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調合師教育計画
解決策
しおりを挟む果たして、この集落に来る神官がいるのか、という疑問を呈したのはヴァルッテリだった。
「開拓して一月以上経過してる。それでも帝国からも聖国からも派遣されない。『来たくない』という意思表示じゃないのかい」
「困りましたわ。神官の一人でもいないと町として体裁が整いませんもの。いっそのこと聖国に数名留学させます?」
「どうしてそうなるかな」
「取りあえず一番下の階級を取得したら戻ってきてもらえば、整いますもの」
「それって……」
「祖父の入れ知恵で、当時の執事見習いがやったそうですわ。おりしも、領地の神官が誰もいなくなってしまったそうで、苦肉の策だそうです」
喜捨する金もなく、足元を見た聖職者が曾祖母やら祖父の姉妹を慰み者にしようとして、神官を引き上げさせたという。そんなわけで、アベスカ男爵領においては神殿の地位は低い。
「その執事見習いとやらは?」
「わたくしの洗礼が最後のお勤めだったそうですわ。既に他界しておりますし」
残念極まりない。存命していれば、誰かしら紹介してくれたのではないのかと思ってしまうマイヤだった。
「あとひと月たってこなければ、留学という方法を取らせてもらうとするかのぅ。儂が行ってもいいわけじゃし」
「嬉しい限りですわ」
「ついでじゃ、聖国史と聖獣史ものぞいてくるかの」
「そっちがメインだろ! あんたは!!」
「孫が労わってくれん。お嬢さん、儂を労わってくれんかのぅ」
「是が非でも見てきてくださいませ。ただ……」
そこで言葉を切り、マイヤは極上の微笑みを見せた。
「ただ?」
「集落としての体裁をさっさと整えたいので、最下位の階級を最速で取ってきてくださいませ。二月もあれば余裕でとれるそうですので」
「無理じゃぁぁぁ!!」
通常の修行では、最短二年と言われている神官としての修行。マイヤは「前例があるから大丈夫」と取り合わなかった。
……来られてまずいと思ったのか、聖国から直々に神官が派遣されたのは、半月後のことだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お年寄りを誰よりも労わっていないのはマイヤ(;^ω^)
マイヤの言う「前例」はもちろん、アベスカ男爵領の執事見習い(当時十歳w)
覚える速度が違う……という突っ込みは誰もいれることが出来ず。
先代男爵やセヴァトの教えが息づいているともいう(違う)
次回、調合師と塩の話にやっといける...( = =) トオイメ目
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