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――16日目

096.『16日目の投票(3)』

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全員
「……………………」


目黒 結翔
「俺は白百合を信じる…………」

白百合 美海
「じゃ、じゃあ!
 サキちゃん、占いの方法は知ってるの?」

和歌野 岬
「…………知ってるけど」

白百合 美海
「言ってみてちょうだいよ。…………ねえ」

和歌野 岬
「…………美海が先に言いなさいよ」

白百合 美海
「……………………」

乃木坂 朔也
「待て。…………美海、昨晩まで、誰を占ってたんだ?」

白百合 美海
「……………………」

乃木坂 朔也
「…………ここに来て16日目だ。
 全員分、回れたろ」

白百合 美海
「……………………」

本堂 空太
(…………白百合は、ゆっくり首を振るった)

乃木坂 朔也
「…………なんで」

白百合 美海
「わからないけど…………初日、11時にパソコンの電源入れたけど、
 あのね…………11時になるとね、パソコンの電源が入るようになっていたの。
 それで、画面にみんなの名前が羅列されたんだけど……『本日の占いはできません』って、そう文字が表示されたの。
 だからね、占えなかったの。次の日もそうだった。
 だから、なーんだ使えないんだと思って、それで、それからは見てないの。
 …………見てなかったの、昨日の晩までは」

七瀬 和華
「…………昨日の晩?」

有栖川 直斗
「…………昨日は、占えたのか?」

白百合 美海
「………………うん。
 たぶん…………アキラが、……死んだからだと思うっ」

本堂 空太
(…………白百合はそう言って、すこし鼻を啜った。
 アキラのことを思い出したせいだろう)

間宮 果帆
「美海…………誰を占ったの?」

白百合 美海
「…………ごめんなさい。こんなことになると思わなかったから。
 ……………………本堂くんよ」

本堂 空太
「え、俺?」

白百合 美海
「うん…………村人だった」


全員
「……………………」


本堂 空太
「……なんで俺占ったの?」

白百合 美海
「……あたしも色々考えたんだけど、
 朔也、それに直斗くん、筒井くんと竜崎くんは、間違いなく村人なんでしょ?
 ……残る男の子たち、本堂くん、それに勝平くん、結翔くん、小田切くんの中で、誰が人狼だったら一番恐いかなって考えたの。
 …………頭の良い小田切くんが人狼だったらすごく嫌だけど、それより…………親友の果帆の恋人で、なにも害のなさそうなあなたが人狼だったら…………実は一番、それが恐いんじゃないかって。
 …………だから、あたし」

本堂 空太
「…………それって、俺は無害なの?
 こわいやつなの?」

白百合 美海
「だから、無害そうな人が人狼だったら恐いなって。
 …………だって、票が集まらないでしょ?」


全員
「……………………」


竜崎 圭吾
「…………なるほどな」

小田切 冬司
「確かに、空太は可もなく不可もなくって感じだもんね」

本堂 空太
(…………軽く貶されたことに、今は怒りも湧いてこなかった)

佐倉 小桃
「…………なんか、白百合さんの言っていることは、筋が通っている気がするわ」

白百合 美海
「…………でもね。彼は村人だった。
 …………だから、大丈夫。安心して、果帆」

間宮 果帆
「…………ありがとう」





【残り:14人】
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