上 下
24 / 24

第24話 サンタクロース殺人事件

しおりを挟む
 この国でも一夜に数千組のカップルが首締めSEXするという、あるクリスマス・イヴの出来事だ。

 裏本うらもと孝光たかみつが民家の煙突の内部でつかえた状態で死亡しているのが発見された。死因は凍死。裏本はサンタクロースの衣装を着ていた。

     🎅 🎅 🎅

 工口こうぐち警部はうんざりしていた。クリスマス・イヴにサンタの格好で空き巣に入るだけでも浅はかなのに、煙突に支えたまま死ぬなんて滑稽を通りこして、もはや痛々しい。恥の上塗りである。

「この男に見覚えはありませんか?」

 部下の朝立あさだちが家主の鞭馬むちうま夫妻に裏本の顔写真を見せている。

「「あッ!?」」
 すると鞭馬夫妻が同時に声を上げる。

「この男です、一ヶ月前くらいから私を付け回すようになったストーカーは!!」

「ご主人もこの男に見覚えがあるのですね?」

「……あ、ああ」

「警部、これは間抜けなストーカーの事故死で間違いなさそうですね」

「うむ、そうだな。早く帰ってホットテンガでシコるとするか」

「決め付けるには少し早すぎるよ、警部」

 そう言って現れたのはギャル探偵の肉倉ししくらエリカである。

「いや、しかしエリカちゃん、この状況はどう考えても間抜けな事故としか思えないぞ」

「そう思わせるのが犯人の狙いだとしたら? これはサンタクロースの見立て殺人である可能性がある。警部、長い棒があったら貸してくんない?」

「僕のチン棒で足りるかな?」

「……その皮付きポークビッツ、へし折るぞ」

 エリカは物干し竿の先にスマホを取り付けて、煙突の内部を調べている。

「……なるほど。犯人、わかったんだけど」

     🎅 🎅 🎅

「犯人は鞭馬夫人、あなたです」

「何を根拠にそんなことを!?」

「根拠はこれです」

 エリカがスマホで撮影した煙突内部の写真を鞭馬夫人に見せる。

『調査結果 鞭馬春子はるこには二人のセフレがいる』

「これって、まさか……!?」

「そうです。あなたがストーカーだと思って殺した裏本は、ご主人が雇った興信所の探偵だったのです。サンタクロースの空き巣に偽装して殺すアイデアは良かったけど、相手の身元まで確認しなかったのは失策でしたね」

 こうして事件は一件落着。今回も難事件であった。ふぅ。





エリカ「警部、文字数が警部のちんこの皮くらい余ったから謎かけやってよー」

工口「では。クリスマスと掛けまして、中高年の焼肉と解きます」

エリカ「その心は?」

工口「ロース、リブロース、肩ロースの

エリカ「警部はもうカルビよりロース派だもんね。メリー・クリスマス、良いお年を~♡」
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

中学生捜査season2

杉下右京
ミステリー
中学生捜査待望の新シーズンスタート! 天才の中学生とごく普通の中学生が事件を解き明かす壮大なスケールのミステリー小説、新たなステージへ!

RoomNunmber「000」

誠奈
ミステリー
ある日突然届いた一通のメール。 そこには、報酬を与える代わりに、ある人物を誘拐するよう書かれていて…… 丁度金に困っていた翔真は、訝しみつつも依頼を受け入れ、幼馴染の智樹を誘い、実行に移す……が、そこである事件に巻き込まれてしまう。 二人は密室となった部屋から出ることは出来るのだろうか? ※この作品は、以前別サイトにて公開していた物を、作者名及び、登場人物の名称等加筆修正を加えた上で公開しております。 ※BL要素かなり薄いですが、匂わせ程度にはありますのでご注意を。

【完結】残酷館殺人事件 完全なる推理

暗闇坂九死郞
ミステリー
名探偵・城ケ崎九郎と助手の鈴村眉美は謎の招待状を持って、雪山の中の洋館へ赴く。そこは、かつて貴族が快楽の為だけに拷問と処刑を繰り返した『残酷館』と呼ばれる曰くつきの建物だった。館の中には城ケ崎と同様に招待状を持つ名探偵が七名。脱出不能となった館の中で次々と探偵たちが殺されていく。城ケ崎は館の謎を解き、犯人を突き止めることができるのか!? ≪登場人物紹介≫ 鮫島 吾郎【さめじま ごろう】…………無頼探偵。 切石 勇魚【きりいし いさな】…………剣客探偵。 不破 創一【ふわ そういち】……………奇術探偵。 飯田 円【めしだ まどか】………………大食い探偵。 支倉 貴人【はせくら たかと】…………上流探偵。 綿貫 リエ【わたぬき りえ】……………女優探偵。 城ケ崎 九郎【じょうがさき くろう】…喪服探偵。 鈴村 眉美【すずむら まゆみ】…………探偵助手。 烏丸 詩帆【からすま しほ】……………残酷館の使用人。 表紙イラスト/横瀬映

【ショートショート】雨のおはなし

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
◆こちらは声劇、朗読用台本になりますが普通に読んで頂ける作品になっています。 声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

時の呪縛

葉羽
ミステリー
山間の孤立した村にある古びた時計塔。かつてこの村は繁栄していたが、失踪事件が連続して発生したことで、村人たちは恐れを抱き、時計塔は放置されたままとなった。17歳の天才高校生・神藤葉羽は、友人に誘われてこの村を訪れることになる。そこで彼は、幼馴染の望月彩由美と共に、村の秘密に迫ることになる。 葉羽と彩由美は、失踪事件に関する不気味な噂を耳にし、時計塔に隠された真実を解明しようとする。しかし、時計塔の内部には、過去の記憶を呼び起こす仕掛けが待ち受けていた。彼らは、時間が歪み、過去の失踪者たちの幻影に直面する中で、次第に自らの心の奥底に潜む恐怖と向き合わせることになる。 果たして、彼らは村の呪いを解き明かし、失踪事件の真相に辿り着けるのか?そして、彼らの友情と恋心は試される。緊迫感あふれる謎解きと心理的恐怖が交錯する本格推理小説。

一➕一

ターキー
ミステリー
今日本いや、世界は変わってしまった外に出る時はマスク着用、消毒、180度変わってしまった。しかし変わらない物は一つあるそれは人と人との繋がりだ、しかしもしその世界が嘘だったら!ミステリー風味もする物語が今始まる

処理中です...