人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々

文字の大きさ
上 下
345 / 389
『腸』――16日目

155.『もう逃げられない(1)』

しおりを挟む

 ――――PM20:00、会議室

筒井 惣子郎
「………………」

七瀬 和華
「………………」

竜崎 圭吾
「………………」

和歌野 岬
「………………」

本堂 空太
「………………。」
(…………重苦しい空気が、場を支配していた。
 もはや今日は、みんな、部屋にとじ込もっていた。
 八木沼の死を確認してから、果帆以外とこうして顔を合わせるのは初めてだった。

 …………5分ほど、経過しただろうか。
 重苦しい沈黙を破って、口を開いたのは筒井だった)

筒井 惣子郎
「…………もう、誤魔化しは効かない」

有栖川 直斗
「………………」

和歌野 岬
「…………遊びは、もう終わりね」

目黒 結翔
「…………なんだと?」

筒井 惣子郎
「やめろ。…………和歌野、言い方に気を付けてくれ」

本堂 空太
(筒井にはもう、普段の温厚さはなかった。
 再び、沈黙が支配する)



 ………………。



小田切 冬司
「…………人狼と用心棒、名乗り出て」


全員
「………………」


小田切 冬司
「…………そうすれば、全てが終わるんだ」

目黒 結翔
「そ、そうだ!
 人狼が自白すれば全ては解決するんだ!」

佐倉 小桃
「…………心中を目的とした自白は、全員の死……だったじゃないかしら」

目黒 結翔
「そ、それは…………でも、ここは会議室だろ?
 会議室では許可するって、パソコンでも書いてあったじゃねえかよっ」

乃木坂 朔也
「…………必要に迫らせた場合のみ、じゃなかったか?」

目黒 結翔
「必要に迫られてるだろ!
 みんなの、全員の命がかかってんだから!」

千景 勝平
「犯人と俺らの解釈は違うだろ。
 うっかり自白して全員死んだらどうするんだ? お前は」

目黒 結翔
「ああ!? そんなの俺が知ったことかよ!
 …………じゃ、自白しなくてもいいから、人狼はとっとと死んでくれよっ、
 勝手に自殺する分にはルール違反じゃねえだろ!」





【残り:14人】
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

【完結】共生

ひなこ
ミステリー
高校生の少女・三崎有紗(みさき・ありさ)はアナウンサーである母・優子(ゆうこ)が若い頃に歌手だったことを封印し、また歌うことも嫌うのを不審に思っていた。 ある日有紗の歌声のせいで、優子に異変が起こる。 隠された母の過去が、二十年の時を経て明らかになる?

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

愛する貴方の心から消えた私は…

矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。 周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。  …彼は絶対に生きている。 そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。 だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。 「すまない、君を愛せない」 そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。 *設定はゆるいです。

処理中です...