陰キャの初恋愛(恋愛童貞卒業へ)

上村 春

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第1話 僕の陰生活

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 何の取り柄もない陰キャである僕は、毎日何も変わらない日常を送っている。それはまるで、6月19日を365日間繰り返し過ごしているようである。朝起きてから眠りにつくまでずっと。夢の中でもそうだ。毎日決まって暗い闇の中を歩き続ける夢を見る。走ることも、自転車に乗ることも無い。ただひたすら歩き続けるのだ。


 毎日何も変わらない日常について、簡単に説明する。朝目覚めてから家を出る瞬間まで、陽キャや陰キャ関係無く毎日繰り返し変わらぬ時間を過ごしている。6時45分に起床、6時52分までに朝食を終える、7時8分までにトイレ(大きい方)を終わらせる、7時30分までに歯磨きと洗顔を済ませる、家を出る、といったことだ。
 僕は人を脅すなら、「毎日何も変わらない日常を送らせるぞ」と言うだろう。それがどれだけ辛いことなのか、よく知っているからである。毎日楽しくても辛くても、変化という名の刺激があることが、どれだけ大切か。貴方達には分かるだろうか??


 ここまで読んで頂けたら分かると思うが、これは恋愛小説である。すまない、ここまででは恋愛小説かどうか判断できる訳がない。
 ここから主題を書く。この小説は、高校生である僕と綾乃の恋愛小説である。春と夏の季節の変わり目、6月20日からこの話は始まる。


 「今日も何も変わらない」っと言ってベッドから体を起こした。毎日太陽は昇り、そして沈む。何も変わらないその光景は、見ていて飽きる。僕はこの生活にとっくに飽きていた。
 僕の通っている高校はとても日当たりが良い。校舎は少し古いが、居心地は良かった。校庭はとても広くて日当たりがいい。スポーツをする人にとって最高の環境である。僕には関係のないことだが。
 今日は席替えの日だ。僕の願う席は左端の窓際の角。理由は単純。目立たないからである。そんな思いを抱きながら教室のドアを開けると、黒板に座席の位置が記載されていた。僕はゆっくりと自分の席がどこなのだろうか、黒板を凝視して探した。自分の席の位置を知った時、気づいたら天を仰いでいた。それは喜びの反応ではない。窓際の列から1つ右の列で、前から3番目。座席の位置は悪くない。問題はそこではないのだ。僕が1番隣になりたくなかったクラスの1番の陽キャ「綾乃」が隣の席だった。






 
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