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番外編 本部長霧山悠斗の恋

確かにある鼓動と温もり、そして愛

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全てを終えて帰った霧山が部屋で見つけたモノは、ベッドの上でふるふると小さく震える『固まり』だった。

ワケがわからず両目が真一文字になるが、その『中身』が何なのかはわかっている。…わからないのはそうなっている『理由』だ。

「……。」

しばらくをぽけーっとその固まりを見て立ち尽くしていた彼だったが…

「…。おい…帰ったぞ。」

「……っ…」

「おいコラ。聞こえてんだろ?帰ったぞっ。」

「……ゆ、幽霊…じゃない?」

「…。お前なぁ…そんなに俺に死んで欲しいのかよ。」

「だ、ってっ…やられたら、幽霊になってでも帰る、って…」

「例え話だろが。…ったくなぁ…ちゃんと足あるっての。」

ひょこっと顔だけを出してそんな事を言う『固まり』の側に座ると、ギシと僅か軋む音が響く。

「…ほら。足もあるし、手だってあったけぇ。…お前を1人にしねぇって言ったろ。」

被っている布団を掴んで離さないその手を握って、自分の今の体温を伝えてやるとギュッと力が込もる。

「…っ、…ふぇ…悠斗、さんっ…悠斗さん!!」

次の瞬間には布団から固まりの中身であるほのかがガバ!と飛び出し抱きついてきた。その拍子に彼女の身体中に纏わり付いていた物がボロボロと落ち…バッチリと見てしまった霧山は抱き受けながらもギョッとした。

「っ、おまっ…俺の服!グッチャグチャじゃねぇかっ。」

「…ふえーん…」

ほのかは霧山が出て行った後、しばらくの間をシャツを抱きしめ泣きじゃくっていたのだが…シャツだけでは物足りなくなり、ありったけの服を掻き集めるとわんさと抱えてベッドの中に潜り込んだ。

それからをずっと抱きしめて泣いていたのだから、服はしわくちゃにもなるしほのか自身もボロボロだ。

「…。んだよ、こんなになるまで泣かなくたって…」

「っうぇっ…ゆう、とさっ…」

「…それだけ…不安だったって事か…悪かった、心配させたな。」

「…っ、…」

「もう終わった。若頭も会の誰も無事だ…裏で糸引いてた奴らもわかった。まだ『後始末』が残っちゃいるけどな。けどひとまずはドンパチどうのって事はしばらくなさそうだ。」

「…うん…っうんっ…」

「けどなほのか。落着したとはいえ、こういう事はこれからも起きる。その度にこんなんなってたら身が持たねぇぞ。…お前は誰の『女(よめ)』になったんだ?」

「ゆ、悠斗さん…」

「違う。それは『個』としてだろ。極道の男に添うって決めたんなら、今のままじゃ駄目だ…もっと強くならねぇとな。…俺が、ちゃんと手助けしてやるから。」

心を鬼にして口にした言葉は、美優の姿を見て思った事だ。彼女は常に穏やかで側には若頭の舎弟達が付く。謂わば『守られている』彼女だがそれだけではない。

…自分という『芯の強さ』があり、悪い事は悪いと愛する男さえも叱責するその姿勢と心意気は目を見張るものがあって、ほのかにもこうなって欲しいと思ったのだ。

甘やかす時は底辺なくどこまでも甘やかす…だがそれだけでは『極道の女』はやっていられない。

「ヨシ、話は終わりだ。…ヤるか。」

「…。はあ?!」

「は?じゃねぇ。ラインしたろ…読んだんだろ?既読ついたの見てんだぞ。」

「よ、読んだけどっ…さっきのさっきまで真面目な話してたよね?!」

「それはソレ、これは『コレ』…約束したんだからちゃんと果たしてもらうぜ?」

「…。し、シャワー入ってっ…」

「おいコラ。どこ行くって?逃がすワケねぇだろが。」

『ひぃ~』と言いながらほのかは暴れるが、霧山にがっちりとホールドされてしまっていてその腕から抜け出せない。おまけに両足で蟹挟みにされ、もはや逃げるのは不可能だった。

「…この騒ぎのせいでまともにヤってない。おかげで俺の中のお前が底を尽きかけてる…やっと俺だけの女になったってのに、こんなんじゃ夫婦の危機だぜ。」

「そ、そこまで言う?ゆ、悠斗さん…もしかして燃えちゃってる?」

「…フッ、まぁな。こんな俺だってな、惚れた女はいつだって欲しいんだ。…だからごちゃごちゃ言ってねぇで『人身御供』になりやがれ。」

「ひ…人身御供?私…捧げ物?」

「…。違った…、…黙って抱かれろ…」

日頃は表情に出る事のない霧山の目と、頬を撫でる手が内にある情欲を訴える。それを真っ直ぐに受け、ほのかは諸々の全てを諦めて小さく頷いた。

『燃えてる』と素直に認めるだけあってその行動は早く…手加減もなくあっという間に高みへと誘われ、幾度とわからないそれのおかげで、ほのかが涙目で身体を震わせる。

「…ぁ……んっ、やぁ……」

「イき過ぎて辛いか?…悪りぃがまだ離してやれねぇよ…」

男らしいとは程遠い、スラリとした綺麗な指がゆっくりと彼女の背を這う。その動きは霧山の持つ愛しさを伝える。

「あっ、ああっ……ッ……」

自らの腰の上に跨がせていたほのかを抱えて体勢を変え組み敷く。同時に太腿を撫で上げ足を持ち上げると、更に彼女の最奥を突き上げた。

「…ほのか…次こそ、デキたら…俺に最初に言えよ…っ、…な?」

「んっ…言う、言うからぁ…っあぁっ…」

「約束だからな…愛してるぜほのか…っ、一緒にイこうな…」

「あ、あ、っん……悠斗さっ…っ!はああっ、ああっ、やぁ……だめぇえっ!」

“ゴムなんかもういらねぇな。”…そんな事を頭の片隅で思った直後にグッと締め付けられ、逆らう事なく委ねる。愛する女を腕に改めて抱く霧山に、幸せの意味をしっかりともたらした長い夜だった。

・・・・・・

翌日になって…いつもの時間には事務所にいた霧山。その表情は常と変わらず『無表情』である。

心なしか若干イキイキとしている彼に対し、ほのかは朝になっても尚グッタリとしていた。腹立だしさをぶつけるように睨んではみるも…それすらも可愛いと『好きなだけ寝てろ。』と言いキスをして出て来た。

…会の面々や知る者からは『生きる機械(メカ)』やら『鉄仮面』と呼ばれている霧山も、何だかんだで惚れた女には弱く優しいのだ。

「…あ、霧山。」

「はい。」

「一夜経ちましたが、あの女は取り巻き共々強制送還しましたので。…念の為、報告しておきます。」

「…。あの女…あぁ、あの『女狐」ですか。」

女狐こと紫乃は笛木の籍から抜かれ正式に離婚が成立、実家である東京の佐野組へと返された。会長の腹心とも言える小田切と数人の若衆はそれらに同行し、逃亡を阻止する。

「会長…余計な口を挟みますが、これで“終い”となさるおつもりですか?夫婦の事だからと若頭は結果的にお任せすると…」

「まさか。私は私なりに始末付けますよ…きっちりとね。」

「……。」

「近々に東京へ行きます。その時はお前も共に来なさい。同じ事は清水にも伝えてあります。…かなり渋がられましたが。」

「…でしょうね。」

「気持ちはわかりますよ。美優さんは治療の一環としてリハビリを始めたばかりですから、側にいてやりたいんでしょう。」

「リハビリ?そんなに怪我の具合が良くないんですか。ンな風には昨日は見えませんでしたけど。」

「……右上半身の感覚が麻痺しているようです。その感覚を呼び戻す為のリハビリだそうですよ。」

「…ンな身体を押してまであの場に?存外に無茶な人です。」

「自分の事で命のやり取りなんてして欲しくないという、美優さんの『優しさ』が動かせたのでしょう。…清水には勿体ない女(ひと)です。」

「……。」

そんな話をして仕事を終えた霧山は、東京行きの話をほのかにも伝える。

「え…東京?」

「会長に付き従って若頭と一緒に行く事になる。帰りはその日になるか、次の日になるかわからねぇけどな。」

「ヤダ!その日の内に帰って来て悠斗さんっ。」

「…ンな事言われたってわかんねぇよまだ。朝は仕事を割り振って、何だかんだ済ませてから行くんだ。話によっちゃ長くなるだろうしよ。」

「じゃあ私も行く!」

「アホか!行く先は関東を締める極道組織の幹部の懐だぞっ。一緒に行ったりなんかしたら、今度はお前が人質に取られちまうだろが。…遊びに行くんじゃねぇんだ、今回の騒ぎの始末を付けに行くんだ。黙って札幌にいろ、いいな?」

「……。」

「何だ、かなり不服そうだな。」

「…。だって…悠斗さんいないと眠れないんだもん…」

「ンな事…俺だって同じだって。でもこればかりは仕方がねぇんだ…」

そう言って『おらせっ』とほのかを肩に担ぎ上げる。向かう先は風呂場だ。

「やーだーっ、おーろーしーてーっ!お米みたいに担がないでーっ!」

「うるせぇ、黙れ。黙らねぇと昨夜の二の舞を食うぞ。明日また動けない上に声カッスカスにしちまうぞ?」

「うぇーん…悠斗さんのサドぉ…」

「おいコラ。サドとは随分じゃねぇか…俺のセックスは『ノーマル』だ!」

「悠斗さんしか知らないもん!比べようないでしょっ。」

「…あぁ、そういやそうだったな。お前のハジメテは俺が美味しく食っちまった。」

「うぅ…会話が卑猥だよぉ~…」

結局、非力なほのかが霧山に敵う訳もなく…風呂場へと連れて行かれ、身体の隅々まで洗われるのだった。

それから数日程して霧山は東京へ発つ。様々ありながらもどうにか話をまとめ、佐野組との縁切りも済んで会長笛木の顔がホッと緩む。

「…やれやれですね。こんなにホッとするとは思っていませんでした。」

「それだけ常に気ぃ張ってたって事すね、会長。」

「…お2人とも、ご苦労様でした。」

3人は佐野組を去った後、宿泊予定のホテルへと入って最上階にあるラウンジで1献傾けていた。結局全てが終わったのが20時過ぎだ。

「話はまるっと変わりますが…美優さんのその後はどうです?」

「フッ、気合い入れてリハビリしてますよ毎日。…帰って来たら、また無理矢理に嫌いなモン食わされちまいます。」

「…お前は超偏食主義ですからねぇ…」

「……、…」

「おいキリ、どうした?何考え込んでるよ。」

「っ、いえ…」

その時霧山のスーツのポケットが振動で震え、取り出して画面を見た彼はスッと立ち上がる。

「すいません、ちょっと失礼します。」

席を離れ、ラウンジを出るか出ないかという所で「もしもし。」と出ると…

『…悠斗さん?もう終わったの?』

「終わってなかったら電話に出れねぇよ。…なした?」

『…。もう8時過ぎちゃったよ?やっぱ今日は帰って来れない?』

「…。さぁな…今からそっちに飛ぶのがあれば帰れるけどよ…」

『じ、じゃあすぐにネットで調べてみるっ。…だから、もしあったら帰って来てくれる?』

「…。わかったよ。自分でやるから、お前は何もしないで良い。…てか、そんなに帰って来て欲しいか?1人でデカいベッド占領して大の字で寝るチャンスなんだぜ?」

『……そんなチャンス、いらない…悠斗さんにギュッてしてもらう方が良いんだもん…』

「クック…それだけじゃ済まないかもしれねぇぞ?それでも良いのか。」

『……、…えぅ…』

「コラコラ、返事に困るな。」

『で、でも飛行機に乗って帰って来るなら疲れてるでしょ?さすがに。』

「わかっちゃいねぇなぁ、ほのかは。…男はな、疲れてる時ほどヤりてぇんだよ。」

『…。男の人って、ホント不思議…』

「てな訳で、スマホ使うから1回切るぞ。飛行機乗る前にまた電話する。」

『…ん。気を付けてね、悠斗さん…』

「あぁ、じゃあな。」

こうして席に戻り、帰る旨を切り出した霧山に若頭が言う。

…『気に掛かる事があんならすぐに戻った方が良い。小田切がいるとはいえ、粋がった奴らにカチコミ食らうとも限らねぇしな。』と。

一見すると自分達が不在のシマの心配をしているかのような言葉。だからか霧山は深読みする事なく詫びを入れラウンジを去って行った。

「…。驚きすね…まさかキリのあんな顔が見れるとは思ってませんしたよ…」

「清水、お前…よもやの立ち聞きですか。」

「気になるでしょう?…一瞬、向こうで何かあったかと思ったんすよ。でも…蓋開けたら女からだったみてぇで。ちょいと困らされてる感が笑えるっ…」

「他人の女なんてそう見えるものですよ。…お前がもし、美優さんに何か言われて困ったとしても…それすら可愛いと思えるでしょう?」

「まぁ…確かにそうすね。アイツはむやみやたらとンな事言いやしませんがね…たまにポロッと言わちまうと参りますねぇ。」

「霧山とて同じですよ。…何やかんや言いながらも惚れ込んでいるんですから。」

揶揄うかのような若頭だが、彼は素直に嬉しかったのだ。舎弟も持たず独りで過ごす事が多かった弟分の霧山に寄り添ってくれる『女(ひと)』が出来た事が。

順調に幸せに向かって歩く2人を見届けたい…その思いと願いを胸に、会長と若頭は再びグラスを鳴らすのだった。
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