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――20日目
159.『和華の告白(3)』
しおりを挟む七瀬 和華
「…………よく考えて。
わたしが偽者だったら、わざわざ用心棒を騙る理由がある?」
小田切 冬司
「あるよ。…………処刑を免れるかもしれない」
七瀬 和華
「……みんなの嫌悪感を煽るってわかってるのに?」
小田切 冬司
「……そんなの今更でしょ」
有栖川 直斗
「待て、整理しよう。
…………えーっと、朔也が守られた時点で、用心棒の可能性があったのは」
小田切 冬司
「……俺、竜崎くん、七瀬さん、間宮さん、空太の5人だね」
本堂 空太
(小田切は手元のノートに目線を落としながら、そう言った。
……悪いけど俺も、七瀬が嘘を言っているようにしか思えない。苦し紛れの嘘を……)
小田切 冬司
「…………用心棒は自分自身を守れない。
……俺は、竜崎くんが用心棒だったんじゃないかって思ってるよ。
だからこそ今夜、こうして用心棒を騙る人が出てきたんだ。
昨晩死んでしまったから。殺してしまったから。
…………そして、嘘を吐くと言うことは、人狼の証だ」
七瀬 和華
「……そう言うのはね、暴論と言うのよ。
…………よく考えて。
もしわたしが人狼だとしたら、このタイミングで暴露すると本当に思う?」
小田切 冬司
「何度も言うようだけど思う。
…………処刑を免れるためにも。
もう、用心棒しか騙れる役職はないし」
間宮 果帆
「……………………」
佐倉 小桃
「…………話が並行線ね」
有栖川 直斗
「…………そうだな」
七瀬 和華
「……………………」
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