人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々

文字の大きさ
上 下
285 / 389
『腸』――2日目

095.『夜の時間(12)』

しおりを挟む

**
 ――――AM00:00、美海の部屋

白百合 美海
(コンコンコンと部屋をノックする音が聞こえる。
 …………勝平くんだわ。早く出なくちゃ)


 ガチャ――――


白百合 美海
「勝平くん、本当に迎えにきてくれたのね」

千景 勝平
「おう」

白百合 美海
「ありがとうね」

千景 勝平
「ああ。…………行くぞ」

白百合 美海
「ええ」
(本当に心配性なんだから。
 …………今日は、直斗くんを襲撃するんだわ。
 …………用心棒。うまくいきますように)





 ――――AM00:03、応接間

小田切 冬司
「…………白百合さん、勝平くん」

白百合 美海
「おまたせ、小田切くん。
 伝言ありがとうね」

千景 勝平
「さて、行くか」

小田切 冬司
「だから勝平くんは決断が早いって」

千景 勝平
「大丈夫だろ?」

白百合 美海
「…………早く寝たいんでしょ?」

千景 勝平
「…………バレたか」

小田切 冬司
「ふふ、そーゆーことね」

千景 勝平
「昨日遅かったしあんま眠れなかったろ。
 今日はもう寝ちまいたいんだよな」

小田切 冬司
「…………じゃ、手短に話すけど。
 ……白百合さん、……今日の朔也はいったんなんだったの?
 君が原因でしょ」

白百合 美海
「んん~…………朝から元気なくて、
 …………あたしが原因なのかしら、それもわからなくて」

千景 勝平
「…………白百合が原因じゃないかもしれないだろ」

小田切 冬司
「いや、朔也と言えば白百合さんでしょ。
 …………で、俺思ったんだけどね、朔也は『占い師』なんじゃないかな?
 それで、白百合さんを占った。結果…………『人狼』だった」

千景 勝平
「…………なるほどな」

白百合 美海
「…………それじゃ、朔也はあたしを庇ってくれてるってことね」

小田切 冬司
「うん。そう考えると辻褄が合わない?」

千景 勝平
「…………俺も思ったんだけどさ、
 処刑も襲撃もなしなのに占いはしっかりできんのかな?」

小田切 冬司
「…………それは占い師にしかわからないね」

白百合 美海
「…………朔也が占い師…………でも、ありえるわね。
 あんな朔也は初めて見たもの」

千景 勝平
「とりあえず直斗んとこにいこう。
 …………話は後でもできるだろ」

小田切 冬司
「…………そうだね、そうしよう」

白百合 美海
「…………行きましょ」
**





【残り:16人】
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

僕は君を思うと吐き気がする

月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

真正なる道のり

etoshiyamakan
ミステリー
神奈川県に出向の刑事と彼を取り巻く警察仲間 のストーリー

放浪探偵の呪詛返し

紫音
ミステリー
※第7回ホラー・ミステリー小説大賞にて異能賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。 【あらすじ】  観光好きで放浪癖のある青年・永久天満は、なぜか行く先々で怪奇現象に悩まされている人々と出会う。しかしそれは三百年前から定められた必然だった。怪異の謎を解き明かし、呪いを返り討ちにするライトミステリー。 ※2024/11/7より第二部(第五章以降)の連載を始めました。  

サイキック捜査官 BLUE DRAGON

蒼井一
ミステリー
ある日、心臓病を患っていた涼は警視庁サイバーアイズのエージェントとなることで助かる見込みがある、サイキックディヴァージュ薬を投与される。しかし、それはもう一つの別人格が半永久的に埋め込まれるというものだった。 第三章突入。おまたせしました。新キャラ登場です。

処理中です...