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4章
4-3 急性期病院でのリハビリ~理学療法士さんのリハビリ~
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リハビリの時は、療法士さんたちが病室へ迎えにきてくれて、車椅子に乗り、療法士さんに車椅子を押されてリハビリ室へ行った。
リハビリはほぼ毎日あった。
理学療法士さんのリハビリでは主に足、作業療法士さんのリハビリでは主に手、言語聴覚士さんのリハビリでは主に口(喋る)のリハビリで、それぞれ1日1時間。
病室にいると彼女たちがお迎えに来てくれた。私は彼女たちが迎えに来てくれるのが楽しみだった。
彼女たちとお喋りするのも楽しかったし、リハビリを頑張って身体を早く良くしたいと思っていたので、「身体を良くする時間」と思うと彼女たちがお迎えに来てくれる時が待ち遠しかった。
私はリラックマが好きなのだが、理学療法士のKさんもリラックマが好きで、よくリラックマの話で盛り上がった。
彼女はとてもさばさばした女性だった。
Kさんのリハビリでは、平行棒で歩く練習をしたり、仰向けの状態でバランスボールをふくらはぎの下あたりに置いてその上で両足を左右に動かしたり、両手両膝を床につけた状態(四つん這い)から右手と左足を床から離して伸ばしたりその反対をしたり、そんなことをした。
ある日の平行棒のリハビリで、「裸足でやってみましょう」ということで、スニーカーを脱いだ。
車椅子に座った状態でスニーカーを脱ぎ、裸足になり、目の前の平行棒に掴まって立ち上がった。
そしてその平行棒の中を平行棒に掴まりながら裸足で歩いた。
左半身の感覚はなかったが、温度を感じる感覚は失っていなかったので、足の裏からリハビリ室の床のヒンヤリしたものを感じることは出来た。
足裏の皮膚から冷たい床を感じた。
「冷たい」と感じることは出来ても足の感覚はなかった。
裸足で歩くのは、足裏から刺激を与えることが出来るということらしく、スニーカーで歩くのとは確かに違った。
また別の日の平行棒のリハビリでは、Kさんが可動式の全身鏡を平行棒の先に置いて、「ここに映る自分の歩行姿を見ながら歩いてみましょう」ということで、鏡に映る自分を見ながら歩くことになった。
鏡に映る自分に向かって歩くことで「前を見る」ことが出来て且つ自分の歩行姿を確認することも出来る、という効果があるらしかった。
まずは目の前の平行棒に掴まり立ち上がる。
前を向くと全身鏡に病衣を着た自分が映っていた。鏡に映る自分に向かって平行棒の中を平行棒に掴まりながら歩いた。
この時の自分の歩行姿を私はあまりきちんと見ることが出来なかった。なぜなら、歩行時私は自分の足元を見ながらじゃないと怖くて歩けなかったからだ。
前を見ながら歩くという本来の歩行が出来るようになるにはけっこう時間がかかった。
他にも、バランスボールを使って色々な運動をした。
リハビリ室の畳のところで仰向けになってバランスボールを腰の下あたりに置いて片足を畳に置きもう片方の足を伸ばした状態をつくり、この片足を伸ばすのをそれぞれの足で交互に行った。
バランスボールを腰の下に置いた状態で身体を保つだけでも難しかった。
バランスボールを使った運動は他にこんなこともした。
やはり仰向け状態でバランスボールをふくらはぎの下あたりに置いて、バランスボールに両足を乗せたまま左右にバランスボールを動かすのだ。
これもなかなかうまく出来なかった。すぐに足が落ちそうになるのだ。
バランスボールを使った運動は、私にとってかなり難しかった。
色々な運動の中でも一番苦手だった運動がある。
リハビリ室の畳のところで、四つん這いになって、対称の手足を伸ばすというものだ。
例えば、まずは四つん這いになって、右手を前に伸ばす時は左足を後ろに伸ばす。
この時、身体を支えているのは左手と右足だ。
これがなかなか出来なかった。
伸ばせてもその状態を保つことは出来ずすぐに伸ばした手足が畳についてしまっていた。
この四つん這いの運動は理学療法士さんのリハビリでも作業療法士さんのリハビリでもよくやった。
体幹を鍛えるためにこの運動は良いらしく、退院後の通院の時も「この運動は体幹を鍛えるのにいいですよ」と言われた。
リハビリはほぼ毎日あった。
理学療法士さんのリハビリでは主に足、作業療法士さんのリハビリでは主に手、言語聴覚士さんのリハビリでは主に口(喋る)のリハビリで、それぞれ1日1時間。
病室にいると彼女たちがお迎えに来てくれた。私は彼女たちが迎えに来てくれるのが楽しみだった。
彼女たちとお喋りするのも楽しかったし、リハビリを頑張って身体を早く良くしたいと思っていたので、「身体を良くする時間」と思うと彼女たちがお迎えに来てくれる時が待ち遠しかった。
私はリラックマが好きなのだが、理学療法士のKさんもリラックマが好きで、よくリラックマの話で盛り上がった。
彼女はとてもさばさばした女性だった。
Kさんのリハビリでは、平行棒で歩く練習をしたり、仰向けの状態でバランスボールをふくらはぎの下あたりに置いてその上で両足を左右に動かしたり、両手両膝を床につけた状態(四つん這い)から右手と左足を床から離して伸ばしたりその反対をしたり、そんなことをした。
ある日の平行棒のリハビリで、「裸足でやってみましょう」ということで、スニーカーを脱いだ。
車椅子に座った状態でスニーカーを脱ぎ、裸足になり、目の前の平行棒に掴まって立ち上がった。
そしてその平行棒の中を平行棒に掴まりながら裸足で歩いた。
左半身の感覚はなかったが、温度を感じる感覚は失っていなかったので、足の裏からリハビリ室の床のヒンヤリしたものを感じることは出来た。
足裏の皮膚から冷たい床を感じた。
「冷たい」と感じることは出来ても足の感覚はなかった。
裸足で歩くのは、足裏から刺激を与えることが出来るということらしく、スニーカーで歩くのとは確かに違った。
また別の日の平行棒のリハビリでは、Kさんが可動式の全身鏡を平行棒の先に置いて、「ここに映る自分の歩行姿を見ながら歩いてみましょう」ということで、鏡に映る自分を見ながら歩くことになった。
鏡に映る自分に向かって歩くことで「前を見る」ことが出来て且つ自分の歩行姿を確認することも出来る、という効果があるらしかった。
まずは目の前の平行棒に掴まり立ち上がる。
前を向くと全身鏡に病衣を着た自分が映っていた。鏡に映る自分に向かって平行棒の中を平行棒に掴まりながら歩いた。
この時の自分の歩行姿を私はあまりきちんと見ることが出来なかった。なぜなら、歩行時私は自分の足元を見ながらじゃないと怖くて歩けなかったからだ。
前を見ながら歩くという本来の歩行が出来るようになるにはけっこう時間がかかった。
他にも、バランスボールを使って色々な運動をした。
リハビリ室の畳のところで仰向けになってバランスボールを腰の下あたりに置いて片足を畳に置きもう片方の足を伸ばした状態をつくり、この片足を伸ばすのをそれぞれの足で交互に行った。
バランスボールを腰の下に置いた状態で身体を保つだけでも難しかった。
バランスボールを使った運動は他にこんなこともした。
やはり仰向け状態でバランスボールをふくらはぎの下あたりに置いて、バランスボールに両足を乗せたまま左右にバランスボールを動かすのだ。
これもなかなかうまく出来なかった。すぐに足が落ちそうになるのだ。
バランスボールを使った運動は、私にとってかなり難しかった。
色々な運動の中でも一番苦手だった運動がある。
リハビリ室の畳のところで、四つん這いになって、対称の手足を伸ばすというものだ。
例えば、まずは四つん這いになって、右手を前に伸ばす時は左足を後ろに伸ばす。
この時、身体を支えているのは左手と右足だ。
これがなかなか出来なかった。
伸ばせてもその状態を保つことは出来ずすぐに伸ばした手足が畳についてしまっていた。
この四つん這いの運動は理学療法士さんのリハビリでも作業療法士さんのリハビリでもよくやった。
体幹を鍛えるためにこの運動は良いらしく、退院後の通院の時も「この運動は体幹を鍛えるのにいいですよ」と言われた。
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