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調合師教育計画
レイス発生源
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町としての体裁が整ったのは、一か月後のこと。
その頃になると、レイスが最初に出没した場所も分かってきた。
ここから二つほど離れた、当時代官が住んで集落の神殿裏だ。
「神殿にレイスは近づかないんじゃなかったっけ」
「近づくどころか、神殿の中からレイスが出てきているように見えるのは、わたくしの目がおかしいのでしょうか」
「……おかしくない。けどね、マイヤ」
「なんでしょう、ヴァルッテリ様」
「集落に戻って欲しかったんだけど」
「嫌ですわ。この状態で戻れるわけがないでしょう。だったら薬草くらい探そうかと」
薬草探しは無理だろ、というウルヤナの声はマイヤたちに無視された。
「つか、ヴァルもだけどマイヤさんもこの状態でのほほんと話していて大丈夫?」
アハトの呆れた声。
マイヤたちを囲むのは、質の良い薬草でも、薬の材料になる魔獣でもなく、凶暴化したレイスとグールだった。
凶暴化したレイスは周囲の魔獣を襲い、それがグール化していく。次々に増えるグールに、火力が圧倒的に足りないのだ。
「今までよくぞ増えませんでしたわね」
そう、この集落を見つけるまで、レイスはほとんど増えなかった。海で塩を作る方法を伝授しようとしたところ、新たなレイスを見つけ、発生源らしい場所を見つけた。
近づいたら、レイスが増え、そのレイスがグールを量産していく。今まで見たことのない増え方だ。
「撤退は楽なんだけどね。ついてこないという確証がない」
ヴァルッテリの移転魔法についてきたら、大ごとになる。アハトが念話で集落に事の次第を説明済みであり、公爵夫妻が結界維持に回ったという。
冒険者の一部もこちらに向かっている。
「神官様がいらしてからここを見つけたかったと思いましたわ」
「同感だけど、今言うことじゃないよね?」
獄炎魔法を駆使しながらヴァルッテリが突っ込みを入れた。
湧き続けるレイスとグールに、「これが鼠算か」と思いながらも、マイヤはふと思った。
「ヴァルッテリ様、どうせですからあの神殿ごと焼いてしまうのが楽な気がしますわ」
魔力があり余り、火力のあるヴァルッテリなら出来るはずだ。何せ魔法をうまく使えず、半径数キロの森を壊滅させたのだ。
「やるのいいけど、近くの海とかにも影響が出そうで」
「どうせですから、海にも獄炎魔法をお使いください。この状態で海が正常だと思えませんもの」
「どうしてそういう発想するかな!?」
「近づかないうちならここまで酷くなかったんですもの、あの神殿付近に何かありますわ。調べるにはあの神殿を何とかするしかないかと思いましたの」
納得できるかーー! とヴァルッテリが叫んだが、その方法でいこうと同意したのはアハトで。
「このまま魔法ぶっ放し続けて魔力切れを起こすぐらいなら、ダメ元でやって撤退の方がまだましだ」
一度でも殲滅できれば逃げようがある。
「あぁぁぁ!! 分かったよ! ウルヤナ、周囲に聖獣の気配は?」
「こんな状態であるわけな……ヴァルッテリ様! 神殿内部から気配が!!」
念のため、そう思って聞いたはずだった。
レイス発生に聖獣が関わっているとなったら、それこそ大問題である。
その頃になると、レイスが最初に出没した場所も分かってきた。
ここから二つほど離れた、当時代官が住んで集落の神殿裏だ。
「神殿にレイスは近づかないんじゃなかったっけ」
「近づくどころか、神殿の中からレイスが出てきているように見えるのは、わたくしの目がおかしいのでしょうか」
「……おかしくない。けどね、マイヤ」
「なんでしょう、ヴァルッテリ様」
「集落に戻って欲しかったんだけど」
「嫌ですわ。この状態で戻れるわけがないでしょう。だったら薬草くらい探そうかと」
薬草探しは無理だろ、というウルヤナの声はマイヤたちに無視された。
「つか、ヴァルもだけどマイヤさんもこの状態でのほほんと話していて大丈夫?」
アハトの呆れた声。
マイヤたちを囲むのは、質の良い薬草でも、薬の材料になる魔獣でもなく、凶暴化したレイスとグールだった。
凶暴化したレイスは周囲の魔獣を襲い、それがグール化していく。次々に増えるグールに、火力が圧倒的に足りないのだ。
「今までよくぞ増えませんでしたわね」
そう、この集落を見つけるまで、レイスはほとんど増えなかった。海で塩を作る方法を伝授しようとしたところ、新たなレイスを見つけ、発生源らしい場所を見つけた。
近づいたら、レイスが増え、そのレイスがグールを量産していく。今まで見たことのない増え方だ。
「撤退は楽なんだけどね。ついてこないという確証がない」
ヴァルッテリの移転魔法についてきたら、大ごとになる。アハトが念話で集落に事の次第を説明済みであり、公爵夫妻が結界維持に回ったという。
冒険者の一部もこちらに向かっている。
「神官様がいらしてからここを見つけたかったと思いましたわ」
「同感だけど、今言うことじゃないよね?」
獄炎魔法を駆使しながらヴァルッテリが突っ込みを入れた。
湧き続けるレイスとグールに、「これが鼠算か」と思いながらも、マイヤはふと思った。
「ヴァルッテリ様、どうせですからあの神殿ごと焼いてしまうのが楽な気がしますわ」
魔力があり余り、火力のあるヴァルッテリなら出来るはずだ。何せ魔法をうまく使えず、半径数キロの森を壊滅させたのだ。
「やるのいいけど、近くの海とかにも影響が出そうで」
「どうせですから、海にも獄炎魔法をお使いください。この状態で海が正常だと思えませんもの」
「どうしてそういう発想するかな!?」
「近づかないうちならここまで酷くなかったんですもの、あの神殿付近に何かありますわ。調べるにはあの神殿を何とかするしかないかと思いましたの」
納得できるかーー! とヴァルッテリが叫んだが、その方法でいこうと同意したのはアハトで。
「このまま魔法ぶっ放し続けて魔力切れを起こすぐらいなら、ダメ元でやって撤退の方がまだましだ」
一度でも殲滅できれば逃げようがある。
「あぁぁぁ!! 分かったよ! ウルヤナ、周囲に聖獣の気配は?」
「こんな状態であるわけな……ヴァルッテリ様! 神殿内部から気配が!!」
念のため、そう思って聞いたはずだった。
レイス発生に聖獣が関わっているとなったら、それこそ大問題である。
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