人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々

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――18日目

138.『夜の時間(4)』

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本堂 空太
(俺は…………おかしくなってしまったんだろうか。
 …………なんの感情も沸いてこない。
 …………果帆を愛しいと思う感情は、あんなにあったはずなのに)

本堂 空太
「…………俺、変になっちゃったのかな。
 なにも、思えないし……考えられないや。
 …………佐倉は違うの?」

佐倉 小桃
「……あたしはそうじゃないよ……」

本堂 空太
「……………………」
(…………あのこと、聞いちゃおうかな)

本堂 空太
「……佐倉はさ、…………朔也のことが好きなの?」

佐倉 小桃
「…………どうして?」

本堂 空太
「…………どうしてかな」
(なにも感じないはずなのに、それだけは…………無性に気になった)

佐倉 小桃
「…………隠すことでもないわよね。
 …………好きよ。ずっと、昔から、大好き」

本堂 空太
「……………………」
(……こんな状況なのに、軽くショックを受ける自分がいた)

本堂 空太
「そっか…………」

佐倉 小桃
「…………例え、彼が白百合さんしか見ていなくてもね」

本堂 空太
「…………そっか」

佐倉 小桃
「でも、好きってそう言うものよ。
 …………なにがあっても、相手に寄り添ってしまうものよ」

本堂 空太
「……………………」
(その論法で行くと…………俺は果帆のことが好きじゃないのかな。
 …………もうよく、わからないや)

佐倉 小桃
「…………あった」

本堂 空太
「え…………?」

佐倉 小桃
「あんパンだけど…………、
 揚げパンよりはマシよね」

本堂 空太
「…………そうだね」

佐倉 小桃
「……戻りましょう」

本堂 空太
「…………うん」
(俺と佐倉はリビングに戻った。
 10個のあんパンを持って。

 戻ると、今度こそ全員集合していた。
 ちょうど、直斗がシャワーに行こうとしてたところみたいだった。
 それぞれにあんパンを配って、その日は解散になった。

 …………その前に、果帆が話し掛けてきた。

 なのに…………俺は、

 無視してしまったんだ…………)





――――18日目、終了





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