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『腸』――2日目
080.『カップルたち』
しおりを挟む――――PM18:00、ダイニングルーム
本堂 空太
(カラオケ大会が終わった俺たちは各自2時間の休憩、と言うか自由時間を過ごした後、再びダイニングルームに集合していた。
白百合や七瀬等のお馴染みのメンバーが、今晩は中華料理を振る舞ってくれた。
チャーハン、シンジャオロース、エビチリ等、かなり豪華で、みんな満足していた。
料理をしている間、果帆や白百合の楽しそうな笑い声が聞こえてきてた。
昨日とはうって変わって、穏やかな時間だ)
竜崎 圭吾
「ご馳走さまー!」
白百合 美海
「ふふ、お粗末様でした」
目黒 結翔
「あー、旨かったぁ」
七瀬 和華
「作った甲斐があったわ」
筒井 惣子郎
「七瀬…………君は、良いお嫁さんになるな」
本堂 空太
「おお……っ?」
七瀬 和華
「ちょ、っと…………どうしたの突然、照れちゃうじゃない」
有栖川 直斗
「…………ひゅー」
千景 勝平
「いちゃつくなバカ」
小田切 冬司
「勝平くん、それ人に言える?」
千景 勝平
「…………(ちら)」
八木沼 由絵
「なあに? 勝平?」
千景 勝平
「…………だよな」
本堂 空太
「…………ですよねー」
佐倉 小桃
「うふふ」
間宮 果帆
「…………(じろり)」
本堂 空太
「…………もちろん果帆もなると思うよ」
間宮 果帆
「おう、わかってるなら良し」
道明寺 晶
「美海もいい嫁さんなるぜ?」
白百合 美海
「もう、アキラったら…………人前で……」
乃木坂 朔也
「……………………」
**(…………顔写真が載っていた新聞は、自分の部屋に隠した。
あれを俺以外が見付けたら大変だ。美海が…………きっと嫌な思いをする。
閖白えりかは、惨殺事件の被疑者の妹だった。
当時7歳だった彼女がなんらかの原因で行方不明になって、そして、成長した姿が今の白百合美海だ。
世間的には行方不明と言うことにして、養子になったのか? そんなこと可能なんだろうか。
そもそも下の名前も違うじゃないか。美海…………えりか…………なぜ、美海なんだ?
日本の法律上、失踪者等の行方不明者は7年を過ぎると死亡者と認定されると聞いたことがある。
つまり、閖白えりかはもう死んでるんだ。そして、墨谷昂太も。
………………墨谷昂太……、墨谷、昂太…………。
…………あれ、なにか思い出しそうだ。
この名前も、あの無邪気な笑顔も、どこかでぼんやりと見たことがないか?
そう、今は無邪気とはほど遠い朧気な輪郭の映像だけど…………どこかで……、どこかで……)**
道明寺 晶
「な、朔也」
乃木坂 朔也
「っ! あ、ああ」
**(驚いた。…………だめだ、何事もなかったかのようになんて振る舞えない。
アキラ…………お前は美海のこと、どこまで知ってるんだ?
どこまで知ってて付き合ってるんだ?
…………俺が知り得なかったことをお前が知ってるから、だから美海はお前と付き合うことにしたんじゃないのか?)**
道明寺 晶
「なんだよ、ぼーっとして」
白百合 美海
「まだ疲れが取れない?」
乃木坂 朔也
「あ、ああ…………取れてないのかもな」
本堂 空太
(あれ? 朔也、ますます様子がおかしい感じがする…………。
…………もしかして人狼を引いたのか?
…………まさか、だとしたら今更だよね。昨日は普通だったんだし)
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