112 / 389
――16日目
104.『夜の時間(1)』
しおりを挟む
――――PM21:10、死体安置所
本堂 空太
(………………………………。
目黒の遺体は、『死体安置所』と称された部屋へ男連中が運んで行った。
…………俺は、なにもしていない。
…………ただ、後ろを着いて行っただけだ。
本当は手伝わなきゃダメだったのに、脱力感がひどすぎて動けそうもなかった。
目黒は、秋尾が閉じ込められているロッカーの隣へ、並ぶように押し込められた。
…………さっきまで生きて騒いでいた目黒は…………死んだんだ。俺たちが殺したんだ)
小田切 冬司
「…………戻ろう」
乃木坂 朔也
「そうだな…………」
本堂 空太
(死体安置所をみんなで出ようとしたところで、直斗がみんなを引き留めた)
有栖川 直斗
「待ってくれ! 俺、俺やっぱり、納得いかねえよ!」
筒井 惣子郎
「直斗…………もう、始まってしまったんだ、後には戻れない」
小田切 冬司
「そうだよ、直斗。
…………俺だって、悔しいけどさ。結局、犯人の思うがままなのは」
有栖川 直斗
「…………本当に悔しいと思ってるか?」
小田切 冬司
「え?」
有栖川 直斗
「だってお前…………お前さっき、なんか生き生きとしてたろ。
ゲームをやりたいって一番思ってるのはお前なんじゃないのか?」
小田切 冬司
「…………一番ゲームをしたがってるのはさ、
…………用心棒でしょ。用心棒がこの事態を招いたんだから」
有栖川 直斗
「じゃあ…………お前が用心棒なのか?」
小田切 冬司
「どうしてそうなるの?」
有栖川 直斗
「……じゃあ、人狼か?」
本堂 空太
(直斗は珍しく、感情的になってるみたいだった。
泣きそうな顔でそう問い掛ける直斗に、小田切はうんざりしたような表情で応えた。
…………こんな顔の小田切だって、珍しいことに違いはないんだ)
小田切 冬司
「なんの変鉄もないただの村人だけど、残念ながら。
…………俺が人狼や用心棒だったら、もっと地味に振る舞うね。
…………自分の意見述べてただけで、楽しそうとか言われても。
本当に…………この状況を俺が楽しんでると思ってるの?
仲の良かった目黒くんを殺して楽しんでると思ってるの!?」
本堂 空太
(ついに小田切は声を荒げた。
…………そりゃそうだ。そんな不本意なこと言われて、俺でも黙ってられるわけがない)
有栖川 直斗
「…………すまん」
小田切 冬司
「…………俺の方こそ」
筒井 惣子郎
「とにかく…………戻ろう。
今は女子が入浴しているが…………戻ったら、シャワー浴びて少しでもさっぱりしよう。
…………こんなところにいつまでもいたくない」
竜崎 圭吾
「……そりゃ、違いねえや」
本堂 空太
「……………………」
(…………俺たちは死体安置所を後にした)
【残り:13人】
本堂 空太
(………………………………。
目黒の遺体は、『死体安置所』と称された部屋へ男連中が運んで行った。
…………俺は、なにもしていない。
…………ただ、後ろを着いて行っただけだ。
本当は手伝わなきゃダメだったのに、脱力感がひどすぎて動けそうもなかった。
目黒は、秋尾が閉じ込められているロッカーの隣へ、並ぶように押し込められた。
…………さっきまで生きて騒いでいた目黒は…………死んだんだ。俺たちが殺したんだ)
小田切 冬司
「…………戻ろう」
乃木坂 朔也
「そうだな…………」
本堂 空太
(死体安置所をみんなで出ようとしたところで、直斗がみんなを引き留めた)
有栖川 直斗
「待ってくれ! 俺、俺やっぱり、納得いかねえよ!」
筒井 惣子郎
「直斗…………もう、始まってしまったんだ、後には戻れない」
小田切 冬司
「そうだよ、直斗。
…………俺だって、悔しいけどさ。結局、犯人の思うがままなのは」
有栖川 直斗
「…………本当に悔しいと思ってるか?」
小田切 冬司
「え?」
有栖川 直斗
「だってお前…………お前さっき、なんか生き生きとしてたろ。
ゲームをやりたいって一番思ってるのはお前なんじゃないのか?」
小田切 冬司
「…………一番ゲームをしたがってるのはさ、
…………用心棒でしょ。用心棒がこの事態を招いたんだから」
有栖川 直斗
「じゃあ…………お前が用心棒なのか?」
小田切 冬司
「どうしてそうなるの?」
有栖川 直斗
「……じゃあ、人狼か?」
本堂 空太
(直斗は珍しく、感情的になってるみたいだった。
泣きそうな顔でそう問い掛ける直斗に、小田切はうんざりしたような表情で応えた。
…………こんな顔の小田切だって、珍しいことに違いはないんだ)
小田切 冬司
「なんの変鉄もないただの村人だけど、残念ながら。
…………俺が人狼や用心棒だったら、もっと地味に振る舞うね。
…………自分の意見述べてただけで、楽しそうとか言われても。
本当に…………この状況を俺が楽しんでると思ってるの?
仲の良かった目黒くんを殺して楽しんでると思ってるの!?」
本堂 空太
(ついに小田切は声を荒げた。
…………そりゃそうだ。そんな不本意なこと言われて、俺でも黙ってられるわけがない)
有栖川 直斗
「…………すまん」
小田切 冬司
「…………俺の方こそ」
筒井 惣子郎
「とにかく…………戻ろう。
今は女子が入浴しているが…………戻ったら、シャワー浴びて少しでもさっぱりしよう。
…………こんなところにいつまでもいたくない」
竜崎 圭吾
「……そりゃ、違いねえや」
本堂 空太
「……………………」
(…………俺たちは死体安置所を後にした)
【残り:13人】
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説

聖女のわたしを隣国に売っておいて、いまさら「母国が滅んでもよいのか」と言われましても。
ふまさ
恋愛
「──わかった、これまでのことは謝罪しよう。とりあえず、国に帰ってきてくれ。次の聖女は急ぎ見つけることを約束する。それまでは我慢してくれないか。でないと国が滅びる。お前もそれは嫌だろ?」
出来るだけ優しく、テンサンド王国の第一王子であるショーンがアーリンに語りかける。ひきつった笑みを浮かべながら。
だがアーリンは考える間もなく、
「──お断りします」
と、きっぱりと告げたのだった。
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。

あなたのファンになりたくて
こうりこ
ミステリー
八年前、人気漫画家が自宅で何者かに殺された。
正面からと、後ろから、鋭利なもので刺されて殺された。警察は窃盗目的の空き巣犯による犯行と断定した。
殺された漫画家の息子、馨(かおる)は、真犯人を突き止めるためにS N Sに漫画を投稿する。
かつて母と共に漫画を描いていたアシスタント3名と編集者を集め、馨は犯人探しの漫画連載を開始する。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる