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調合師教育計画
罠??
しおりを挟むどうするという案も全く出てこない。いっそのこと、あの頭でっかちを罠に仕掛けたい。そのためにはレイスが囮になる必要があるわけで。
頭の痛いマイヤである。
「いっそレイス殿にグールを量産していただくかのぅ」
「! それですわ!!」
妙案とばかりにマイヤが食らいついた。というか、それしか方法がない。
『グールをどこで量産するつもりで?』
「ここですわね。わたくしたちは近づかないようにして、薬草採取に回りますので」
魔獣なら狩りつくせないほどに出てくる、集落である。
大至急といわんばかりに、計画が練られた。
「グ……グールがでたぁぁ!!」
その第一声は、計画を知らされていない住民だ。
ごめんなさい、後程お詫びいたします。マイヤたちは心の中で詫びるとともに、グールたちをマークに押し付け、食堂に集まった。
「流石にその計画は教えて欲しかったな」
「ごめんなさい。あの騒ぎに演技が入るのだけは止めたかったの」
「……気持ちは分かるけどよ」
店主の苦言に大人しく頭を下げたマイヤたちは、その足で住民に謝った。
「道理でグールが襲ってこねぇわけだ」
料理人が呆れ果てて呟いた。
「まぁ、お嬢だしな」
「お嬢さんですから」
「お父様ですもの」
「オヤヤルヴィ先代公爵ですからねぇ」
口々に呆れた果て、呟く住民に何故か公爵夫妻も混ざっている。
どうやら公爵に話が言っていなかったようで、ヴァルッテリと先代公爵が公爵夫妻から説教を受けていた。
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