。
(やっぱり、そうだ……っ)
そして俊平はその瞬間、自分の想像が的を射ていた確信を抱いた。
「さっきから見ていたけど、突かれるたびにキュウって窄まったり緩んだりしてる。何だかこっちも感じてるみたいでいやらしいな」
「ばっ、ばかぁっ! なんでそんなとこっ、じっくり見るような場所じゃないでしょっ!?」
「そんなこと言ったって、この体位だとよく見えちゃうからな、お尻の穴。アナル、とも言うんだっけ。美亜はこんなところまで可愛いんだなって、ずっと感心してたよ」
「や、め……、み、見ないで……っ! そんなとこ、可愛いとか言わないでぇ……っ!」
美亜は後ろ手を必死に伸ばして、破廉恥な菊穴を隠そうと試みる。
だが、そんな邪魔な手は簡単に捕まえてしまって、ピストンを再開させつつ俊平は言葉を続けた。
「それに美亜は知ってるか。このバックって体位、動物の交尾と同じだってこと。今の俺と美亜、犬や猫みたく繋がって交尾してるんだぜ」
「こ、交尾とかぁ、やぁんっ……言わないで、よぉ……」
「本当に嫌か? 交尾って言葉聞いて、美亜のアソコがキュウって締まったんだけど。それにアナルを褒められたときだって、嬉しそうにヒクヒクってしたし。美亜の反応、挿入れてたら全部わかるんだからな」
「うそぉ……やだぁ、やぁだぁ……っ!」
あまりの羞恥に半泣きになりながらも、彼女が漏らす喘ぎ声はより粘度を増していた。
意地悪な言葉を投げかけるたびに今もまたキュンキュンと締まりを増し、男に媚びる膣穴。
それが美亜に被虐的嗜好が備わっている、何よりの証拠だった。
「思った通り、美亜って少しマゾっ気あるのな。将棋は攻め将棋のくせに、エッチの時は恥ずかしい事言われるだけで、こんなに感じちゃうんだ」
「そんなこと、ないっ。あたし、マゾなんかじゃあ――、あっ……、ひゃぁうぅっ!?」
イヤイヤする恋人を俊平は強引に抱き上げて、自分の膝の上にのせる。
膝立ちになった彼女を後ろから抱きすくめれば、ブラウンヘアの合間から覗く耳が美味しそうに赤く熟して、俊平の目の前で踊っていた。
(くそぉ、本当にかわいいなコイツっ。ちょっとからかうだけでこんなに恥ずかしがるくせに、オマンコ悦ばせて俺のペニスにしゃぶりついてくるんだから。こんなの意地悪するなって方が無理な話だろ……っ)
羞恥に、そして快楽に対して、あまりに無防備で素直な美亜。
自分の腕の中でくねり悶える恋人を、もっと淫らに啼かせてみたい。この少女の可憐なうわべを取り去って、生々しい女として本能を暴いてみたい。俊平はそんな嗜虐的な誘惑に駆られ、可愛らしい耳殻をつい甘噛みしてしまう。
けれど。
しゃくり上げるように小さな肩を震わせた美亜の姿に、彼はふと我に返った。
(……これ以上は美亜のこと、泣かしちゃいそうだな)
美亜を壊してしまいたいほどの劣情。
それは彼女を大切に思う分だけ深く、どす黒く渦巻いていた。
きっと俊平が望むならば、美亜は彼のすべてを受け入れてくれるだろう。
相手は一回り近く年少の少女だけれど、それだけの確信を得るほどの時間を二人で過ごしてきた。今夜、そして処女を捧げてくれた日だって、彼女は深い信愛とともに恋人に自らの肢体をゆだねてくれたのだ。
しかしだからこそ、俊平は踏みとどまれた。
愛する女の子を傷つけて、その信頼を裏切りたくはなかった。それが大人の男として、最後に守るべき一線と思えたからだ。
「ごめんな、美亜」
「あぅ……、シュン、君……?」
なるべく優しい声音で囁くと、美亜は陶然とした表情で振り返った。その前髪は汗に濡れた額に張り付き、喘ぎ疲れたように声が枯れかけていた。
「美亜が恥ずかしがるところが見たくて、いやらしいこと散々言った。酔っぱらった勢いでつい、な。悪かったと思ってる」
「はは、気づくの遅すぎだって。この変態ぃ、色欲魔ぁ。あたしのこ、と……、ぁ、はぁん……っ、なんだと、思ってるのかなぁ?」
「……本当にごめん。調子に乗り過ぎた」
快感に身じろぎしながらも、美亜はごくごく軽い調子で俊平に憎まれ口を寄越した。
言葉とは不思議なもので、謝罪を口にしていると今更ながらに罪悪感が湧き上がってくる。それゆえに、いつも通りの彼女の軽さが今の俊平には救いのように感じられた。
ただ、そんなやり取りをしている間に少し余裕を取り戻したのだろうか。ふたりの結合部にチラと目をやった美亜が、悪戯を見つけた時のように目を細めてみせた。
「でも、さぁ? 腰振りながら謝られただけじゃ、んっ、あぁ……っ! は、反省、感じられないんだけど……?」
残念ながら、それは確かに彼女の言うとおりと言わざるを得なかった。
速度を落としているとはいえ、俊平の腰は謝罪の言葉とは裏腹に淫らなストロークを繰り返していた。本音を言えば、もう肉棒の根元でフツフツと煮えたぎっている精液を思い切り吐き出したくてしょうがないのだ。それほどまでに美亜の膣内は甘美にうごめいて、生殖液を搾り出そうと剛直に絡みついてくるのだから。
美亜も粘膜越しにそれを感じ取ったのかもしれない。
彼女の細めた灰青の瞳が、妖しくきらめいたように見えた。
「さっきのこと、許してほしい?」
「いいのか?」
「目が必死すぎ。そんなに早く精液出して気持ちよくなりたいんだ?」
「……いや、ごめん」
「ふふ、冗談。でも、ホントに反省してるなら、罪滅ぼしにひとつお願い聞いてくれる?」
「……何でも聞く。美亜の言うことだったら、なんでも」
その返事は、あまりに前のめりすぎただろうか。
美亜の瞳が一瞬驚きに見開かれ、すぐにトロンと蕩けた。
「じゃあ、好きって言って」
その言葉と共に彼女の腰が反り、魅惑的な弾力が自身の腰に押し付けられるのを俊平は感じた。
「最後まで好きって言ってくれながらだったら、あたしで気持ちよくなってもいいよ?」
そう言い切ってしまうと、美亜はプイと背を向ける。
答えはいらない。それはただ、行動で示せばいい。
読み取ったその答えに〇をつけるように、俊平の手に彼女の手が重なった。
「……ごめん、美亜っ。好きだ、大好きだっ」
「シュンく……っ、あっ、ああぁっ、はあぁん、んあぁぁ……っ!」
絶叫にも似た愛の告白と共に俊平の腰が走り出し、はち切れんばかりに膨らんだ男性器官が蜜だくの秘芯を穿った。柔襞を隈なくかき乱すような大きなストローク。その一突き一突きごとに、可憐な白い喉から砂糖菓子のように切ない喘ぎ声が溢れ出る。
――もっと、もっとこの声が聞きたいっ。
そう願うとともにハッと気が付く。
自分がそう願うのと同じように、美亜は自分からの「好き」が聞きたかったのだ、と。
「あぁ、美亜ぁ……、好きだよ、愛してるっ」
「はぁ、ふぅうん……っ! ねぇもっと、もっと言ってぇ……っ」
ドロリとした吐息交じりにそう囁けば、腕の中で美亜の肉体は歓喜に打ち震えた。柳腰が悩ましくくねり、甘やかな膣の締め付けがペニスを悦ばせる。
そしてなにより、愛らしい子猫のような声音でのおねだり。
先ほどまでの嫌がって泣きそうな声は一体どこへやら。欲しがり屋の恋人の豹変に、ついつい俊平の頬は緩んだ。
「あぁ、美亜っ。好きだ、好きだよ。美亜のことが好きだ……っ」
それはたった二文字の、素朴きわまりない睦言ではある。
けれど、そのひとつひとつにふたり分の思い出と愛情をこめて囁けば、不思議と心地よい幸福感が全身に満ちていく。
将棋教室で初めて会ったときの、そっけない美亜。
大会で初めて勝ったことを教えてくれた時の、得意げな美亜。
冴えない師匠を必死になってコーディネートしてくれた、少し大人になった美亜。
研修会で初めての挫折を味わい、それを涙も見せずに報告してくれた美亜。
そして今年の春先、こんな自分に秘めた思いを告白してくれた美亜。
そんな彼女がずっとずっと、求めてやまなかった大切な言葉。
それを囁けるのが他の何者でもなく、自分だけの特権なのだということが、俊平は途方もなく嬉しかった。
「ねぇ。わかる、でしょ……? シュン君に好きって言われて、あたしのカラダ、喜んじゃってるってことぉ……っ」
媚びた流し目を悦びに潤ませながら、美亜は舌足らずに続ける。
「恥ずかしいとこ見せたくないのに、好きって言われるともうダメなのぉ……っ。嬉しくて頭いっぱいになっちゃって、お腹の奥がね、勝手にキュンキュンって疼いちゃうんだよ……? シュン君のこと、好き好きぃって、もっと欲しいよぉって、カラダが欲しがっちゃってるっ。……ねぇ、こんないやらしい彼女でも、ホントに好きっ?」
「好きに、決まってるだろっ! エッチな美亜なんて、むしろ最高だっ」
「んふぅ……っ、そっかぁ。じゃあ、さ。もうひとつ、お願い聞いて……?」
「なん、だっ?」
「……一緒に、イキたい。ふたりで気持ちよく、なろぉ……っ」
さっきからもう限界なんだ、と。
恥じらいを口元に含め、美亜は微笑む。けれども、その瞳に宿る、渇したような妖しい陰影までは誤魔化しきれていなかった。
そんな恋慕と愛欲に芯まで焦がれた乙女の誘惑に、一瞬で射精欲求が振り切れる。
「……くっ、美亜っ!」
「ひぃ、ぐぅ……っ!? ああぁっ、う、そぉっ……? シュン君の、また中で大きくなっ、た……っ」
「それは美亜の方も、だろっ! 俺のを欲しがるみたいに、膣穴きつく締め付けてるじゃないかっ。本当にいやらしくて可愛い彼女だよ、美亜はっ!」
「だってそれはシュン君がぁ……っ、あたしの一番奥ばっかり、グリグリってしてくるからぁ……っ、あぁんっ、はぁぅ……あはぁあぁぁ……っ!」
一分一秒でも長く、美亜を独り占めしていたい。
俊平のそんな密かな思惑は、より強固な欲情の波にあっという間に押し流されていく。
理性のかけらもない荒々しい往復運動が、バチュンッ、バチュンッと破廉恥な衝突音を奏でた。搗き立ての餅のような柔尻がひしゃげ、剥き出しにされたCカップバストも男の無骨な掌で揉みくちゃにされる。
乱暴で野性的な、体液濡れの肌と肌とのぶつかり合い。
それはすべて、二人きりで味わうとびきりの快楽のため。
息も切れ、全身の筋肉が引きつりそうになりながらも、もう目前に迫ったクライマックスにむしろ卑猥な腰つきは速まり、ラストスパートをかけていく。
「はぁうん……っ、すきぃ、だいすきだよぉ、シュンくん……っ」
「俺も大好きだよ、美亜っ。美亜ぁ……ッ」
「んふぅ……ッ! あ、たし、ィク……もぅ、だめ……、イクっ、イっちゃ、いそ……っ!」
「あぁっ、俺ももうイキそうだっ。美亜の膣内で、このまま全部出すからなっ!」
「う、うんっ……! いい、よっ……出してぇ……っ。このまま一緒に……、最後まで、いっしょにぃ……っ!」
そんな懇願の叫びが俊平の耳に届いた直後、肉棒に絡む柔肉がオーガズムを迎え、淫靡な搾精運動を開始した。キュッ、キュッと震えるような甘美な締め付けに、視界が白むほどの快感が背すじを駆け抜ける。同時に括約筋が反射的に緊張し、煮詰まった精液を一気に尿道へと押し上げた。
裏筋を駆け上った奔流が鈴口に至る、ほんの一瞬。
一、二秒ほどの至上の恍惚が思考を途絶させ、彼の身体から能動的な自由を奪う。
「あぁあ゛あぁぁぁ……ッ、こ、れ、やば……ん、くぅぅ……ッッ!」
「美亜ぁっ! もう、出る、出るぅ……ッ!」
押し寄せる絶頂快楽に、美亜の艶やかな肢体は跳ね上がるようにガクガクと痙攣した。
それはちょうど甘い痺れの中にあった恋人の腕さえもはねのけ、白い裸体を布団の上に投げ出させるほどに激しいものだった。そのために挿入が解けてしまうことなど、まったく思いもよらないことだったのだ。
それでも最後まで逃がさないとしがみつく膣襞に避妊具だけを持っていかれてしまう。
熱い湯の中のような胎内から不意に、ヒヤリとした外気に晒された抜身のペニス。
我慢の余地など、もうありはしなかった。
それは絶頂の余韻にくねる美亜の尻の上でブルンと震えると、先端の小裂から白濁液を勢いよく迸らせた。
「うぐぁ、美亜ぁ……っ!」
粘ついた生殖汁が弧を描き、恋人の下半身に降り注いでいく。
豊かな丸みを帯びた尻たぶが、ムチムチとした太ももが、そして彼女が身にまとうビキニショーツの黒色が、ドロリとした雄汁に塗れた。
清らかな少女の肌を、自らの汚汁で汚す。
その背徳的な快感がゾワリと背すじに走り、自慰行為では見られないほどに濃厚な白濁液が引きも切らず溢れ出て、なかなか収まりそうになかった。
「あぁ、シュン君の熱いのが、お尻にいっぱい……っ」
「ごめん、美亜。俺、そんなつもりじゃ……」
「ううん、いいの。こんなに射精しちゃうほど、あたしで気持ちよくなれたんだよね」
いまだヒクつくヴァギナにコンドームの抜け殻をはしたなく咥えこんだまま、顔を上げた美亜は陶然とした表情で俊平に微笑みかけた。
「まだあったかい……。ん、すごい濃くて、変な匂いかも」
「お、おいっ。今拭いてやるから、ちょっと待ってろって!」
尻にまとわりつく精液を美亜は指で掬い取り、あろうことかそれを鼻先へと運ぶ。それに慌てた俊平が部屋を見まわし、衣装タンスの上のティッシュ箱を取りに走った。
行為の疲労からまだ立ち直りきれていない彼の足取りを心配そうに眺めつつ、美亜はもう一度指先に視線を戻した。
「……これが、シュン君の」
背中を向けた恋人の目を盗み、それを舌先でペロリと舐めあげる。
「やっぱり、味も変」
ぽつりと零れた不満げな独り言。けれどそれとは裏腹に、彼女の横顔が高揚感に火照っていたことを、俊平は知る由もなかった。
と、思いがけず一つの推測が浮かんだのは、まさにそのときだ。
単なる勘違いかもしれない。けれど、喘ぎ声を抑えきれず漏らしてしまう度、肉棒を抱きすくめる柔肉の甘美な愉悦を味わっていると、つい試してみたくなってしまった。
「それにしても、やっぱりこの水着いいな。美亜の綺麗な背中、丸見えなのがよく見えるよ」
「ひゃ、うぅ……っ、何なの、急に……? あ……ぁ、はぁ……っ」
ピストンの勢いを緩め、剥き出しになった背中を背骨に沿って撫であげてやると、美亜はその軽い感触にくすぐったそうな声を上げた。
シミ一つとしてない、純白の背中。そこは仄かに赤みが差し、ピストンの度に駆け上る肉悦に乱れて艶めかしく表情を変える。せりだした肩甲骨の谷間が作り出す影も、妙に色っぽい。その縁をくすぐってみると美亜は背中を丸め、うっとりとため息を漏らした。
「へぇ、驚いた。背中でも感じるくらい、美亜はエッチな女の子なんだな」
「そっ、そんなことっ。今のはびっくりしただけでっ」
「じゃあ、こっちは何だ?」
「ふ、ぇ……っ?」
背すじに沿って、目線を下におろしていく。
豊かな丸尻が作り出す深い谷間。それを優しく押し広げてやれば、泡立って白く濁り始めた結合部の直上で、淡褐色の窄まりが呼吸するようにクポクポとわななくのがよく見えた。
バックの体勢で、これに気づかないふりをすることなどできはしない。
「シュン君、どこ見て……っ?」
「美亜のお尻の穴、だよ」
「ッ!」
振り返った美亜の頬が、その単語を聞いて一気に朱に染まる。
(やっぱり、そうだ……っ)
そして俊平はその瞬間、自分の想像が的を射ていた確信を抱いた。
「さっきから見ていたけど、突かれるたびにキュウって窄まったり緩んだりしてる。何だかこっちも感じてるみたいでいやらしいな」
「ばっ、ばかぁっ! なんでそんなとこっ、じっくり見るような場所じゃないでしょっ!?」
「そんなこと言ったって、この体位だとよく見えちゃうからな、お尻の穴。アナル、とも言うんだっけ。美亜はこんなところまで可愛いんだなって、ずっと感心してたよ」
「や、め……、み、見ないで……っ! そんなとこ、可愛いとか言わないでぇ……っ!」
美亜は後ろ手を必死に伸ばして、破廉恥な菊穴を隠そうと試みる。
だが、そんな邪魔な手は簡単に捕まえてしまって、ピストンを再開させつつ俊平は言葉を続けた。
「それに美亜は知ってるか。このバックって体位、動物の交尾と同じだってこと。今の俺と美亜、犬や猫みたく繋がって交尾してるんだぜ」
「こ、交尾とかぁ、やぁんっ……言わないで、よぉ……」
「本当に嫌か? 交尾って言葉聞いて、美亜のアソコがキュウって締まったんだけど。それにアナルを褒められたときだって、嬉しそうにヒクヒクってしたし。美亜の反応、挿入れてたら全部わかるんだからな」
「うそぉ……やだぁ、やぁだぁ……っ!」
あまりの羞恥に半泣きになりながらも、彼女が漏らす喘ぎ声はより粘度を増していた。
意地悪な言葉を投げかけるたびに今もまたキュンキュンと締まりを増し、男に媚びる膣穴。
それが美亜に被虐的嗜好が備わっている、何よりの証拠だった。
「思った通り、美亜って少しマゾっ気あるのな。将棋は攻め将棋のくせに、エッチの時は恥ずかしい事言われるだけで、こんなに感じちゃうんだ」
「そんなこと、ないっ。あたし、マゾなんかじゃあ――、あっ……、ひゃぁうぅっ!?」
イヤイヤする恋人を俊平は強引に抱き上げて、自分の膝の上にのせる。
膝立ちになった彼女を後ろから抱きすくめれば、ブラウンヘアの合間から覗く耳が美味しそうに赤く熟して、俊平の目の前で踊っていた。
(くそぉ、本当にかわいいなコイツっ。ちょっとからかうだけでこんなに恥ずかしがるくせに、オマンコ悦ばせて俺のペニスにしゃぶりついてくるんだから。こんなの意地悪するなって方が無理な話だろ……っ)
羞恥に、そして快楽に対して、あまりに無防備で素直な美亜。
自分の腕の中でくねり悶える恋人を、もっと淫らに啼かせてみたい。この少女の可憐なうわべを取り去って、生々しい女として本能を暴いてみたい。俊平はそんな嗜虐的な誘惑に駆られ、可愛らしい耳殻をつい甘噛みしてしまう。
けれど。
しゃくり上げるように小さな肩を震わせた美亜の姿に、彼はふと我に返った。
(……これ以上は美亜のこと、泣かしちゃいそうだな)
美亜を壊してしまいたいほどの劣情。
それは彼女を大切に思う分だけ深く、どす黒く渦巻いていた。
きっと俊平が望むならば、美亜は彼のすべてを受け入れてくれるだろう。
相手は一回り近く年少の少女だけれど、それだけの確信を得るほどの時間を二人で過ごしてきた。今夜、そして処女を捧げてくれた日だって、彼女は深い信愛とともに恋人に自らの肢体をゆだねてくれたのだ。
しかしだからこそ、俊平は踏みとどまれた。
愛する女の子を傷つけて、その信頼を裏切りたくはなかった。それが大人の男として、最後に守るべき一線と思えたからだ。
「ごめんな、美亜」
「あぅ……、シュン、君……?」
なるべく優しい声音で囁くと、美亜は陶然とした表情で振り返った。その前髪は汗に濡れた額に張り付き、喘ぎ疲れたように声が枯れかけていた。
「美亜が恥ずかしがるところが見たくて、いやらしいこと散々言った。酔っぱらった勢いでつい、な。悪かったと思ってる」
「はは、気づくの遅すぎだって。この変態ぃ、色欲魔ぁ。あたしのこ、と……、ぁ、はぁん……っ、なんだと、思ってるのかなぁ?」
「……本当にごめん。調子に乗り過ぎた」
快感に身じろぎしながらも、美亜はごくごく軽い調子で俊平に憎まれ口を寄越した。
言葉とは不思議なもので、謝罪を口にしていると今更ながらに罪悪感が湧き上がってくる。それゆえに、いつも通りの彼女の軽さが今の俊平には救いのように感じられた。
ただ、そんなやり取りをしている間に少し余裕を取り戻したのだろうか。ふたりの結合部にチラと目をやった美亜が、悪戯を見つけた時のように目を細めてみせた。
「でも、さぁ? 腰振りながら謝られただけじゃ、んっ、あぁ……っ! は、反省、感じられないんだけど……?」
残念ながら、それは確かに彼女の言うとおりと言わざるを得なかった。
速度を落としているとはいえ、俊平の腰は謝罪の言葉とは裏腹に淫らなストロークを繰り返していた。本音を言えば、もう肉棒の根元でフツフツと煮えたぎっている精液を思い切り吐き出したくてしょうがないのだ。それほどまでに美亜の膣内は甘美にうごめいて、生殖液を搾り出そうと剛直に絡みついてくるのだから。
美亜も粘膜越しにそれを感じ取ったのかもしれない。
彼女の細めた灰青の瞳が、妖しくきらめいたように見えた。
「さっきのこと、許してほしい?」
「いいのか?」
「目が必死すぎ。そんなに早く精液出して気持ちよくなりたいんだ?」
「……いや、ごめん」
「ふふ、冗談。でも、ホントに反省してるなら、罪滅ぼしにひとつお願い聞いてくれる?」
「……何でも聞く。美亜の言うことだったら、なんでも」
その返事は、あまりに前のめりすぎただろうか。
美亜の瞳が一瞬驚きに見開かれ、すぐにトロンと蕩けた。
「じゃあ、好きって言って」
その言葉と共に彼女の腰が反り、魅惑的な弾力が自身の腰に押し付けられるのを俊平は感じた。
「最後まで好きって言ってくれながらだったら、あたしで気持ちよくなってもいいよ?」
そう言い切ってしまうと、美亜はプイと背を向ける。
答えはいらない。それはただ、行動で示せばいい。
読み取ったその答えに〇をつけるように、俊平の手に彼女の手が重なった。
「……ごめん、美亜っ。好きだ、大好きだっ」
「シュンく……っ、あっ、ああぁっ、はあぁん、んあぁぁ……っ!」
絶叫にも似た愛の告白と共に俊平の腰が走り出し、はち切れんばかりに膨らんだ男性器官が蜜だくの秘芯を穿った。柔襞を隈なくかき乱すような大きなストローク。その一突き一突きごとに、可憐な白い喉から砂糖菓子のように切ない喘ぎ声が溢れ出る。
――もっと、もっとこの声が聞きたいっ。
そう願うとともにハッと気が付く。
自分がそう願うのと同じように、美亜は自分からの「好き」が聞きたかったのだ、と。
「あぁ、美亜ぁ……、好きだよ、愛してるっ」
「はぁ、ふぅうん……っ! ねぇもっと、もっと言ってぇ……っ」
ドロリとした吐息交じりにそう囁けば、腕の中で美亜の肉体は歓喜に打ち震えた。柳腰が悩ましくくねり、甘やかな膣の締め付けがペニスを悦ばせる。
そしてなにより、愛らしい子猫のような声音でのおねだり。
先ほどまでの嫌がって泣きそうな声は一体どこへやら。欲しがり屋の恋人の豹変に、ついつい俊平の頬は緩んだ。
「あぁ、美亜っ。好きだ、好きだよ。美亜のことが好きだ……っ」
それはたった二文字の、素朴きわまりない睦言ではある。
けれど、そのひとつひとつにふたり分の思い出と愛情をこめて囁けば、不思議と心地よい幸福感が全身に満ちていく。
将棋教室で初めて会ったときの、そっけない美亜。
大会で初めて勝ったことを教えてくれた時の、得意げな美亜。
冴えない師匠を必死になってコーディネートしてくれた、少し大人になった美亜。
研修会で初めての挫折を味わい、それを涙も見せずに報告してくれた美亜。
そして今年の春先、こんな自分に秘めた思いを告白してくれた美亜。
そんな彼女がずっとずっと、求めてやまなかった大切な言葉。
それを囁けるのが他の何者でもなく、自分だけの特権なのだということが、俊平は途方もなく嬉しかった。
「ねぇ。わかる、でしょ……? シュン君に好きって言われて、あたしのカラダ、喜んじゃってるってことぉ……っ」
媚びた流し目を悦びに潤ませながら、美亜は舌足らずに続ける。
「恥ずかしいとこ見せたくないのに、好きって言われるともうダメなのぉ……っ。嬉しくて頭いっぱいになっちゃって、お腹の奥がね、勝手にキュンキュンって疼いちゃうんだよ……? シュン君のこと、好き好きぃって、もっと欲しいよぉって、カラダが欲しがっちゃってるっ。……ねぇ、こんないやらしい彼女でも、ホントに好きっ?」
「好きに、決まってるだろっ! エッチな美亜なんて、むしろ最高だっ」
「んふぅ……っ、そっかぁ。じゃあ、さ。もうひとつ、お願い聞いて……?」
「なん、だっ?」
「……一緒に、イキたい。ふたりで気持ちよく、なろぉ……っ」
さっきからもう限界なんだ、と。
恥じらいを口元に含め、美亜は微笑む。けれども、その瞳に宿る、渇したような妖しい陰影までは誤魔化しきれていなかった。
そんな恋慕と愛欲に芯まで焦がれた乙女の誘惑に、一瞬で射精欲求が振り切れる。
「……くっ、美亜っ!」
「ひぃ、ぐぅ……っ!? ああぁっ、う、そぉっ……? シュン君の、また中で大きくなっ、た……っ」
「それは美亜の方も、だろっ! 俺のを欲しがるみたいに、膣穴きつく締め付けてるじゃないかっ。本当にいやらしくて可愛い彼女だよ、美亜はっ!」
「だってそれはシュン君がぁ……っ、あたしの一番奥ばっかり、グリグリってしてくるからぁ……っ、あぁんっ、はぁぅ……あはぁあぁぁ……っ!」
一分一秒でも長く、美亜を独り占めしていたい。
俊平のそんな密かな思惑は、より強固な欲情の波にあっという間に押し流されていく。
理性のかけらもない荒々しい往復運動が、バチュンッ、バチュンッと破廉恥な衝突音を奏でた。搗き立ての餅のような柔尻がひしゃげ、剥き出しにされたCカップバストも男の無骨な掌で揉みくちゃにされる。
乱暴で野性的な、体液濡れの肌と肌とのぶつかり合い。
それはすべて、二人きりで味わうとびきりの快楽のため。
息も切れ、全身の筋肉が引きつりそうになりながらも、もう目前に迫ったクライマックスにむしろ卑猥な腰つきは速まり、ラストスパートをかけていく。
「はぁうん……っ、すきぃ、だいすきだよぉ、シュンくん……っ」
「俺も大好きだよ、美亜っ。美亜ぁ……ッ」
「んふぅ……ッ! あ、たし、ィク……もぅ、だめ……、イクっ、イっちゃ、いそ……っ!」
「あぁっ、俺ももうイキそうだっ。美亜の膣内で、このまま全部出すからなっ!」
「う、うんっ……! いい、よっ……出してぇ……っ。このまま一緒に……、最後まで、いっしょにぃ……っ!」
そんな懇願の叫びが俊平の耳に届いた直後、肉棒に絡む柔肉がオーガズムを迎え、淫靡な搾精運動を開始した。キュッ、キュッと震えるような甘美な締め付けに、視界が白むほどの快感が背すじを駆け抜ける。同時に括約筋が反射的に緊張し、煮詰まった精液を一気に尿道へと押し上げた。
裏筋を駆け上った奔流が鈴口に至る、ほんの一瞬。
一、二秒ほどの至上の恍惚が思考を途絶させ、彼の身体から能動的な自由を奪う。
「あぁあ゛あぁぁぁ……ッ、こ、れ、やば……ん、くぅぅ……ッッ!」
「美亜ぁっ! もう、出る、出るぅ……ッ!」
押し寄せる絶頂快楽に、美亜の艶やかな肢体は跳ね上がるようにガクガクと痙攣した。
それはちょうど甘い痺れの中にあった恋人の腕さえもはねのけ、白い裸体を布団の上に投げ出させるほどに激しいものだった。そのために挿入が解けてしまうことなど、まったく思いもよらないことだったのだ。
それでも最後まで逃がさないとしがみつく膣襞に避妊具だけを持っていかれてしまう。
熱い湯の中のような胎内から不意に、ヒヤリとした外気に晒された抜身のペニス。
我慢の余地など、もうありはしなかった。
それは絶頂の余韻にくねる美亜の尻の上でブルンと震えると、先端の小裂から白濁液を勢いよく迸らせた。
「うぐぁ、美亜ぁ……っ!」
粘ついた生殖汁が弧を描き、恋人の下半身に降り注いでいく。
豊かな丸みを帯びた尻たぶが、ムチムチとした太ももが、そして彼女が身にまとうビキニショーツの黒色が、ドロリとした雄汁に塗れた。
清らかな少女の肌を、自らの汚汁で汚す。
その背徳的な快感がゾワリと背すじに走り、自慰行為では見られないほどに濃厚な白濁液が引きも切らず溢れ出て、なかなか収まりそうになかった。
「あぁ、シュン君の熱いのが、お尻にいっぱい……っ」
「ごめん、美亜。俺、そんなつもりじゃ……」
「ううん、いいの。こんなに射精しちゃうほど、あたしで気持ちよくなれたんだよね」
いまだヒクつくヴァギナにコンドームの抜け殻をはしたなく咥えこんだまま、顔を上げた美亜は陶然とした表情で俊平に微笑みかけた。
「まだあったかい……。ん、すごい濃くて、変な匂いかも」
「お、おいっ。今拭いてやるから、ちょっと待ってろって!」
尻にまとわりつく精液を美亜は指で掬い取り、あろうことかそれを鼻先へと運ぶ。それに慌てた俊平が部屋を見まわし、衣装タンスの上のティッシュ箱を取りに走った。
行為の疲労からまだ立ち直りきれていない彼の足取りを心配そうに眺めつつ、美亜はもう一度指先に視線を戻した。
「……これが、シュン君の」
背中を向けた恋人の目を盗み、それを舌先でペロリと舐めあげる。
「やっぱり、味も変」
ぽつりと零れた不満げな独り言。けれどそれとは裏腹に、彼女の横顔が高揚感に火照っていたことを、俊平は知る由もなかった。
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