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『腸』――3日目
100.『平穏な一日(2)』
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――――PM14:00、朔也の部屋
乃木坂 朔也
「……………………」
(何度も眺めてしまう…………閖白えりかの写真。
……美海は、美海だ。俺の中でそう結論が出たはずなのに、どうしても気になってしまう。
本人に聞くべきか。…………まずはアキラに聞くべきか。
この辺りの結論がまだ出ない)
乃木坂 朔也
「………………」
(…………とりあえずトイレ行くか)
……………………。
佐倉 小桃
「あ…………乃木坂くん」
乃木坂 朔也
「…………佐倉か」
(トイレの前で佐倉と出くわした。
昨日の電話を思い出す。すこし、気まずい)
佐倉 小桃
「…………疲れは取れたの?」
乃木坂 朔也
「ああ。…………ごめんな、気を遣わせて」
佐倉 小桃
「……謝らないでって言っても謝っちゃうのは乃木坂くんの性分よね。
いいのよ、気にしないで」
乃木坂 朔也
「…………ごめん。
……………………佐倉」
佐倉 小桃
「はい」
乃木坂 朔也
「返事は…………改めて、ちゃんとするから、
すこし時間をくれるか?」
佐倉 小桃
「ええ、…………ええ、いくらでも待つわ!」
乃木坂 朔也
「ありがとう。
…………それじゃ、な」
佐倉 小桃
「ええ、また」
(…………乃木坂くん、ありがとう)
乃木坂 朔也
「……………………」
…………。
乃木坂 朔也
(やっぱり、アキラと話をしよう。
そう思った俺は、部屋から新聞と例の金庫に入っていた写真を手に、アキラの部屋へと急いだ)
――――PM14:30、晶の部屋
コンコンコン――――
乃木坂 朔也
(ドアをノックすると、すぐにアキラが出てきた)
道明寺 晶
「おおー、誰だー?
…………って朔也か、どうした?
入っていいぜー?」
乃木坂 朔也
「ああ、入るぞ」
(俺はアキラの部屋へ足を踏み入れる。
……………………すると)
乃木坂 朔也
「……美、海…………」
白百合 美海
「あ、朔也!」
乃木坂 朔也
「…………ど、して」
(どうしてって…………恋人同士だから当然だよな……。
しかし、正直想定外だった。今は美海の顔が見れない。
俺は平然を装って、努めて明るく振る舞った)
乃木坂 朔也
「美海がいたのか、二人の邪魔しちゃ悪いな!」
白百合 美海
「あら、どうしたの、突然。
そんなこと普段は気にしないじゃない」
乃木坂 朔也
「いやまあそうだけど……」
道明寺 晶
「なんだ、朔也。…………話でもあるのか?」
乃木坂 朔也
「ああ、いや、なんでもないんだ。
暇だったから顔を出しただけだ。
…………じゃあな」
道明寺 晶
「? お、おお」
(…………なにを持ってんだ?
…………新聞? ………………まさか)
乃木坂 朔也
(俺はアキラの部屋を後にした)
**
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