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――1日目
010.『見せしめ(1)』
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-----------------------------------------------
秋尾 俶伸
《クッソっ、弥重……! 弥重っ……!》
都丸 弥重
《俶くん……っ、こわいよ…………っ!》
-----------------------------------------------
八木沼 由絵
「うそ!? 秋尾くんと、弥重ちゃんだよっ、
…………勝平っ」
千景 勝平
「ああ、ああっ!」
-----------------------------------------------
秋尾 俶伸
《弥重……、大丈夫だっ、すぐに俺が!》
-----------------------------------------------
本堂 空太
「………………っ」
(秋尾 俶伸(あきお よしのぶ)。それに、都丸 弥重(とまる やえ)。
この二人も、元クラスメイトで、中3の頃からお似合いのカップルだ。
秋尾は、勝平と同じような非行少年で、よくつるんでいたし、今もかなり仲が良いはずだ。
背は高くないけど筋肉質な体型で、たぶん、ケンカも強い。
けど本人は、あまり精力がないと言うか、無気力でぼーっとしてる印象が強い。
少なくとも同じクラスだった時は、問題を起こすこともなかったし、はしゃいでるイメージとかはあまりない。
けど、どこか存在感があるんだ。黙っていても目立つタイプで、その点は勝平と似ていたんだと思う。
そんな秋尾だけど、彼女である都丸に関してだけは別だったみたいだ。
熱心で、一途で、一生懸命で、全力で支えて、心の底から思いやっていた。
だから、お似合いのカップルだったんだ――――。
都丸は、少し不思議な話し方をする女の子だ。詩人のような。
中等部時代、佐倉と仲が良かったけど、…………聞いた話によると、佐倉も都丸も、朔也のことが好きで。
同じ人を好きになってしまったばかりになんとなく、気まずくなって、中2の後半くらいからそれぞれ別のグループになって、離れた。
佐倉はその時、七瀬も所属してたクラスでも巨大な女子のグループに引き込まれたけど、都丸は保健室に入り浸ってる面々と、細々と交友してたみたいだ。
休み勝ちだったりで教室にいないことが多い友人の中で、ひとり寂しそうにしてたのを白百合が見かねて、都丸に片想いしてた秋尾をけしかけたり、二人を遊びに誘ったりして、仲を取り持ったと言うのは有名な話だった。
都丸は少しずつ明るくなったし、おかげでクラスは平和だった。卒業するまで、ずっと――――)
白百合 美海
「うそよ……弥重ちゃんと、秋尾くんまでなんて……っ」
佐倉 小桃
「…………弥重、なぜ……なぜ……あなたまで……」
-----------------------------------------------
秋尾 俶伸
《くそっ、この縄……っ、
……、…………っっ!!
――――てめえか、
俺らをこんな目に合わせたのは》
-----------------------------------------------
筒井 惣子郎
「いかん!!」
間宮 果帆
「あ、秋尾! 刺激しちゃダメだ!」
-----------------------------------------------
秋尾 俶伸
《てっめえ……、離せコラ!》
-----------------------------------------------
七瀬 和華
「だめっ、聞こえてないわ!」
白百合 美海
「秋尾くん! 弥重ちゃん!」
本堂 空太
(秋尾……いつも無気力な感じなのに、
あんなに血走った顔をして……別人みたいだ……)
小日向 花菜
「やめて……やめてくれ、秋尾……」
和歌野 岬
「………………なにをする気?」
――(首のアップ)――
――(絆創膏のようなもの)――
-----------------------------------------------
秋尾 俶伸
《てめっ、なんのつもりだよええ!?
聞けよおい!!
いいか、もしそいつに手を出しやがったら絶対にてめえを殺してやるからな!!
聞いてんのかよおい!! この変態野郎!!
弥重をこんな目に合わせやがってぜってーぶっ殺してやる! 殺してやる!
殺してや――――――――っ、!!》
-----------------------------------------------
――(首から引き出す血)――
――(真っ赤に染まる画面)――
竜崎 圭吾
「うわああ!」
佐倉 小桃
「きゃああ!」
-----------------------------------------------
秋尾 俶伸
《…………………………》
都丸 弥重
《き、きゃあああああああ!!
俶くんんん俶くうううんんんん!!
うぁあぁ……あぁあ……あああ俶くんんんんわああああああああ!!
あああああああああ、ああああああああああああああああああ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!》
秋尾 俶伸
《…………………………》
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【残り:16人】
秋尾 俶伸
《クッソっ、弥重……! 弥重っ……!》
都丸 弥重
《俶くん……っ、こわいよ…………っ!》
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八木沼 由絵
「うそ!? 秋尾くんと、弥重ちゃんだよっ、
…………勝平っ」
千景 勝平
「ああ、ああっ!」
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秋尾 俶伸
《弥重……、大丈夫だっ、すぐに俺が!》
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本堂 空太
「………………っ」
(秋尾 俶伸(あきお よしのぶ)。それに、都丸 弥重(とまる やえ)。
この二人も、元クラスメイトで、中3の頃からお似合いのカップルだ。
秋尾は、勝平と同じような非行少年で、よくつるんでいたし、今もかなり仲が良いはずだ。
背は高くないけど筋肉質な体型で、たぶん、ケンカも強い。
けど本人は、あまり精力がないと言うか、無気力でぼーっとしてる印象が強い。
少なくとも同じクラスだった時は、問題を起こすこともなかったし、はしゃいでるイメージとかはあまりない。
けど、どこか存在感があるんだ。黙っていても目立つタイプで、その点は勝平と似ていたんだと思う。
そんな秋尾だけど、彼女である都丸に関してだけは別だったみたいだ。
熱心で、一途で、一生懸命で、全力で支えて、心の底から思いやっていた。
だから、お似合いのカップルだったんだ――――。
都丸は、少し不思議な話し方をする女の子だ。詩人のような。
中等部時代、佐倉と仲が良かったけど、…………聞いた話によると、佐倉も都丸も、朔也のことが好きで。
同じ人を好きになってしまったばかりになんとなく、気まずくなって、中2の後半くらいからそれぞれ別のグループになって、離れた。
佐倉はその時、七瀬も所属してたクラスでも巨大な女子のグループに引き込まれたけど、都丸は保健室に入り浸ってる面々と、細々と交友してたみたいだ。
休み勝ちだったりで教室にいないことが多い友人の中で、ひとり寂しそうにしてたのを白百合が見かねて、都丸に片想いしてた秋尾をけしかけたり、二人を遊びに誘ったりして、仲を取り持ったと言うのは有名な話だった。
都丸は少しずつ明るくなったし、おかげでクラスは平和だった。卒業するまで、ずっと――――)
白百合 美海
「うそよ……弥重ちゃんと、秋尾くんまでなんて……っ」
佐倉 小桃
「…………弥重、なぜ……なぜ……あなたまで……」
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秋尾 俶伸
《くそっ、この縄……っ、
……、…………っっ!!
――――てめえか、
俺らをこんな目に合わせたのは》
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筒井 惣子郎
「いかん!!」
間宮 果帆
「あ、秋尾! 刺激しちゃダメだ!」
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秋尾 俶伸
《てっめえ……、離せコラ!》
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七瀬 和華
「だめっ、聞こえてないわ!」
白百合 美海
「秋尾くん! 弥重ちゃん!」
本堂 空太
(秋尾……いつも無気力な感じなのに、
あんなに血走った顔をして……別人みたいだ……)
小日向 花菜
「やめて……やめてくれ、秋尾……」
和歌野 岬
「………………なにをする気?」
――(首のアップ)――
――(絆創膏のようなもの)――
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秋尾 俶伸
《てめっ、なんのつもりだよええ!?
聞けよおい!!
いいか、もしそいつに手を出しやがったら絶対にてめえを殺してやるからな!!
聞いてんのかよおい!! この変態野郎!!
弥重をこんな目に合わせやがってぜってーぶっ殺してやる! 殺してやる!
殺してや――――――――っ、!!》
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――(首から引き出す血)――
――(真っ赤に染まる画面)――
竜崎 圭吾
「うわああ!」
佐倉 小桃
「きゃああ!」
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秋尾 俶伸
《…………………………》
都丸 弥重
《き、きゃあああああああ!!
俶くんんん俶くうううんんんん!!
うぁあぁ……あぁあ……あああ俶くんんんんわああああああああ!!
あああああああああ、ああああああああああああああああああ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!》
秋尾 俶伸
《…………………………》
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【残り:16人】
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