女30歳、脳梗塞、左半身不自由になりまして

ゆるり

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5章

5-1 急性期病院入院生活後半~お風呂~

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 入院して、お風呂に入れるようになった時、これがまた難儀した。
 お風呂に入れるのはとても嬉しかったのだが、なにせ半身不自由なので大変だ。
 お風呂と言っても要はシャワーだ。最初は介助の方がついてくれた。 

 車椅子で押されてお風呂場の前までいくと、お風呂場の前の廊下はカーテンで仕切られていた。
 そのカーテンの中で病衣を脱ぎ、立てないのでお風呂用の椅子に乗り移り風呂場へ。
 そしてその椅子に座った状態で介助の方に全体的に洗ってもらい、細かいところは自分で洗った。
 真っ裸になり且つ他人に洗ってもらうなんて恥ずかしかったが、入院直後のトイレで恥を捨てる覚悟をしたので諦めは早かった。
 仕方ないなと思ってさっさと服を脱ぎ、ありがたく洗ってもらった。 

 同じ病室の隣のベッドの女性は、当初男性に介助されるところだったらしい。
 「もう若くないからいいわよね?」というようなことを言われたらしい(そんなに高齢でもないし、もっと言うと年齢の問題なのか甚だ疑問だ)が、当然断って女性に介助してもらえることになったらしかった。 

 そのお風呂は少し広く真ん中に何やら台のようなものがあったので、「あれは何ですか?」と聞くと寝たきりの人や起き上がれない人のための身体を洗う機械だそうで、人間食洗器のようなことらしかった。 

 台に仰向けになり顔だけが機械から出て、機械を作動させると身体が洗われるらしいということを聞き、私は興味が沸き「一度それをやってみたい」と言ってその機械で洗ってもらったことがあった。
 ごしごしタオルで洗うわけではないので、ただシャワーや洗剤らしきものがかけられるだけで洗い残し感のようなものがあった。
 「こんな感じかぁ」と思い、またやりたいと思うことはなく、その機械で洗ってもらったのはそれきりだった。
 このことを療法士さんらに話すと「なんで入ったんですか?!」と驚かれ、「興味があったから」と言うと、笑って「で、どうでした?」と聞かれ「もういいかなぁ」と言うとまた笑っていた。 
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