人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々

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――20日目

152.『朝の時間(2)』

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間宮 果帆
「……!!」

七瀬 和華
「……話は後で、ね。
 …………それでは」

佐倉 小桃
「待って和華。
 …………みんな、今の内に、
 …………みんながまだ冷静でいられる内に、
 状況整理だけでもしないかしら」

本堂 空太
「……状況整理?」

佐倉 小桃
「……うん。今まで……亡くなった人も含めて。」

小田切 冬司
「……そうだね。いいよ。
 それじゃあ、俺、ノートにまとめてあるから。
 …………ちょっと待ってね」

本堂 空太
(そう言って小田切はノートを取りに部屋へ戻った。
 しばらくして、やってきた)

小田切 冬司
「…………まず、
 人狼の襲撃を受けていたアキラ、朔也、直斗、筒井くん、竜崎くんは、
 ボーナスみたいだけど不動で村人確定だった。
 その分危険な役を買って出たんだから、当然だよね」

有栖川 直斗
「……そうだな。残りはもはや、俺一人だけど…………」

小田切 冬司
「……そして、村人と確定してた朔也が共有者だった。
 その朔也がもう一人の共有者だとカミングアウトしたのは……」

佐倉 小桃
「……あたしね」

小田切 冬司
「うん。…………つまり、現段階で確実に村人なのは、
 直斗と佐倉さんだけなんだ」

有栖川 直斗
「…………他のみんなは、等しく怪しいってことか」

小田切 冬司
「それぞれの見方によって違うけど、
 第三者から見たら、俺も、空太も、白百合さんも間宮さんも七瀬さんも、等しくグレーゾーンなんだ。
 まず白百合さんが本物の占い師かどうかってところだけど」

白百合 美海
「……待って。もしあたしが偽者だったら、本物が黙っていないはずよ。
 名乗りを上げたのは、裏切り者のサキちゃんだけだったわ」

小田切 冬司
「うん。俺もそう思うよ。
 …………なにより白百合さんは、俺を占って村人って言ってくれてるから、信頼してる。
 …………自分がただの村人だって言うのは、自分が一番よくわかってるからね」

有栖川 直斗
「…………アキラか由絵が、占い師だったって可能性は」

小田切 冬司
「ある。……でも、可能性はそんなに高くない。
 ……それに……白百合さんのカミングアウトは早かった。
 ……俺が人狼だったら、早い段階でそんなリスキーなことはしないと思うんだよね。
 もっと、慎重になってもいいはず。これは本物の殺人ゲームなんだから」





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