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――16日目
104.『夜の時間(1)』
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――――PM21:10、死体安置所
本堂 空太
(………………………………。
目黒の遺体は、『死体安置所』と称された部屋へ男連中が運んで行った。
…………俺は、なにもしていない。
…………ただ、後ろを着いて行っただけだ。
本当は手伝わなきゃダメだったのに、脱力感がひどすぎて動けそうもなかった。
目黒は、秋尾が閉じ込められているロッカーの隣へ、並ぶように押し込められた。
…………さっきまで生きて騒いでいた目黒は…………死んだんだ。俺たちが殺したんだ)
小田切 冬司
「…………戻ろう」
乃木坂 朔也
「そうだな…………」
本堂 空太
(死体安置所をみんなで出ようとしたところで、直斗がみんなを引き留めた)
有栖川 直斗
「待ってくれ! 俺、俺やっぱり、納得いかねえよ!」
筒井 惣子郎
「直斗…………もう、始まってしまったんだ、後には戻れない」
小田切 冬司
「そうだよ、直斗。
…………俺だって、悔しいけどさ。結局、犯人の思うがままなのは」
有栖川 直斗
「…………本当に悔しいと思ってるか?」
小田切 冬司
「え?」
有栖川 直斗
「だってお前…………お前さっき、なんか生き生きとしてたろ。
ゲームをやりたいって一番思ってるのはお前なんじゃないのか?」
小田切 冬司
「…………一番ゲームをしたがってるのはさ、
…………用心棒でしょ。用心棒がこの事態を招いたんだから」
有栖川 直斗
「じゃあ…………お前が用心棒なのか?」
小田切 冬司
「どうしてそうなるの?」
有栖川 直斗
「……じゃあ、人狼か?」
本堂 空太
(直斗は珍しく、感情的になってるみたいだった。
泣きそうな顔でそう問い掛ける直斗に、小田切はうんざりしたような表情で応えた。
…………こんな顔の小田切だって、珍しいことに違いはないんだ)
小田切 冬司
「なんの変鉄もないただの村人だけど、残念ながら。
…………俺が人狼や用心棒だったら、もっと地味に振る舞うね。
…………自分の意見述べてただけで、楽しそうとか言われても。
本当に…………この状況を俺が楽しんでると思ってるの?
仲の良かった目黒くんを殺して楽しんでると思ってるの!?」
本堂 空太
(ついに小田切は声を荒げた。
…………そりゃそうだ。そんな不本意なこと言われて、俺でも黙ってられるわけがない)
有栖川 直斗
「…………すまん」
小田切 冬司
「…………俺の方こそ」
筒井 惣子郎
「とにかく…………戻ろう。
今は女子が入浴しているが…………戻ったら、シャワー浴びて少しでもさっぱりしよう。
…………こんなところにいつまでもいたくない」
竜崎 圭吾
「……そりゃ、違いねえや」
本堂 空太
「……………………」
(…………俺たちは死体安置所を後にした)
【残り:13人】
本堂 空太
(………………………………。
目黒の遺体は、『死体安置所』と称された部屋へ男連中が運んで行った。
…………俺は、なにもしていない。
…………ただ、後ろを着いて行っただけだ。
本当は手伝わなきゃダメだったのに、脱力感がひどすぎて動けそうもなかった。
目黒は、秋尾が閉じ込められているロッカーの隣へ、並ぶように押し込められた。
…………さっきまで生きて騒いでいた目黒は…………死んだんだ。俺たちが殺したんだ)
小田切 冬司
「…………戻ろう」
乃木坂 朔也
「そうだな…………」
本堂 空太
(死体安置所をみんなで出ようとしたところで、直斗がみんなを引き留めた)
有栖川 直斗
「待ってくれ! 俺、俺やっぱり、納得いかねえよ!」
筒井 惣子郎
「直斗…………もう、始まってしまったんだ、後には戻れない」
小田切 冬司
「そうだよ、直斗。
…………俺だって、悔しいけどさ。結局、犯人の思うがままなのは」
有栖川 直斗
「…………本当に悔しいと思ってるか?」
小田切 冬司
「え?」
有栖川 直斗
「だってお前…………お前さっき、なんか生き生きとしてたろ。
ゲームをやりたいって一番思ってるのはお前なんじゃないのか?」
小田切 冬司
「…………一番ゲームをしたがってるのはさ、
…………用心棒でしょ。用心棒がこの事態を招いたんだから」
有栖川 直斗
「じゃあ…………お前が用心棒なのか?」
小田切 冬司
「どうしてそうなるの?」
有栖川 直斗
「……じゃあ、人狼か?」
本堂 空太
(直斗は珍しく、感情的になってるみたいだった。
泣きそうな顔でそう問い掛ける直斗に、小田切はうんざりしたような表情で応えた。
…………こんな顔の小田切だって、珍しいことに違いはないんだ)
小田切 冬司
「なんの変鉄もないただの村人だけど、残念ながら。
…………俺が人狼や用心棒だったら、もっと地味に振る舞うね。
…………自分の意見述べてただけで、楽しそうとか言われても。
本当に…………この状況を俺が楽しんでると思ってるの?
仲の良かった目黒くんを殺して楽しんでると思ってるの!?」
本堂 空太
(ついに小田切は声を荒げた。
…………そりゃそうだ。そんな不本意なこと言われて、俺でも黙ってられるわけがない)
有栖川 直斗
「…………すまん」
小田切 冬司
「…………俺の方こそ」
筒井 惣子郎
「とにかく…………戻ろう。
今は女子が入浴しているが…………戻ったら、シャワー浴びて少しでもさっぱりしよう。
…………こんなところにいつまでもいたくない」
竜崎 圭吾
「……そりゃ、違いねえや」
本堂 空太
「……………………」
(…………俺たちは死体安置所を後にした)
【残り:13人】
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