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『腸』――16日目
153.『朝の時間(2)』
しおりを挟む――――AM11:00、果帆の部屋
本堂 空太
(ここへ来て、16日目になった。
俺と果帆は、互いに無言で天井を見つめていた。
…………鬱状態なのは、こんなことがあったんだから、仕方ない。
勝平は恋人を失った。…………果帆は幼馴染みを失った。
声をかけてやるべきだろう。慰めてやるべきだろう…………。
…………でも、なにも言葉は出てこなかった)
間宮 果帆
「…………空太」
本堂 空太
「…………うん?」
間宮 果帆
「…………用心棒が裏切った。これで証明させた。
…………今日は、間違いなく誰かが処刑される……」
本堂 空太
「……………………」
(考えたくないや、そんなこと)
間宮 果帆
「………………空太」
本堂 空太
「うん…………?」
間宮 果帆
「……………………お前、『村人』だよな?」
本堂 空太
「………………」
間宮 果帆
「………………」
本堂 空太
「…………そうだよ。
俺は、村人だよ」
(なんのへんてつもない、……なんの役にも立たない、ただの村人だよ)
間宮 果帆
「…………あたしは、あんたと美海のことだけは、……信じてるから」
本堂 空太
「…………うん」
(俺も。果帆を信じよう。
村人として、…………一緒に、ここを出るんだ)
間宮 果帆
「…………空太」
本堂 空太
「…………うん」
間宮 果帆
「…………人狼を探そう」
本堂 空太
「………………うん」
(助けは、来ない。
…………もう、それしか方法はないんだ……)
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