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――2日目
058.『2日目、夜の時間(5)』
しおりを挟む乃木坂 朔也
「ああ。
……話を戻すけど、それじゃやっぱり、どこか遠いところで傍観してるってことだよな? 俺たちのことを。
……誰なんだ、いったい」
道明寺 晶
「誰かまではわからないが、誰に執着してるのかは、だいたい予想がつく」
乃木坂 朔也
「…………。」
道明寺 晶
「このメンバーの中で、その可能性があるとしたら、俺、朔也、勝平、筒井、そして、美海だ」
乃木坂 朔也
「…………俺たちが知らない人間関係だってあるだろ」
道明寺 晶
「まあな。だからこれは、俺が推測可能な範囲での話だ。
俺もお前も、女がらみで怨みを買った覚えは?」
乃木坂 朔也
「…………あると言えばあるし、ないと言えばないさ」
道明寺 晶
「俺は大あり。まさかの人選ミスで傷付けちゃった子が、何人か思い当たる」
乃木坂 朔也
「俺も……プライドの高い子は、結構傷付けたかもしれないな。
だからと言って、自分を殺して付き合うなんてことできないんだから、間違いじゃなかったと思ってるけど」
道明寺 晶
「勝平は女がらみと言うよりは、今まで負かした誰かだろうな」
乃木坂 朔也
「報復か」
道明寺 晶
「ああ。筒井と美海は……嫉妬かな」
乃木坂 朔也
「美海はともかく筒井は…………生徒会長を狙ってた奴にか? そうしたら、生徒会役員ってことにならないか?
俺たちに縁があって、役員をやってるのって……」
道明寺 晶
「泉沢だろ」
乃木坂 朔也
「ああ……」
本堂 空太
「…………ああ」
(泉沢……、泉沢 千恵梨(いずみさわ ちえり)。
中等部時代の三年間、筒井と一緒に学級委員長をしていた女子だ。
活発で清々しい感じの女の子だったけど、朔也を好きすぎるあまり、佐倉を仲間はずれにしたり都丸を保健室送りにしたり、結構ねちっこいことしてたんだよな。
これは、果帆からの情報で最近知ったことだ。
俺は泉沢のそう言う一面を知らなかったから、めちゃくちゃしっかりした仕切り屋の委員長って感じで見てたけど、…………人間ってこえーよな)
道明寺 晶
「泉沢と考えると腑に落ちるところがあるんだよな。筒井、七瀬、佐倉、お前、俺、そして、美海」
乃木坂 朔也
「……嫌われてたもんなー、お前」
本堂 空太
「…………そうなの?」
道明寺 晶
「ああ。な? お前……朔也と仲良いってだけでな。
とにかく……泉沢がリークした犯人だとすると、繋がりが見える。お前に対する異常な執着もそうだし、筒井や七瀬、佐倉や美海に対する復讐でもあるってわけだ。」
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