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――18日目
136.『夜の時間(2)』
しおりを挟む――――PM21:30、リビングルーム
本堂 空太
(…………女の子たちをリビングに戻した後、和歌野の遺体は、男子たちがロッカールームに運んだ。
…………小日向の、横へ……。
血で汚れてしまった、果帆と竜崎と勝平、それから白百合と朔也はシャワールームへ行った。
たぶん、女子と男子で分かれて入るんだろう。
七瀬と佐倉が倉庫から着替えを運んで行って、今、リビングに戻ってきたところだ。
悲痛な面持ちで…………。
他のみんな――俺、直斗、小田切、七瀬、佐倉――は、リビングルームに集合していた)
有栖川 直斗
「…………いつまで続ける、こんなこと」
小田切 冬司
「…………村人か、人狼か、
…………どちらかが勝利するまででしょう」
佐倉 小桃
「…………なぜそんなに冷静に考えられるの?」
小田切 冬司
「…………人狼が誰なのか、目処が立ったから、……かな」
本堂 空太
(そう言って小田切は、七瀬にちらりと目を配った)
七瀬 和華
「…………わたしは違うわよ」
小田切 冬司
「じゃあ白百合さんが嘘を吐いてるんだ。
…………本物の占い師、誰なんだろうなあ……」
七瀬 和華
「……………………」
有栖川 直斗
「…………なあ、やめないか?
今は誰も冷静じゃないし……不毛、とは思わないけど、
けど、話し合うのは今じゃないと思うんだ。
…………みんな、疲れてる」
本堂 空太
「…………そう、だね」
(かろうじて相槌だけは打った。
……俺は、喋る気にもなれない。
…………和歌野は意外と気が強い子だったけど、
でも、お嬢様みたいにおしとやかな女の子だった。
…………そんな子があんな笑い声を上げて、平然と友達を裏切って、
…………そして、あんな死に方をしたんだ)
佐倉 小桃
「…………なにか、食べましょ。
体力だけはつけなくちゃ。
…………食欲はないけど、ね」
七瀬 和華
「そうね、……間宮さんたちのためにも、そうしましょ。
でも…………作る気にもなれないわね」
佐倉 小桃
「…………パンがあったから。
取ってくるわ」
本堂 空太
「……………………じゃあ、
俺も一緒にいくよ…………」
(ギスギスした雰囲気に絶えられなかった)
佐倉 小桃
「……ありがとう、本堂くん」
本堂 空太
「うん…………」
(俺と佐倉は、その場を後にした)
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