人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々

文字の大きさ
上 下
221 / 389
『腸』――1日目

031.『施設探索(4)』

しおりを挟む
 ――――リビングルーム

佐倉 小桃
「白百合さん……、間宮さん……」

間宮 果帆
「……………………?」

白百合 美海
「なあに? 小桃ちゃん……」

佐倉 小桃
「……白百合さん、大丈夫?」

白百合 美海
「…………ごめんね、心配かけて。
 みんなも…………」

間宮 果帆
「あ……いや……」

八木沼 由絵
「そんなの気にしちゃダメだよ~……、
 友達なんだから心配くらいかけさせてよ……」

白百合 美海
「ありがとう、由絵」

八木沼 由絵
「……勝平も、様子がおかしいし……」

間宮 果帆
「…………今一番辛いのは、たぶん、勝平だ」

白百合 美海
「……秋尾くん…………」

佐倉 小桃
「白百合さん、思い出したんだけど、
 ……あたし、昨日あなたを見掛けたの」

白百合 美海
「本当……?」

佐倉 小桃
「ええ。教室で、水鳥さんたちと話してるところよ」

間宮 果帆
「そのときは……あたしもいたよな?」

白百合 美海
「うん…………」

佐倉 小桃
「あ、そっか……ごめんなさい、白百合さんしか見えなくて」

白百合 美海
「…………紗枝子ちゃんたちと、なにを話したかしら?」

間宮 果帆
「まあ……こんな風に話せるようになると思わなかったよな、とか、そんな話。
 あいつ、中等部の頃はずっと一匹狼だったじゃん?
 …………まあそれは今も変わんないけど」

和歌野 岬
「水鳥紗枝子…………。
 わたし、一度も話したことないわ」

小日向 花菜
「うちも、業務連絡以外は全然……」

七瀬 和華
「…………一年間だけど、クラスメイトだったのにね」

八木沼 由絵
「美海は健気だったよね~、
 軽くあしらわれちゃうのに、声かけてさ~……」

白百合 美海
「う、う~ん……、仲良くなりたかったし」

佐倉 小桃
「……仲良くなれたの?」

白百合 美海
「うん、昔よりはね」

間宮 果帆
「美海やあたしは、距離感がちょうどいいんだと。
 つるむ気はないけど、邪険にはされなくなったよな」

白百合 美海
「そうね」

佐倉 小桃
「……すごいね、白百合さん。
 あのね……あたし、中等部の頃、その……色々あったんだけど」

白百合 美海
「…………うん」

佐倉 小桃
「……知ってる?」

白百合 美海
「…………うん、少しだけど」

佐倉 小桃
「そっか…………。
 それでね、その頃に……弥重と、仲違いじゃないけど、傷付けちゃったことがあって。
 それから全然……弥重が、秋尾くんと付き合うようになってからも、話せなかったんだけど……、
 また同じクラスになって、最近、少しずつ……話せるようになったんだ」

白百合 美海
「……そうだったの……」

間宮 果帆
「……………………。」

七瀬 和華
「………………。」

佐倉 小桃
「…………人の心配してる場合じゃないけど、
 あたし…………どうすればいいのかしら……?」

白百合 美海
「……………………。」
**(……あたしたちが負ければ……弥重ちゃんもすぐに解放されるのかしら……?
 ねえ、…………勝平くん……)**

千景 勝平
**(…………俺たちが負ければ…………白百合、小田切……)**

間宮 果帆
「今は……なんとも言えないよ……、悪いけど」

八木沼 由絵
「………………そうだよね。
 佐倉さん、由絵もね、弥重ちゃんと仲良かったんだ~……。
 たまに、勝平と秋尾くんと弥重ちゃんの4人で遊んだりしたしぃ……。
 …………あたしも、無事でいてほしいけど、どうすればいいのか」

千景 勝平
「…………今は……、ここを出ることだけを考えよう。
 それで、都丸のことも、なんとかしよう…………秋尾のためにも」



 ………………。





【残り:16人】
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

【完結】共生

ひなこ
ミステリー
高校生の少女・三崎有紗(みさき・ありさ)はアナウンサーである母・優子(ゆうこ)が若い頃に歌手だったことを封印し、また歌うことも嫌うのを不審に思っていた。 ある日有紗の歌声のせいで、優子に異変が起こる。 隠された母の過去が、二十年の時を経て明らかになる?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

愛する貴方の心から消えた私は…

矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。 周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。  …彼は絶対に生きている。 そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。 だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。 「すまない、君を愛せない」 そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。 *設定はゆるいです。

ハイブリッド・ブレイン

青木ぬかり
ミステリー
「人とアリ、命の永さは同じだよ。……たぶん」  14歳女子の死、その理由に迫る物語です。

処理中です...