BLUE BLOOD BLOOM

紺坂紫乃

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Ⅸ, カタルシス  (後)

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Ⅸ、「カタルシス」(後)


 自分の娘が見たこともない瑠璃色の瞳をしていると知ったヴィンセントは、神界の書庫を漁った。だが、文献もデータベースも意図的に操作されているとしか思えない情報しか拾えなかった。

「ここまで徹底して隠す必要があるのか?」

 当然、疑問に思ったヴィンセントは神界ではなく、妻リリィとその補佐であるジャンヌが管理している人界のデータアーカイヴにアクセスし、そこで見つけた衝撃の事実に絶句したものだ。


『BLUE ROSE』は紀元前の昔より、その存在を確認されている。万神庁の審議会で烙印を押されれば、目の色を変えられて、万神庁の監視の下「人間」として二十歳までに病死・または事故死を装う処分が掟とされた。なお、この処置は『BLUE ROSE』特有の事象である「暴走」を抑止する為の処置である。
 特に高位の神格保持者と人間の間に産まれた『BLUE ROSE』は血の濃厚さゆえに目の色を変えても「暴走」の危険性は六十パーセントと高い。
 なおここに定義される「暴走」とは、『BLUE ROSE』個体差によるものの、天災・自然災害を誘発するケースが多く、また『BLUE ROSE』個体の身体能力も飛躍的に上昇する。しかし、この現象のリバウンドは大きく、「暴走」が他の生命体に大きな影響を及ぼすと判断された場合、『BLUE ROSE』は裁判にかけることなく処刑される。
 「暴走」による初の処刑者はコードネーム:ユダ。イエス=キリストの弟子の一人とされたが裏切りの末に彼の者を処刑に導いたことにより処刑された。聖書には「自害」と修正済みである。


「キリスト十二使徒のひとりが『BLUE ROSE』……しかも暴走の果てに処刑されただと!? 万神庁は人界をここまで操作してんのか」

 このアーカイヴも秘匿ひとく扱いになっている。鍵をかけたのは、おそらくリリィに惣領の座を譲った人界と神界の橋渡し役であった老人で間違いはないはずだ。

「ユーリも……万が一、処刑される恐れがあるって訳だ。俺とリリィの間に子供が産まれたのは万神庁に周知されている。なら、どうやって護るかだな……」

 そしてヴィンセントはただひたすらユーリを他者と交わらせない方法を取った。思えば、少々過剰だった自覚はある。結果、ユーリは二十歳で死ぬ運命に導かれて行ってしまった。





 すべてを話し終えたヴィンセントは「ようやく把握できた」と言ったベルフェゴールに、苦笑を返す。

「おかしいと思ったんだ。私生児扱いとは言え、お嬢さんに友達まで作らせないなんて、過保護がすぎる。反魂術に『BLUE ROSE』の血が必要だと定めたのは誰? 禁術に禁忌の子供の血が必要なのは、有無を言わさず処刑された『BLUE ROSE』の憎悪や呪いを利用したものじゃないの?」

「そうだ。これに関してはお前らの王様の方が詳しいだろうな。なにせ、『BLUE ROSE』処刑の責任者は熾天使してんしミカエルだったぞ」

 その名前に目を見開いたのはベルフェゴールだった。メフィストは眼鏡のブリッジを少し上げる。ただそれだけの仕草で、ヴィンセントには充分理解できた。

「どうやら宰相殿には語るまでもなさそうだな。お前が知っているということは、ルシファーは全容を知っていながらユーリの随従になったとみて間違いはなさそうだ」

 どこに消えたのか、ルシファーは帰ってくる気配はない。メフィストを問い質したところで、彼も結局は「王が語られる」と返してくるに決まっている。付き合いの長さは伊達じゃない。

 ベルフェゴールは「べリアル達を出雲に行かせて正解だったね」と溜息交じりに呟き、客間と襖だけで遮られている隣の部屋に入って行った。

「俺、仮眠する。王様が返ってきたら起こして」

 そう言い残して襖を締めた。
 死神と『魔界』の宰相だけになった部屋――先に尋ねたのはヴィンセントだ。

「ひとり足りねえな」

「アスモデウスのことをおっしゃっているなら、彼にはこの家を覆う結界の見張りを頼んでいます」

「深く追究せず、ただの駒になれる四将の一角ってところか?」

「結論が出ていることを論議するほど暇ではございませんので、回答は控えさせて頂きますよ」

 ヴィンセントは「お前も大概狐だな」と嫌味を言ったまま、ユーリを見た。イシュタルの攻撃を受け止めてできた火傷は、綺麗に完治している。

「俺は『魔界』が嫌いだ。だが、メフィスト・フェレス、お前個人には礼を言おう。娘の傷を癒してくれて……感謝する」

「別段、貴方の為ではございません。ただ、うちの者達はすっかりお嬢様に惹かれてしまったようですのでね。それに、長じれば一層美しく咲く花が傷ついたままと言うのは、私の美学に反します」

「フェミニストだな」

 ヴィンセントは喉で笑って、二人は虫の声さえなく、月明かりの夜の音に耳を傾ける。





 一方、ルシファーも月光を眺めていた。人界と魔界の間、まだ酸雨の雨雲が辿り着いていない場所だ。

「……あいつの匂いがする。急いだ方がいいな。こういう予感だけは昔から当たって困る」

 闇の中、ルシファーはひとり舌打ちを漏らす。『あいつ』が来るのならば、ユーリを復活させる瞬間で間違いはない。
 ルシファーは月に背を向け、酸の雲の下、『魔界』に足を踏み入れた。目指す場所は城ではなく、城の裏側にある断崖をえぐった洞穴だ。

「ガル、邪魔するぞ」

「へえ、お待ちしておりましたぜ。ルシファー様」

 そこは鍛冶場かじばだった。しかし、ただの鍛冶場ではなく、干からびた蛙やら、銅線が無造作に転がっている。ガルと呼ばれた薄汚れた老人は、耳が異常に長くレンズの割れた眼鏡を掛けていた。

「俺のプレアデスはどうなった?」

「ご注文通り、ウルツァイト窒化ちっかホウ素を加えて最高強度にしてありまさあ。苦労しましたよ、ただでさえプレアデスは重量も密度も高い俺の最高傑作だったのに、それを更に強化しろっておっしゃるんですからよお」

 ガルはごそごそとルシファーが立っている大樹を縦半分に切っただけの簡素な台の上に白い布包みを置いた。ルシファーはさっと布を取り払う。

「ほう、龍の彫り物を入れたのは予想外だったな」

「へへ、せっかくですからねえ。ちょいと化粧させてやりたくなりやして。けど、強度と切れ味は前よりも三倍以上は上がってらあ」

 白い手甲剣「プレアデス」は、大きさだけはそのままに、鈍色に光る刀身の中央で宝珠を頂く龍が踊る姿に生まれ変わった。

 右手に「プレアデス」を装備したルシファーはずしりと感じる新しい重みを、様々な角度から検分する。

「試し斬りでしたら、奥を使ってくだせえよ」

「いや、これは必要ないな」

「おや、いいんですかい?」

「ああ、お前の腕は信用できるし、これは試し斬りなんかしたら『魔界』が壊れちまう」

 ガルは「へへ、よくお解りで」と細工をしたことが瞬時にバレて肩を竦める。

「なにを仕込んだ?」

「参ったなあ。なんでもお見通したあ、一本取られたぜ。なあに、彫り物の龍が持っている宝珠――一見するとただの彫った宝珠ですがね、魔力をブーストさせる魔性石ましょうせきを埋め込みやした。これから『異界』大戦は激化するんですから、王にはそれくらいの力を持っていて頂かないとねえ」

「魔性石か。道理で俺の波長と合うはずだ。さすがに良い仕事をするな。ユーリの『スペア』を保留にした分の支払いを用意しておく。休憩時間にでも城に取りに来い」

「ありがてえ。ルシファー様はもう人界に戻られるんで?」

「ああ、早めに備えておきたくてな」

 声に出して命じるまでもなく消える優秀な手甲剣を携えて、ルシファーはガルにひらりと手を振ると、元来た道を戻る。

「バロール」

 途中、出雲に行かせたべリアルとベルゼブブの様子をバロールの映像で確認するが、辻道に埋められている呪詛の破壊は順調のようだが、やはり『玉の緒』の手がかりに頭を痛めているようだった。

「……メフィストのやつ、馬鹿二人にも脳の運動が必要とか言っていたが、この調子で間に合うのか?」

 さして不安には思っていないが、ルシファーはひらりと黒いマントを翻して、軽々と丘を登り、現世へ繋がる門を潜った。





 出雲に来て丸一日が経過したB1とB2は、『玉の緒』の暗号に二人して唸り続ける。三人寄れば文殊の知恵というが、残念ながら三人目はいない。
 メフィストの地図を頼りに辻道を回っていれば、いつの間にか腐葉土の匂いが濃い田園地帯に出てきた。

「死を知らざる者は不死ってことだよな? 不死で有名なのと言えば……やっぱり妖怪だと考えるのが妥当か」

「日本なら天狗とか? この国は自然崇拝が神道の起源だから、あちこちに伝承があってキリがないわよ。片っ端から聞いて回る時間も無いし、やっぱりメフィストに訊こうかしら?」

 やや投げ出しかけた二人に、「もうし」と妙齢の女が声をかける。
 能面のようにのっぺりとした顔の尼僧だった。

「あら? あたし達が見えるの?」

「はい。死を求めて彷徨うておりまする」

 二人は顔を見合わせる。こうも都合よく目的の人物が現れてくれるものだろうか、と。

「名前、聞いてもいいっすか?」

「本当の名は忘れました。世間では八百比丘尼と呼ばれております」

「やおびくに……さん」

「はい」

「ちょっと待っててもらえます?」

 B1がそう断り、二人は八百比丘尼を置き去りにして地面に急いで円陣を書いた。

「メフィストー!!」

『なんだ、お前達はまだまごついているのか?』

「なんだじゃねーよ!! なあ、やおびくにって名乗る美人が出てきたんだけど、この人が暗号の人でいいのか!?」

 円陣を通しての会話なのに、あからさまな溜息が聞こえる。腹は立つが、今はメフィストに縋るしかない。

『馬鹿だとは思っていたが、ここまでとは……。暗号の不死者は八百比丘尼で間違いない。さっさと『玉の緒』の片割れを持って帰って来い』

 冷たくそう言い残すとメフィストは一方的に通信を切った。

「あの野郎……帰ったらミンチね」

「任せた。俺はまだ死にたくねえ」

「な、裏切り者!!」

 吠えるB1を無視して、B2はいそいそと八百比丘尼の下へと戻った。

「えっと、じゃああんたを殺せば『玉の緒』の材料が手に入るってことでいいんすね?」

「はい、間違いではございませんが……あなた方はなぜ『玉の緒』を求めるのですか?」

「え?」

 八百比丘尼はここに来て禅問答のような問いを投げかけた。

「『玉の緒』は離れる運命さだめの魂と肉体を自然の摂理に反して繋ぎ止める物。あなた方が蘇生を願う方は、宇宙の真理に背いてでも生き返らせるに値する御人ですか? わたくしはそれを見届けねば、『玉の緒』を渡せませぬ」

 ここまで来て、B2はぐっと言葉に詰まった。八百比丘尼の張り付けたような薄笑いに、なぜか気圧される。言葉は喉まで出かかっているのに、嫌な汗が流れて言葉を封じられたように口だけがはくはくと開いて閉じる。

「四の五のうるさい……」

 固まるB2の横から八百比百尼に対したのはB1だった。

「確かに生き返ったら小生意気で、ぴいぴい泣く小娘だけど……あたし達は護ると約束したのに、あの子を一度は見捨てたのよ。別に罪滅ぼしで来た訳じゃない。あの子は……あたし達を恨んでいない。でも、あたし達の寝覚めが悪いのよ!! 嫌がられようとも契約期間の満了までは仲間でいてやりたいの。だから、『玉の緒』を渡して欲しい――お願い、しますっ――!!」

 B1は八百比丘に深々と頭を下げた。あのやたら高慢なB1が王以外に頭を下げた――これだけでもB2には青天の霹靂へきれきだ。

(……あの嬢ちゃんの何がプライドの高いこいつに頭まで下げさせるのかねえ。嬢ちゃんとまた戦えるようになったら、俺にも解るのか……?)

「お二人には大切な御方に対して、気持ちに温度差があるようでございますね」

 八百比百尼の的確な指摘に、B2はぎくりと肩を跳ねさせる。だが、八百比丘尼はふっと儚く吐き出しては消える冬の吐息にも似た笑みが浮かんだ。

「あなたに、これを託しましょう」

 B2など目にはいらないように八百比丘尼は着物の中から虹色の光を放つ蜻蛉とんぼ玉を、B1に差し出した。

「これを渡す御方に出逢えたこと、嬉しく存じます。あなたなら躊躇なく『玉の緒』を手にしてくれると信じられまする」

 八百比丘尼はそう言って、手にしていた蜻蛉玉を飲みこんだ。

「さあ、『玉の緒』の片割れはわたくしの中です。大切な御方を想うなら、わたくしの中心を貫いて持ち帰られませ」

 八百比丘尼のは両手を広げて、抵抗はしない意を表す。B1もキッと彼女を睨んで、素手で八百比百尼の腹を突き破った。

「ああ……これでやっと解放される……」

 八百比丘尼は随喜ずいきの涙を流して、光となり霧散した。

「消えた……」

「でも、手に入れたわよ。『玉の緒』」

 B1が開いた右手には虹色に輝く蜻蛉玉があった。B2は「試されたんだな、俺達」と呟く。

「俺には……まだお前ほど嬢ちゃんの為に死んでやるくらいの覚悟はないってな」

「今じゃなくてもいいじゃない。これからはあの子が嫌ってほど随従してやるんだから」

 「さっさと帰るわよ!!」とB1に膝裏を蹴られたB2は、晴れ晴れとした気持ちで帰路の円陣に入った。

 ――これで戻ってくる。起きたあの子には、開口一番、何を語ろうか。


to be continued...
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